2017年10月10日火曜日

『ドリーム』

★★★★☆

公開直前になって、なんとなく評判がいいので観てみようと思った作品。

ひとことで言うと、NASAのマーキュリー計画に計算係として関わっていた黒人女性が、差別に耐えながら活躍する話。
…というと、もうそれだけで話の展開は想像できてしまいますが、実際そのままの展開でした。変に足したり引いたりひねったりせず、ストレートに展開し演出もまっすぐですがすがしく感じました。

史実に基づいた作品だそうですが、当時のNASAの黒人差別の状況はもう少し改善されていたようです。いずれにしろ、当時のアメリカ社会は、これから宇宙へ行こうという時代に、映画で描かれていたような差別がまだまだ残っていたというのは事実でしょうから「何が自由の国だ」という感じですね。

純粋にいい作品だと思いますが、差別という要素があっての感動だという気もするので、自分の中ではちょっとモヤモヤした気持ちがあります。冷静になると、感動するより反省すべきでは?とも思ってしまいます。
この辺りの受け止め方は、私は所詮日本人なので、よくわかっていないのかもしれません。

ところで、この作品の原題は『Hidden Figures』。"figure"は「数字」や「計算」という意味と「人物」という意味があるので、ロケットの軌道計算を行う計算係の仕事と、差別のために舞台裏で活躍していた優秀な人々を表すダブルミーニングなのでしょう。
それが日本では『ドリーム』。以前から映画の邦題のセンスには疑問を感じていましたが、これはかなりひどいレベルだなあ。私は最初、ミュージカル映画のような作品かと思ってしまいました(^^;)。


公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/

2017年10月3日火曜日

『ソウル・ステーション/パンデミック』

★★☆☆☆

うーん。

公式サイトには確かに「『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚」と書かれているのですが、本国韓国でも本当に前日譚扱いなのでしょうか(邦題をはじめとして、日本側でヘンな宣伝や演出をすることがよくあるので)。

前日譚というからには『新感染〜』よりも時系列的に前の出来事ということになるはずですが、そう判断できる要素が何一つありません(例えば『新感染〜』の車内パニックのきっかけとなった、トイレに隠れていた感染者が、いつどこで感染して、なぜ列車に乗ったのかが描かれるとか)。
そもそも『新感染〜』以前にソウル駅付近であれだけのパニックが起こっていたら、『新感染〜』の列車が普通に発車できるとは思えません。

また、『新感染〜』では感染病がどのように生まれどのように広まったかが全く描かれていなかったので、前日譚ではその部分が明らかになると期待していましたが、『ソウル・ステーション〜』でも、その部分は結局わからないまま。

結局、ほぼ同じタイミングで発生した列車内でのパニックとソウル駅付近でのパニックを二つの作品にしたような印象でした。サイド・ストーリーまたはアナザー・ストーリーと呼ぶのであればまあ納得できますが、前日譚ではない気がします。

アニメーション技術については、背景とか視覚効果的なものはともかく、基本的な人物のデッサンとか動作とかがあまりちゃんと描けていないように思えます。
ジャパニメーション流が正解だとは思わないので、様々な技法や個性的な表現があるのはいいと思うのですが、どちらかというとクオリティが低く見えてしまったのが残念なところです。

ストーリー的には、登場人物の中に一人も冷静で理性的な人がいないので、どうも締まりがない印象。危険な状況を人にきちんと伝えられない、問題の原因を考えない、軽率な行動で危険を呼び込む、そんなことをやっていては、パニックが拡大するのは当然だと思えます。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』の方は、もう少しちゃんとしていた気がします。同じ監督なのに、どうしてだろう。

10月1日に1100円で観たので、まあ仕方がないかな。

公式サイトは、こちら。
https://pandemic-movie.com

2017年9月23日土曜日

『バーフバリ 伝説誕生』

★★★★☆

インドでは歴代興行収入を塗り替えた作品だとかで、日本でも上映されたようですが全く知りませんでした。たまたまその事実を知り、iTunes Storeでレンタル配信しているのを見つけたので自宅で鑑賞。

歴史スペクタクルものということになるのでしょうか。でもいつの時代、場所を描いたものなのかさっぱりわかりません。もちろん登場人物はインド人だし、インドっぽい生活スタイルを感じさせる要素はたくさんあるのですが、50年前の戦争のシーンはグラディエーターのようで、古代ローマ時代をインド人俳優で描いてるような無国籍感です。
敵である蛮族は、いわゆる未開の地の原住民のステレオタイプそのままというビジュアル。
主人公シブドゥは、超人的に強くて、マンガのようです。
でも、そのテキトーっぷりがインド映画の面白さなので、細かいことは気にしてはいけません(^^;)。

とにかくド派手で怒涛の展開で、138分飽きる暇がありません。

この作品、二部作なのですが、続編『バーフバリ 王の凱旋』は日本では2017年12月29日公開(すごい公開日!)だそうです。今度は映画館で観たいものです。

iTunes Storeの説明では、日本語字幕があるかのように書かれていたのですが、実際にはないようで、しかたなく日本語吹き替えで鑑賞。かなり残念。

公式サイトは、こちら。
http://baahubali-movie.com








2017年9月16日土曜日

『ダンケルク』

★★★★☆

もともと観るつもりではなかったのですが、評判がいいようなので観に行きました。

世界史は苦手ですし、第二次大戦中のヨーロッパ事情には疎いですし、ダンケルクの撤退作戦のこともこの映画を観るまで全く知りませんでした。そういった背景を知っていれば、より作品が理解できるのかもしれません。
ただ、作中では説明的な要素はほとんどなく、ある意味では舞台はどこでもよかったのではないかという気もします。

要は、ドイツ軍に攻め込まれたイギリス軍が、敵の戦闘機や爆撃機の妨害を受ける中フランスから船でイギリスへ撤退する話です。
観客は、撤退するイギリス兵と同じ場に身をおき、襲ってくる敵の攻撃を一緒に体験する感覚を味わいます。
たぶん戦闘機のエンジン音や機銃の音はかなり大きめに調整されているのだと思いますが、本当に恐怖感を覚えました。派手な戦争ものの作品だと空を覆い尽くすほどの大編隊だったりしますが、1機だけでもあんなに怖いものなのですね。

BGMもひたすら恐怖感、切迫感をあおるようなものでした。
そして、登場人物は戦意も全くなくなった兵士達で、セリフは非常に少なく、お互いの名前も名乗りません。若い兵士は知らない役者さんばかりで、最後まで顔を覚えられませんでした。そもそも、誰が主人公だったんだろう?
また、敵のドイツ軍は、戦闘機と爆撃機は絵として登場しますが、兵士は全く画面上に姿を見せなかったと思います。
この辺の演出も、普通の映画とはちょっと違う感じ。

とにかく肩に力が入る映画でした。


公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/
この公式サイト、やけに情報が少ないですね。観終わった後で、役者さんの名前を確認しようと思ったのに、キャストの情報すら書いてない…。

2017年9月11日月曜日

『三度目の殺人』

★★★☆☆

モヤモヤする映画です(^^;)。
この映画のプロモーションで福山雅治さんがテレビに出演したとき、通常の作品はストーリーが進むにつれて真実が明らかになっていくが、この作品はだんだんわからなくなっていくという逆のアプローチをとっている、という説明をしていました。
事前にこの説明を聞いていなかったら、全く納得感がなかったかも。

真実もよくわからないし、役所広司さん演じる被告の頭の中もよくわからないまま。…ということは、それはこの作品にとって重要ではないのでしょう。

役所広司さんの演技は素晴らしいです。基本的に穏やかで落ち着いた態度、喋り方なのに、どこまでも不気味。福山雅治さん演じる弁護士との接見室のシーンは見応えがあります。被告のブレない不気味さが弁護士を飲み込んでいく感じが緊張感とともに伝わります。

広瀬すずさんは被害者の娘の高校生役ですが、こちらも何を考えているのかわからなくて結構不気味でした。


公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/sandome/

2017年9月10日日曜日

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』

★★★☆☆

ついに一年戦争の始まりが描かれます。ということは、宇宙世紀史上とても重要な瞬間のはずですが、開戦そのものは作中では意外とサラリと通り過ぎた感じ。ブリティッシュ作戦も意外とあっさり。ルウム会戦は少し丁寧に描かれていますが途中までで、続きは次回作へという形で本作は終わってしまいます。

では、本作では何を描いているかというと、開戦前後の人々のドラマということになるでしょう。それが、シャア、ランバ・ラル、黒い三連星、ザビ家、連邦、セイラ、アムロをはじめとするサイド7の人々と多岐に渡るので、それぞれの短いエピソードが散発的に散りばめられていている印象。

絵はきれいだし、動きのクオリティもいいし、それぞれのエピソードはファースト・ガンダムの物語をより深めるものではあるのですが、一本の映画作品としてのまとまりやストーリーの軸が希薄な気がします。前作のときも同じようなことを書きましたが…。

今回からタイトルにローマ数字がなくなったのかな(「V」と書かれている場合もありますね)。これは、ファースト・ガンダムで描かれた部分もリメイクしていくということでしょうか。ア・バオア・クーまで何年かかるんだろう。

公式サイトは、こちら。
http://www.gundam-the-origin.net

2017年9月3日日曜日

『新感染 ファイナル・エクスプレス』

★★★★☆

ずいぶん前にこの作品が韓国でヒットしているという情報を知って、観に行こうと決めていました。
韓国映画は、この手のアクションものの暴力描写がちょっとキツイこともあるのですが、経験的に韓国でヒットしたものはまず裏切られることはありません。

あるウイルスか何かに感染すると自我を失い凶暴になって人を襲い、噛みつかれるとその人もまた感染して凶暴化するという設定ですが、その感染者の姿や動きはまさにゾンビ。あの見せ方はやや安易ですし、ちょっとコミカルにも見えてしまいました。

特急列車という閉鎖空間で感染者に襲われる人々のパニック映画ですが、閉鎖空間だけに間が持つのかと思いましたが、何度か駅に停車したり人間模様を描いたりして、飽きさせない展開でした。

主役を演じたコン・ユさんは、なかなかの大沢たかお顔でした(^^;)。
子役の女の子、キム・スアンの演技は素晴らしかったと思います。

この作品、ほぼ列車に乗っている人たちの視点でしか描かれていないので、その時ソウルやプサンでは何が起こっていたかもよくわかりませんし、感染の原因も対策も作品内ではほぼ明らかにされません。
前日譚は別のアニメーション作品として描かれるらしいですが、サイドストーリーや続編の余地がたくさん残されていて、その辺りも狙っているのかもしれません。

"新感染"というのはもちろん"新幹線"とかけたダジャレタイトルですが、当然日本でしか通用しないはず。原題はどうやら"プサン行き"という意味のようです。この作品にダジャレタイトルが適当かは疑問が残るところ。


公式サイトは、こちら。
http://shin-kansen.com

2017年8月27日日曜日

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

★★★☆☆

この作品の元となったテレビドラマは観ていませんし、当時高い評価を受けていたことも全く知りません。

事前の世間的な期待度は割と高く、私自身もそれなりに期待していたのですが、公開後のレビューサイトではなかなかの酷評も多いようです。

私自身は、充分楽しめましたし、少なくともそこまで酷評されるようなものではないと思いました。

学生が主人公の時空間超越モノということで、どうしても『君の名は。』と比較されてしまうのは、ちょっと損していますね。

岩井俊二さんは、このアニメ作品には「原作」としてクレジットされていて、実際どれだけ関わっているのかわかりませんが、彼の名前を聞いただけで、感覚的で行間のある作品をイメージしていました。そのつもりで観れば、特に気になりませんでした。

また、下ネタ云々というレビューを見かけましたが、自分にはまったくわかりませんでした。確かに上品とは言いかねる会話などはありましたが、中学生の男の子ならそのくらいは当たり前。

メインの登場人物が中一という設定なのですが、最近の日本のアニメの記号化されたキャラクターデザインだと高校生ぐらいにも見えたりしてしまいました。
そして、菅田将暉くんと広瀬すずさんの声がキャラにあっていたのかどうかも、ちょっと微妙な気がしなくもないです。

広瀬すずさんの歌う『瑠璃色の地球』は、もちろんボーカリストとしての技術や表現力は松田聖子さんにはまったく及ばないのですが、素直でまっすぐでよかったと思います。

学校の校舎やプールがやけに凝ったデザインで気になりました。

公式サイトは、こちら。
http://www.uchiagehanabi.jp/index.html

2017年8月13日日曜日

『君の膵臓をたべたい』

★★★★☆

原作は読んでいませんが、話題になっていたのは知っていましたし、なかなかインパクトのあるタイトルが気になっていました。

ヒロインの女子高生が膵臓の病気で長くは生きられないという設定を除けば、最近流行りの胸キュンものとそう変わりはないかなあ。

でも、時間を飛び越えたり人の心が読めたりするような特殊能力も出てきませんし、むしろ残酷な現実をしっかり描いているので、割と地に足のついた作品として観られたと思います。

ヒロイン役の浜辺美波(なんだかすごくビーチガールな名前ですね ^^;)さんは、たぶん以前テレビドラマか何かで見たことがありましたが、まだ世間的にはそれほどの知名度も実績もない女優さんだと思います。
彼女の役は、命に関わる病気なのにやたらと明るくて主人公の内向的な男の子を翻弄するのですが、とてもよかったと思います。

主人公の男の子役の北村匠海(こちらも名前に海がつくんですね)くんは、全く知らない俳優さんでしたが、こちらもよかったです。

彼らが、役者としてまだそれほど有名ではないことと演技がとてもよかったことで、本人がキャラクターそのもののように思えて、ストーリー自体は必ずしも目新しくなくても、観たことのない新鮮な作品に感じられたのだと思います。


公式サイトは、こちら。
http://kimisui.jp/#/boards/kimisui

2017年8月6日日曜日

『カーズ/クロスロード』

★★★☆☆

前作、前々作も観ているのですが、正直間が空きすぎて、細かいストーリーやキャラクターの関係性はよく覚えていません。
でも、それがわかっていなくては本作が楽しめないということはありません。

世代交代がストーリーの大きなテーマなので、ちょっと切ない感じもあり、さらに続編があったとしたらどう展開していくのか読めない終わり方でした。
主人公のマックィーンは新世代に突き上げられる立場ですが、キャラクターが車なので、しわも白髪もなく、あまり老いを表現できないのが苦しいところですね。

途中、レースに向けての準備のプロセスは、新たなパートナーとの信頼関係や悪あがきや葛藤や、マックィーンにとっては色々と重要な部分かもしれませんが、観ている側としてはちょっとダレてしまう感じがあったかも。

今回も私はもちろん字幕版を観たのですが、それでも日本上映版の主題歌は奥田民生さんなのかと心配していましたが、幸い全て英語の歌でした。いや、奥田民生さんには何の恨みもありませんが、可能な限りオリジナルに近い形で観たいので。

同時上映の短編も悪くなかったのですが、いじめはいけないというメッセージがややストレート過ぎな気がしました。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/cars-crossroad.html

2017年7月16日日曜日

『メアリと魔女の花』

★★★☆☆

なんというか、スタジオジブリ"風"の作品。
スタジオジブリ出身のプロデューサー、監督、スタッフ達の手によるので、看板を付け替えただけで中身はジブリ作品そのものと言ってもいいのかもしれませんが、微妙に違う気もするので、そこが見る側としてもちょっとモヤモヤしてしまいました。

もしスタジオジブリとして同じメンバーでこの作品を作ったとしたら、宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫といった面々が、直接作品には関わらないまでもそばにいることで、何か影響されていたのでしょうか。結果的に作品はどちらの方がよくなっていたのでしょうか。

なんとなく「ジブリの次にくるもの」と見てしまう細田守作品や新海誠作品も、『メアリ〜』と比べるとそこまでジブリと似てはいません。スタジオジブリに所属して直接指導を受けるというのはこういうことなのかとよくわかります。

でも、似ているが故にどうしてもジブリらしさを期待されてしまい、ジブリの呪縛に縛られて自由な創作ができなくなるリスクもあると思います。その辺の塩梅を彼らがどう考えて『メアリ〜』を作ったのか気になるところ。

私自身は、この作品は、世界観もストーリーも、キャラクターの演技も構図や動きも、ジブリを強く感じましたが、お約束の手法をふんだんに盛り込んだだけで、作品全体としては微妙にスケールダウンしている気もしてしまいました。

今後、ジブリの遺伝子を継承しつつ、単なるコピーではなく、それを昇華させたノポックオリジナルの作品が登場することを期待します。


公式サイトは、こちら。
http://www.maryflower.jp/index.html

2017年6月26日月曜日

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第二章 発進篇』

★★★★☆

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の後、そのTV版として『宇宙戦艦ヤマト2』が放映されましたが、やはり映画1本分を26話のエピソードに拡大するので、どうしても間延びした印象でした。ヤマトが発進するまでに4話を費やし、テレザート星に到着してから出発するまで5話も使い、デスラーとの直接対決は2回あります。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』が26話で製作されると聞いたとき、『〜2』の間延び感がどうなるのかが一つの興味でした。
今回の第二章は3話〜6話に相当するはずですが『〜2199』のときと違って、エピソードの切れ目で各話のタイトルなどは表示されないため、実際ヤマト発進が何話に相当するのかはっきりしません。でもたぶん4話だと思います。
つまり『〜2』と同じですが、意外と間延び感はありませんでした。その間は、古代たちが反逆の汚名をかぶってまでヤマトを発進させようと思うに至った経緯が描かれるのですが、今の自分にとってはそういうエピソードも充分面白いと思えるからかもしれませんが。

映画館では第二章以降は4話を束ねた章単位での上映で、それなりのボリュームと密度があっていい感じなのですが、今後おそらく1話単位でテレビ放送ということになるでしょう。そうなったとき、2話とか3話とかはちょっと地味な印象になるのかもしれません。

内容的には、『さらば〜』っぽい要素、『〜2』っぽい要素、どちらでもない要素が混ざっている感じ。第一章では登場しなかった土方さんも出てきましたが、まだヤマトとどう絡むのかよくわかりません。


公式サイトは、こちら。
http://yamato2202.net






2017年5月23日火曜日

『メッセージ』

★★★☆☆

元々は予告編を見て、エイリアンの言語を解読するストーリーに興味を持ちました。

その後、アカデミー賞にもノミネートされていたことを知りました。アカデミー賞で評価される作品は、自分としてはちょっと重苦しい印象を持つことが多いので、少々警戒しつつ観に行きました。

うーん、なんとも不思議な作品ですね。
エイリアンに対して、それぞれの国家の足並みがそろわない感じや、母と子のアンハッピーなエピソードなどは、いかにも(私がイメージする)アカデミー作品的。

最近の流行りですが、シリアスな作品でありながら登場人物が特殊能力を持っていたり、複数の時間軸が繋がったりするところは、あまりSF的考証がないままなのでファンタジー的。

一番興味を持っていたエイリアンの言語の解読については、その過程をある種学術的に細かく描写しているのか、そこは適当に端折ってしまうのか、予告編ではわかりませんでした。私は、ある程度詳細に分析プロセスを見せて欲しいと思っていたのですが、実際は期待の40%程度といったところでしょうか。

アカデミー賞では音響編集賞を受賞しているようですが、確かに音は印象的でした。

原題は『ARRIVAL』だそうです。


公式サイトは、こちら。
http://www.message-movie.jp

2017年5月1日月曜日

『3月のライオン【後編】』

★★★☆☆

前編はTVアニメとかなりエピソードがかぶっていたのである程度展開を予想しながら観ましたが、後編は全く白紙の状態で観ました。

思った以上に多くの登場人物にとっての決着、あるいは次に進むための一歩が描かれており、すがすがしい終わり方だったと思います。

ただ、川本家のいじめ問題や父親問題は、主人公の桐山くんと川本家の関係がさらに深まるエピソードだとは思いますが、かなり唐突な印象でした。前編になんらかの布石や伏線があればまだよかった気がします。幸田歩くんの引きこもりエピソードもまた然り。
いじめとか引きこもりは、それだけで作品が成立してしまうような大きなテーマなので、ストーリーの本流に対して枝葉的エピソードとして扱われていることに違和感を覚えたのかもしれません。連ドラのように様々なエピソードを豊富に盛り込めるならともかく、2時間程度の前後編だと厳しいような。原作では、もう少しじっくり描かれているのかな。

2017年5月1日に観たのですが、平日とはいえゴールデンウィーク中、映画が安い日、そして中学生プロ棋士の藤井さんが羽生さんを破ったというニュースがつい最近話題になったので、さぞ混んでいるだろうと思ったら、それほどでもありませんでした(^^;)。
お客さんを『美女と野獣』に取られているのかな。

川本ひなた役の清原果耶さんはこの映画で初めて知りました。顔つきは、大人になった芦田愛菜さんのようは、子供の頃の小松菜奈さんのような印象。今後もっとメジャーになっていくのかな。

公式サイトは、こちら。
http://www.3lion-movie.com

2017年4月29日土曜日

『バーニング・オーシャン』

★★★☆☆

実際の事故が起こったのは2010年4月なので、ちょうど7年前。言われてみればそんなニュースをやっていたなあという程度しか覚えていません。しかも、最初の爆発事故よりも、その後ずっと続いて石油流出による海洋汚染の方が印象に残っています。

実際の事故に基づきつつ、映画作品というエンターテインメントに仕上げるのはさぞ大変だろうと思います。
もしフィクションであれば、未曾有の災害の中、ヒーローが大活躍して、被害を食い止めたりするものでしょう。でも、こんなことを言っては申し訳ないのですが、本作では主人公ですら大して活躍していない印象でした。実際にあれだけの事故が起こってしまうと、人間がやれることは本当に限られているということですね。それがリアルといえばリアル。

一応、主人公とその他数名が事故の際に勇敢に振る舞った側、そして納期とコストを優先して設備のテストを徹底しなかったクライアント企業サイドが悪役という構図で描かれていますが、物語の中で具体的にクライアント企業に事故の責任を問う描写はほとんどありません。
作品全体としては、暗に"安全のためには、徹底したテストが大事"というメッセージを感じましたが、実際にはそのとき起こったことを淡々と描写する見せ方になっていました。

『バーニング・オーシャン』は邦題で、原題は"Deepwater Horizon"。事故を起こした石油掘削施設の名前そのままです。
本編の中のセリフでもこの名前が盛んに登場していましたが、字幕では「ディープウォーター」としてありました。読むにはちょっと長いので、やむを得ないですね。

公式サイトは、こちら。
http://burningocean.jp

2017年4月26日水曜日

『LION/ライオン ~25年目のただいま~』

★★★☆☆

『ムトゥ 踊るマハラジャ』でインド映画の衝撃を味わって以来、機会があればインド映画やインドがらみの映画を割とよく観てきたと思います。

予告編の段階で、インド人の少年が迷子になり、養子としてオーストラリアに引き取られて大人になり、Google Earthなどを使って自分の住んでいた場所を探し当てるというストーリーの骨格はわかっていました。

こういう場合、現在の時間軸で話が始まり、少しずつ過去のできごとが明らかになっていくような構成が多いのですが、予想に反して普通に過去から順に描かれていました。そして、迷子になってから養子として引き取られるまでのインドパートが意外と長い…。

日本だと、仮に迷子になっても、そのまま身元不明児になってしまう可能性はとても低いと思うのですが、インドだとリアリティがあることなのでしょうか。貧富の差が大きい国だとか多言語国家だとか、ああいうことが起こりやすい社会環境なのかもしれません。

本編を観る前は、Google Earthなどをどううまく使って場所を特定していくのか、ある種謎解きのように見せているのかと思いましたが、全く違いました。
どちらかというと、養父母の元で幸せに生活している主人公が、本当の家族に会いたいと思ってしまうことに苦悩し葛藤するという部分を大きく取り上げています。
たぶん、こういう描き方のおかげでアカデミー賞のノミネートを獲得できたのでしょうが、個人的にはもう少し謎解きの要素を楽しみたかったと思います。
と言っても、実話に基づいているのでどうしようもないでしょうが。

実話といえば、映画の最後に、主人公のモデルになった本人と育ての親が実の母親が出会う実際の映像が流れます。この映像にとても力がある気がして、この話はドラマ仕立ての作品よりもドキュメンタリーで観た方がよかったかもしれないと思いました。

主人公サルーを演じるのは『スラムドッグ$ミリオネア』で主役の少年を演じたデヴ・パテル。いやあ、大人になりましたねえ。
サルーの子供時代を演じたサニー・パワールの演技は素晴らしいと思いました。

映画のタイトルがなぜ"LION"なのかは、作中の最後に明かされます。


公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/lion/

2017年4月20日木曜日

『ゴースト・イン・ザ・シェル』

★★★☆☆

原作コミックは読んだことがありませんが、押井守監督のアニメーション版は公開当時に映画館で観ています。

本作は、アニメーション版と同じストーリーではありませんが、そこかしこにアニメーション版とそっくりのカットやシーンが登場します。エンドロールの最初の音楽は、アニメーション版でも使われていた曲ですよね、たしか。こういうのを見ると、オリジナルに対するリスペクトと愛を感じてしまいます。
つい最近だと『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の英雄の丘のシーンがセリフもBGMもカット割りも『さらば〜』とほとんど同じにしてあるそうで、私のように旧作を夢中になって観た世代の心に刺さります。…という演出テクニックなのかもしれませんが(^^;)。

主人公の名前はアニメーション版だと草薙素子という日本人名ですが、実写版だとどうなるのだろうと思っていました。テレビなどの情報では「少佐」としか表現されていなかったので、名前はないキャラクターなのかと思っていたら、そういうことだったのですね。

アニメーション版は、近未来のSFアクションでありながら、自分とは何かという哲学的な問いが根底にあって、それが独特のトーンになっていたと思うのですが、実写版もかなりシンプルにしつつ同じようなトーンを作ろうとしているのは感じられました。そういう意味では、典型的なハリウッドらしさとはちょっと違うかも。

いずれにしろ、万人受けする作品ではない気がします。

スカーレット・ヨハンソンの光学迷彩ボティが、個人的には何か違う気がしてしまいました。自分としては、少佐はもっとスリムでしなやかなプロポーションのイメージです。

で、アニメーション版を観たときの「とんでもないものを観ちゃった」という衝撃と比べると、実写版はやはり想像の範囲内だった気がします。逆に言うと、アニメーション版がいかにすごかったかということを再認識できるということでもあります。


公式サイトは、こちら。
http://ghostshell.jp

『キングコング:髑髏島の巨神』

★★★☆☆

巨大生物の棲む島に取り残された人々の脱出劇というと、私の場合は『ジュラシック・パーク』シリーズがとても印象深く残っています。映画を観ている途中からすでに「ああ、これは恐竜が別の巨大生物に置き換わった『ジュラシック・パーク』だな」と思っていました。

時代設定を1970年代、ベトナム戦争終結直後としたのはなぜなんだろう?さすがに現代にしてしまうと、存在が知られていなかった島が新たに見つかったというのが不自然ということかな。

島に入るメンバーは、ベトナムに従軍していた軍人、研究者、カメラマンと行った人たち。軍人たちは、巨大生物がどんな生態なのか調べようともせずに見ただけですぐに攻撃してしまいます。理性的とは言えない、非常に短絡的な行動で、私は全く共感できませんでした。
あの、希少生物や生態系の保護などとは一切言わず殺そうとする振る舞いが、ベトナム戦争の時代だとリアルなのでしょうか。

キングコングを始めとする巨大生物のCGは本当によくできていて、迫力がありました。ただこれも今となっては、それほど衝撃的ではないですね。

公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/

2017年4月13日木曜日

『パッセンジャー 』

★★★☆☆

数ある宇宙モノSF作品の中で突出した何かがあるわけではないと思いますが、なかなかよかったと思います。

この作品は、公開される直前ぐらいに観に行こうと思いました。
それは、120年間コールドスリープで眠らせた5000人の乗客を別の惑星に送る宇宙船で、トラブルにより1人だけ90年早く目覚めてしまうという設定が、非常に面白そうだったから。

コールドスリープというSFでは定番の技術を私が初めて知ったのは、たぶんテレビドラマ『猿の軍団』だと思います。コールドスリープのストーリーの中での活かし方でよくあるのは、目覚めたら全く状況が変わっていて、一体眠っている間に何が起こったんだ?的な謎と結びつけるものだと思います。

でも本作では、一人だけ先に目覚めてしまうことによる絶望的な孤独感につなげているのが「なるほど、その手があったか!」という感じでした。しかも、他の人たちは90年経たないと目覚めないので、その前に自分は死んでしまうことも予想できる状況です。

この状況からの主人公の行動、ストーリー展開は、様々な可能性が考えられるので、観る側としてはなかなか予想ができません。実際、様々な悪あがき、諦め、さらにはサスペンス的な要素、ラブロマンス、危機を救うヒーロー的な活躍など、色々な要素が盛り込まれていました。若干、盛り込みすぎな気もしましたが…(^^;)。

宇宙船アヴァロンの造形、これぞ未来な感じで結構好き。


公式サイトは、こちら。
http://www.passenger-movie.jp

2017年4月8日土曜日

『3月のライオン【前編】』

★★★☆☆

原作コミックは読んだことありませんが、なぜかTVアニメは何となく観ていました。
主人公の桐山零は心に闇を抱えた内向的なキャラクターで、とても重苦しいストーリーが展開したかと思うと、やたらとハイテンションなノリになったりして、ちょっと見る側の気持ちが定まらない印象はありますが、基本的にはいい作品だと思いました。

実写版も、やはりシリアスとハイテンションがコロコロと切り替わりますが、アニメほど極端ではないかな。

将棋に詳しいわけではないので、盤面を見ても状況はわからないし、一手で形勢が逆転する感じとかも実感できません。その辺は全てキャラクターのセリフや感情の変化から理解するしかないので、この作品が描く競技が何であっても、自分にとっては同じかもしれません。

役者さんは、主人公の神木隆之介くんをはじめ邦画ではおなじみの面々で、ちょっと代わり映えしない印象だったかな。
有村架純さんが、すごく感じの悪い義理の姉役としては見た目がかわいすぎるのではないかと思いましたが、本当に嫌な女に感じられたのでよかった(?)と思います。
染谷将太くんは、役になりきるための特殊メイクだということはわかるのですが、あそこまで風貌を変えるくらいなら、別の役者さんをキャスティングしてもいいような気がしてしまいました。

ところで、私はいまだにこの作品のタイトルがなぜ『3月のライオン』なのかわかっていません。アニメ版で説明されていたとしたら、そこは見落としてしまったと思います。実写版の後編でわかるのかな。


公式サイトは、こちら。
http://www.3lion-movie.com/index.php

2017年4月7日金曜日

『SING/シング』

★★★☆☆

字幕版を観ました。

海外の3DCGアニメというと、ピクサー・スタジオ作品は『トイ・ストーリー』以降の長編は全て観ており、あとはディズニー・スタジオ作品を少し観ているだけ。ユニバーサル・スタジオ作品は今回が初めてだと思います。

ミュージカル映画は昔からあったと思いますが、最近『アナと雪の女王』や『ラ・ラ・ランド』など、少しトレンドっぽくなっているかもしれません。その流れを受けての『SING』なのかはわかりませんが、音楽のショーを観せる劇場を舞台にした作品なので、それはもう歌いまくります。
通常の芝居の途中で歌い始めるということはないので、これをミュージカルとは呼ばないのかもしれませんが、「歌う映画が流行っているからうちでも作っておこう」と思ったのであれば、こんな安易な企画はないというぐらいそのまんまの歌う映画です(^^;)。

歌はよかったと思います。
ただ、ストーリーはまあ普通の印象。何人かのキャラクターの日常抱えている問題などが描かれるので、一つ一つを深くは掘り下げられないし、特に繋がりがあるわけでもありません。
キャラクターは動物ですが『ズーラシア』が社会問題を描いたような、動物である必然性もないように思えます。

3DCGアニメ技術的にはどうなんだろう?キャラクターの造形とか、演技とか手足の動きとか、ピクサーやディズニーと比べるとやや勢いに任せて作ってる気がしてしまうのは先入観でしょうか。

吹き替え版では、MISIAや大橋卓弥が参加しているとか。歌はともかく、普通のセリフ部分をどのように演じているのか興味あるなあ。観ないけど(^^;)。

公式サイトは、こちら。
http://sing-movie.jp

2017年4月1日土曜日

『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』

★★★☆☆

4月1日で映画が安い日なので、微妙に期待していない作品(スミマセン)に挑戦してみました。でも、この作品、レビューサイトではかなりの点をとっているので気になっていたのです。

結論は全米制覇しちゃうことがわかっているし、最初はド素人の部員とスパルタ教師とくれば、おおよその展開も読めちゃうわけですが、そういう意味ではとてもわかりやすい作品。
実話として日本の高校のチアダンス部が全米で優勝してしまうストーリーは無条件で素晴らしいと思うけど、描かれているエピソードはどこまでが事実なんだろう?

こういう作品は、ダンスの出来にどれだけ説得力があるかが勝負だと思います。素人の私の目には、かなりちゃんとしているように見えましたが、世界レベルかどうかと言われると…。それにしても、広瀬すずさんは私が観た作品だけでも競技かるたやバイオリンや、色々なことをやらされていますね。

素人集団のダンスとスパルタコーチというと、私は『フラガール』を思い出します。あれと比べると本作はかなりテレビ的。芸人のようなツッコミがあったり、バラエティ番組のような効果音が入れてあったり、全体的にちょっと軽い印象。そのうちテレビで放映されるのを観たときに違和感なく馴染むかも。

そんなわけで、個人的は評価は星3つですが、映画館はお客さんがいっぱい。ティーンやファミリーが多かったかな。春休みの土曜日の昼間で1日だったせいなのか、本当にこの作品をぜひ観たいという人が多いのかは不明。


公式サイトは、こちら。
http://cheerdance-movie.jp

2017年3月27日月曜日

『サバイバルファミリー』

★★★☆☆

矢口史靖監督作品。
矢口作品は、割とゆるい雰囲気とほの可笑しい笑いが特徴だと思っています。今作も矢口作品らしさは感じましたが、若干毛色が違う気もしました。

実際の緊急時に活かせそうなノウハウなどもチョコチョコと織り込んで、割とドキュメンタリーっぽい印象。車のバッテリー補充液が精製水で、飲もうと思えば飲めるなんて全く知りませんでした。

本作に登場する鈴木家は、サバイバルファミリーとしてはかなりヘナチョコで、体力もないし忍耐力もないし、サバイバルの知識もありません。にもかかわらず、謙虚に人に頼ったり他の家族と力を合わせたりすることもしないので、観ている側としてはかなり歯がゆいし、必ずしも共感できません。
反面教師的な描き方なのはわかるのですが、サバイバルを学ぶにはもう少しうまくやってくれてもいい気がしました。

事件発生前のお父さんの仕事、長男の恋愛、長女の友達との関係などは、その後どうなったのか結局最後まで回収されなかったと思います。
突然電気がなくなった原因の説明は、まああんな感じかな。バッテリーや都市ガスまで使えなくなる設定は、よりサバイバルの条件を厳しくするための都合のでしょうが、さすがに科学的な理由づけが難しいので、あまりそこは追求しない感じになっていました。矢口作品なので、私はなんとなく受け入れてしまいました。

公式サイトは、こちら。
http://www.survivalfamily.jp

『モアナと伝説の海』

★★★☆☆

自分を信じて、仲間と力を合わせて頑張れば必ずうまくいく、というのは、多くの大人たちが子供に伝えたい普遍的なメッセージなのかもしれません。
ただ、同じテーマで作品を作り続けていくとどうしても同じような展開の物語になってしまい、それでも作品ごとの個性を出すためには、舞台を変え、キャラクターを変え、その他細かい味付けを変えるぐらいしか手がなくなってきます。

『モアナと伝説の海』自体はとてもいい作品だと思いますし、アニメーションのクオリティも高く、音楽も魅力的。ただ、ストーリー展開としては、どうしてもどこかで観たような感じがしてしまいました。
この作品を素直に楽しむためには、いかに真っ白な気持ちで観るかが大事かもしれません。

マウイのキャラクターは、筋骨隆々の固太り体型をさらにアニメ的にデフォルメしているので、丸々とした造形になっています。CGアニメーション技術的に、動かすのが難しそう(例えば手足を大きく動かそうとすると胴体にめり込むことになるなど)な気がしますが、激しいアクションも全く自然に見えました。

テレビのインタビューで、この作品の監督が宮崎駿をリスペクトしているようなことを言っていました。作中に出てくるモンスター(?)がちょっと巨神兵っぽかったのは、意識しているのかな。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/moana.html

2017年3月26日日曜日

『彼らが本気で編むときは、』

★★★★☆

荻上直子監督作品というと『かもめ食堂』と『レンタネコ』を観ています。
割とのほほんとした空気で、登場人物の日常を淡々と描き、特に劇的な事件が起こるわけでもないのですが、なんとなくほっこりする作品を作る監督という印象です。

本作は、生田斗真君演じるトランスジェンダーが登場します。こういう作品は大抵本人が激しく苦悩し、周りを巻き込んで大騒動が起こるか、社会問題的に非常に重く描くというのがよくあるパターン。
荻上監督がいかにトランスジェンダーを淡々と描いているのかが、私の興味でした。

実際に観てみると、荻上作品らしいのほほんとして淡々としてほっこりする感じはあったものの、それなりに事件は起こり、それなりに苦悩する姿が描かれていて、社会的メッセージも感じる作品でした。
ただ、生田君演じるリンコはすでに迷いの時期を超え、自分の生き方を決めており、作品の最初から最後まで一貫してその姿勢は変わりません。
どちらかというと、そのリンコを見て周りの人たちが変化していく様子を描いています。

荻上監督なら、トランスジェンダーを本当に単なる日常の一部のように描くのかと思いましたが、一応まだ(?)トランスジェンダーという存在を問う作りになっていました。

生田斗真君は、とても頑張っていたと思いますが、どうしても男性が無理して女性を演じているような違和感がありました。ただ、体が男で心が女というのはそういうことなのでしょうから、これで違和感を感じるようならお前はまだまだだと試されているのかもしれません。

トモを演じた子役の柿原りんかさんは、とても複雑な感情を見事に演じていて素晴らしかったと思います。


公式サイトは、こちら。
http://kareamu.com

2017年3月20日月曜日

『ラ・ラ・ランド』

★★★☆☆

『セッション』と同じ監督の作品で、アカデミー賞のノミネート数でも話題になっていたので観に行きました。

ただ、私はミュージカル作品は苦手。半分は、自分自身がどう感じるかを試すようなつもりでした。案の定…

音楽は割とよかったと思いますが、やはり普通の芝居のモードから歌のモードへ移行する際の違和感は感じました。
一旦音楽を忘れてストーリーだけを考えてみると、かなりありふれたラブストーリー。正直言って物足りませんが、複雑で込み入った話にしてしまうと話の展開を追いかける方に気を取られて音楽が楽しめなくなるので、あえてシンプルにしてあるのかも。

歌と踊りにほとんど興味がない自分としては、この作品はどうしても能天気すぎる気がしてしまいますが、今の時代現実の方が複雑で先が見えないだけに、こういったわかりやすさ、痛快さが求められているのかもしれません。

それにしても、デイミアン・チャゼル監督はまだ若いのに、2作続けて音楽ものをヒットさせて、次がやりづらくならないのでしょうか。

公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/lalaland/

2017年3月4日土曜日

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第一章 嚆矢篇』

★★★★☆

『宇宙戦艦ヤマト2199』もそうですが、子供のころ本当に夢中になった作品なので、冷静な評価は無理です(^^;)。

おそらく『〜2202』は、『さらば〜』の要素、『〜2』の要素、新たな要素が混ざったような作品になるのだと思いますが、第一章は『〜2』の要素はあまり感じられなかった気がします。
個人的に『〜2』はあまり好きではありません。一番は絵のクオリティが納得できないのですが、『さらば〜』のストーリーをベースに26話分にしているので、全体的に間延びした印象で、緩いというか甘いというかスキがある感じがするのです。
『〜2202』の第一章は、新たな要素として地球とガミラスの微妙な和平関係や、地球の軍拡路線など緊張感があって、なかなかよかったと思います。この緊張感を26話貫いてくれれば、期待できるような気がします。

現時点での疑問とか希望とか。
第一章にはまだ土方さんが出てきませんでしたが、『さらば〜』を踏襲してヤマトの艦長になるのでしょうか?
ガミラスと和平条約を結んで大使を置くような関係だとすると、イスカンダルとも継続的な関係が続いていて然るべきですが、『〜2202』のストーリーにイスカンダルは絡んでくるのでしょうか?
第一章でわざわざ森雪の記憶喪失に触れたということは、今後何か意味を持ってくるのでしょうか?
結末は、さらなる続編の可能性を残すためにも、主要キャストが生き残る『〜2』を踏襲するものと勝手に思っています。そんな中、旧作では『〜2』で加藤三郎が死亡して『〜永遠に』で弟の加藤四郎が登場するというのはかなりイケてない演出。『〜2202』では加藤三郎が生き残ることにしておいた方がいいのではないかと思っています。…が、加藤家はもっと別の深刻な問題を抱えていましたね。

そういえば、エンドロールで「原画」のところに「湖川友謙」の名前を見つけました。感動。

公式サイトは、こちら。
http://www.yamato2202.net






2017年2月5日日曜日

『沈黙 -サイレンス-』

★★★★☆

遠藤周作の原作は読んだことあったか全く思い出せませんが、映画を見ても思い当たる節はなかったので、事実上先入観ゼロで映画を観たと言っていいと思います。

なんとも重いテーマで、特に楽しい要素があるわけでもなく、救いもない作品ですが、途中で飽きることなく集中して観られたので、そういう意味でよかったと思います。

ただ、内容が内容なだけに、見る人によって受け止め方はずいぶん違うと思います。
自分は、信仰を持たない(興味がない)日本人という立場なので、登場人物の誰かに感情移入するわけでもなく、一番客観的に傍観できる観客だと思います。
これが外国人だったら、キリスト教徒だったら、布教活動をしている人だったら、と考えると、宗教弾圧、神への冒涜以外の何物でもないこの作品に怒りを覚えたりしないのかと心配になります。
まあでも、これをマーティン・スコセッシが作ったのだから、こんなふうに宗教を取り扱った映画がエンターテインメントとして西欧でも成立するということなのでしょう。

主役の神父は『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドで、最初はちょっと違和感がありましたが、とてもよかったと思います。
日本人キャストでは、やっぱり窪塚洋介くんかなあ。ストーリー上は大変愚かで信念がなくてダメダメなキャラですが、なんだかとても印象に残ります。

加瀬亮さん、小松菜奈さんは、登場シーンも少ないせいか、彼らが演じる必然性があまりないように感じました。

公式サイトは、こちら。
http://chinmoku.jp

2017年1月1日日曜日

『海賊とよばれた男』

★★★☆☆

普通にいい作品だと思いました。

原作百田尚樹、主演岡田准一、監督山崎貴という同じ組み合わせの『永遠の0』と比べても、出来栄えとしてさほど差がある感じはしません。ただ、2016年は話題作が多く『君の名は。』をまだ上映していたりするので、どうしても印象が弱くなってしまうのが残念なところ。

あとは、先の3名に加えて染谷将太くんも『永遠の0』に出演していたり、描かれている時代も近かったりするため、どうしても作品のトーンが似てしまう気がします。少し違うタイプの作品を作ってから『海賊〜』にしてもらった方が、新たな気持ちで観られたかも。

岡田くん演じる主人公は、怒りや悲しみの感情表現がとても激しく、すぐに怒鳴り散らして机をバンッと叩いたりします。おそらくそういうキャラクター像なのだと思いますが、個人的にああいう芝居があまり好きではありません。いや、ああいう人が好きじゃないのかな。
作品を観ていて、「また、そんな大げさな芝居しちゃって」と、ドラマの外側へ引き戻される瞬間が何度かありました。

最後にちょっとだけ黒木華さんが出てきて、ちょっと得した気分になりました(^^;)。

公式サイトは、こちら。
http://kaizoku-movie.jp


さて、2016年に観た映画は46本。豊作だった気がします。大ヒットとなった『シン・ゴジラ』『君の名は。』も大変満足度が高かったですし、『この世界の片隅に』はそれを上回るようないい作品。少し影に隠れてしまいましたが『聲の形』もよかったと思います。でもあえて私の2016年ナンバーワンを決めるなら、インド映画の『PK』でした。