★★★☆☆
この作品は、ずいぶん前から映画.comで見つけていて「昔ながらのミステリーのようなタイトルだなあ」と印象に残っていました。その時点では、原作の存在も知らず、キャストもわかりませんでした。
観にいくことにしたきっかけは、湊かなえ原作だと知ったから。小説は1冊も読んだことがないのですが、私は湊かなえ原作の映像作品とは相性がいい気がしているのです。
星は3つにしましたが、限りなく4つに近い3つといった感じでしょうか。
一応ミステリーの形式を取っていて、ストーリーの最後に真犯人が明らかになります。ただ、警察や探偵が犯人を突き止めるプロセスには主眼はありません。
最近ときどき見る手法ですが、同じシーンを異なる人の観点で何度も見せる構成になっています。やっぱりこの手法は私の好み。
見る側は、同じアクション、同じセリフを何度か視聴し、でもその中にさっきとはちょっと違う要素が入ってくるわけですが、何が同じで何が違うかがわからないと意味が伝わらないので、芝居の演出や編集は結構気を使うはず。
そして、この作品を特徴付けているのはやはり、ネットで情報が拡散するおそろしさ。
綾野剛演じる赤星という人物が本当に最低なヤツで、でも今の世の中、あんな感じでネットに書き込んじゃう人はいくらでもいそうです。映画がおそろしいというより、それが現実に起こりうる(というか、しばしば起こっている)と確信できるのがおそろしいわけです。
作品内で使われているSNSはTwitter。画面にオーバーラップする形で、色々なつぶやきが表示されます。この感じ、前にもあったなあと思い出したのは、深津絵里主演、森田芳光監督の『(ハル)』という作品。パソコン通信(^^;)で出会う男女の話でした。『電車男』は2チャンネル、今回の作品はTwitter。コミュニケーションツールが進化してます(^^;)。
こうして思い返してみると、イマドキなテーマも入っているし、昔ながらのミステリーの要素も入っている、構成も凝っている、役者もよかった。特に悪い点はなかったのですが、ものすごく強いインパクトがあったわけでもないので、星4つまではいかない気がしました。じわじわ来る作品なのかもしれません。
公式サイトは、こちら。
http://shirayuki-movie.jp/