2018年6月30日土曜日

『万引き家族』

★★★★☆

是枝作品らしい暗いトーンで、起承転結の結の部分がイマイチはっきりしないのもいつも通り。

社会の底辺あたりで、生活のためには社会のルールなど気にせずしたたかに生きている人たちが生々しく描かれています。そんな中でも、彼らはそれなりに楽しく生活しており、お互いにいたわりあう優しさや穏やかさも持っています。

決して明るくハッピーなエンターテインメントではなく、かといって社会問題として糾弾しようというドキュメンタリーでもなく、色々と考えさせられるドラマでした。

子役の2人を含めて、出演者の演技は素晴らしいです。

音楽が細野晴臣さんだったのはエンドロールを見て知りました。本編の中でBGMがついているシーンは非常に少ないのですが、前衛音楽的というか、これって音楽なの?というかなり変わった印象でした。細野さんだと知り、妙に納得しました。
映画とこの音楽が合っているのか、正直よくわかりませんが、この音楽を作る方も作る方、採用する方も採用する方という感じかも。


公式サイトは、こちらです。
http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

2018年6月10日日曜日

『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』

★★★★☆

昨年末に公開された不完全版(^^;)ならぬインターナショナル版は141分で、今回の完全版は26分長い167分だそうです。

ちょうど半年前ですが、どのシーンが追加された26分なのかまったくわかりませんでした。我ながら情けない記憶力(; ;)。
監督のインタビューでは、インターナショナル版は時間が短い分展開が早いが完全版は人間ドラマをじっくり見せていると言っていましたが、私の印象ではやっぱり怒涛の展開でした。

この半年の間に、日本の一部の人たちの間でバーフバリがずいぶん盛り上がっているようで、『ムトゥ 踊るマハラジャ』で衝撃を受けて以来のインド映画好きとしては嬉しい限りです。まあ、絶叫上映に参加したいとは思いませんが…(^^;)。

と思ったら、まさかのスピンオフのアニメ作品やコミック版が登場するとか。インド映画でもそういうシリーズ展開ってあるんですね。でもコミカライズは日本で行われるようです。ここまでくると、調子に乗りすぎてどこかで大コケしそうで、逆に不安になります。

もともとこの作品は2部作で『バーフバリ 伝説誕生』の続編です。半年前のインターナショナル版のときは、前作のあらすじが最初に紹介されたような記憶があります。今回の完全版はそれがありませんでした。父親のバーフバリの時代と、25年後の子供のバーフバリの時代と二つの時間軸が描かれていることが、前作を知っていないとわかりにくい気がしました。

一部に熱狂している人たちがいるとはいえ、やはりこの作品は万人にオススメできるものではないと思います。
でも、ちょっとでも気になっているのであれば、観てみるといいと思います。気にいるかどうかはわかりませんが、衝撃を受けることは間違いないでしょう。


公式サイトは、こちら。
http://baahubali-movie.com