2019年11月17日日曜日

『盲目のメロディ ~インド式殺人狂騒曲~』

★★★★☆

簡単に言うと、盲目のフリをしていたピアニストが、殺人事件を目撃してしまったことをきっかけに事件に巻き込まれていくという作品です。

おそらくインドの映像作品にもミステリーやサスペンスといったジャンルのものがあるとは思うのですが、これまで私が観た作品で、その手のものは思いつきません。

映画の後半は、主人公が命を狙われることになり、そこから逃げまくるのですが、敵と味方が目まぐるしく入れ替わって、非常に忙しい展開。なんだかワンクールの連ドラを観たような感覚でした。正直、映画を観終わった直後でも細かい展開を思い出せませんでした。

このストーリー展開なら、本当にシリアスな作風にすればかなり恐怖を感じさせるサスペンスになると思うのですが、役者の演技がどこかコミカル。公式サイトなどでは「ブラックコメディ」と表現しており、まあ他に言いようがないとも思いますが、なんだか不思議な空気感だと思いました。
今度は、完全にシリアスなインドのサスペンスも見てみたいかも。

『盲目のメロディ ~インド式殺人狂騒曲~』は邦題で、原題は『Andhadhun』。残念ながら、意味はわかりませんでした。

星は、3.5ぐらいが適当かもしれませんが、インドのサスペンスが新鮮だったので、ちょっとおまけして4つにしました。


公式サイトは、こちら。
http://m-melody.jp

2019年11月2日土曜日

『ロボット2.0』

★★★☆☆

私が初めて観たインド映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』の主役にしてインドのスーパースター、ラジニカーントの出演作で、10年ぐらい前に日本でも公開された『ロボット』という作品があり、その続編が今作です。

インド本国におけるラジニカーントの立ち位置はよくわからないのですが、彼のビジュアルはどこか垢抜けないおっさんなので、勝手にコメディ俳優のように見てしまいます。『ムトゥ 踊るマハラジャ』はドラマの舞台が田舎なのでピッタリなのですが、SF作品とはあまり馴染まない印象です。

そんな中、さらに年齢を重ねたラジニカーントが出演するSF作品『ロボット』は本当に衝撃的でした。ストーリー展開はハチャメチャですが、映像は綺麗になりCGはかなり本格的。やっぱりラジニカーントがSFの世界観の中では違和感がありますが、ハチャメチャな表現の一要素だと思えばアリだと思いますし、彼が元気に頑張っている姿は愛おしくもあります。
そして、A.R.ラフマーンの音楽は『ムトゥ 踊るマハラジャ』のときからマサラ・テクノとでも言うようなユニークなものでしたが、『ロボット』では、その特徴はそのままに技術的に大幅進化した印象でした。

で、今作『ロボット2.0』ですが、傾向としては『ロボット』とまったく同じだと思います。ただそれは、逆にいえば『ロボット』を見た人にとっては、それ以上の衝撃ではないということになります。良くも悪くも、そういったパート2の壁を感じました。

最近のインド映画は多様化しており感動作品も多いので、ただ「楽しけりゃ何でもいいじゃん」的な作品がむしろ目立たない傾向にあるかもしれません。そういったインド映画を知らず、前作の『ロボット』も観ていない人にとっては衝撃的だと思うので、観てみてもいいかもしれません。

また、今作の音楽もA.R.ラフマーンが担当しているのですが、私の印象ではちょっとマサラ色が弱まった気がしました。最初は、音楽担当が別の人に変わったのかと思ってしまいました。より洗練された、グローバルな音楽になったという捉え方もあるかもしれませんが、個人的にはもっとこってりマサラ感のある音楽を期待していました。


公式サイトは、こちら。
https://robot2-0.com