2014年1月29日水曜日

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

★★★★☆

懸賞でジャパン・プレミアに当選してしまったので、一般公開前に観ることができました。当選していなかったら観に行ったか微妙でしたが、結果的にはかなり面白かったと思います。
星は4つにしましたが、4.5ぐらいでもいいかもしれません。まだ1月なので、ここで5つつけちゃうと、この1年の評価基準が上がっちゃいそうなので、ちょっと控えめに(^^;)。

ジャパン・プレミアの様子
ジャパン・プレミアの様子

レオナルド・ディカプリオは"警鐘を鳴らす映画""こうなってはいけないという映画"、マーティン・スコセッシ監督は"very very very funny serious film"と言っていましたが、まさにその通り。

主人公に共感できるところは、まったくありません(^^;)。自分勝手だし、お下劣だし、社会秩序に何の興味もないし、金とドラッグとセックスへの欲望だけ。そのくせ、警察権力はおそれ、罪から逃れようとする。
たぶん中身が子供なんだと思うのですが、何となく(本当のところはわかりませんが)堀江貴文氏とかと重なる気がしました。

そんなメチャクチャな男を、ハードに、みっともなく、でも面白おかしく描いていて、そのバランスが絶妙だと思いました。
金融界の闇を、徹底的に暗くシリアスに描くこともできたと思いますが、どうしてこういう演出にしたのかなあ。その意図はよくわかりませんが、面白おかしい演出がなければ、私はこの作品をさほどいいと思わなかった気がするので、やっぱりうまい見せ方なんでしょう。

レオナルド・ディカプリオを演じるジョーダンのナレーションが入っていて、全体として自分の半生を振り返る形式になっているのですが、ところどころ画面の中のジョーダンがカメラに向かって解説するシーンがあって、コメディっぽいというか、こういうタイプの映画ではあまり見たことがない演出でした。

R18だそうです。ボカシがいっぱい入っていました(^^;)。

公式サイトは、こちら。
http://www.wolfofwallstreet.jp

2014年1月25日土曜日

『エンダーのゲーム』

★★★☆☆

当初、予告編を見た段階では特に観るつもりはなかったのですが、Facebookでつながっている通の方が何名か高く評価していたので、それならばということで観に行きました(ちょうどポイントがたまっていて無料で観られたし ^^;)。

原作の小説があるようですが、読んでいません。で、たぶん映画は、小説と比べると相当端折っているような気がしました。
この設定はなんだろう?とか、この人は一体?とか、なんでそっちに話が進むの?とか、ちょっとわかりにくいところがあって、たぶん原作ではきちんと説明されているのかもしれませんが、映画ではわりとさらっといってしまうので、若干重厚感に欠ける気がしました。
特に、エンダーくんがどう優秀なのかがイマイチわかりませんでした。彼が訓練などで繰り出す作戦も、戦術的な根拠が説明されず、悪く言えば子供だましっぽく思えてしまいました。ああいうところで「なるほど、これは確かにすごい作戦だなあ」と思うことができたら、ずいぶん印象が違ったと思いますが。

エンダーくんのルックスはいかにも成長過程で顔つきも幼く、体もできあがっていないので、ビデオゲームが得意というだけなら納得しやすいのですが、銃撃戦や格闘術でも強いのはどうもリアリティを感じなかったりします。

少年が、大人の都合で戦闘に巻き込まれるというと、エヴァンゲリオンのシンジくんを思い出します。サードの少年というのは偶然でしょうが。

作品全体の世界観は、近未来の地球対異星人の宇宙戦争なので、スター・ウォーズなどの昔ながらのSFっぽくてちょっと懐かしい感じ。

公式サイトは、こちら。
http://disney-studio.jp/movies/ender/

2014年1月13日月曜日

『ジャッジ!』

★★★☆☆

予告編が始まったころは、全く観る気はなかったのですが、意外と評判がよさそうなので観てみました。

特に難しいメッセージがあるわけではない、コメディ映画。

日本のコメディ映画というと、三谷幸喜や宮藤官九郎とかを思い浮かべます。それぞれ持ち味は違いますが、大爆笑というよりはじわじわ、ほんのり来る笑いというのが共通点のような気がします。日本的、なのかな。この作品もそういう意味では似ているかも。

妻夫木くんのダメダメっぷりは、トヨタのCMの大人になったのび太くんと同じような感じでした。

北川景子さんのツンデレっぷりは見事。はまり役だと思います。でも、映画全体の9割はツンの方で、デレは1割り程度。もう少しデレを見たかった気もします(^^;)。
彼女は『ハンサム☆スーツ』でも見ているはずなのですが、実はあまり印象に残っていません。もちろん美女だと思うけど、動いてしゃべって演技するより、一番いいアングル、一番いい表情を静止画で切り取った方が美しさが生きるんじゃないかと思ったり…。
でも最近バラエティ番組に出ているのを見て、実はサバサバした関西人らしい人となりも垣間見えて、ちょっと興味が出てきました。

ちなみにCM業界の話なのですが、商業芸術に携わる人達が、あるときふと自分の原点を思い出す感じ、とってもよくわかります(^^;)。

ライバル関係の広告代理店は、現通と白風堂で、とりあえず架空の会社になっていますが、エースコックやTOYOTAはCMのクライアントとしてそのまま登場していたりします。作中に登場するエースコックのCMなんてヒドい出来なのですが、よく名前使わせてくれたなあ(^^;)。監督はもともとCM業界の人らしいので、コネがあったのかな。

公式サイトは、こちら。
http://judge-movie.com

『秒速5センチメートル』

★★★★☆

2013〜2014年の年末年始、iTuneseStoreで音楽やムービー、電子書籍、アプリなどが期間限定で無料提供されました。この作品は、そのときに無料レンタルされたので、iPadで観ました。まさか2014年最初の映画がiTunesStoreのレンタルになるとは(^^;)。

小学校の卒業時期から20代前半の男女の恋愛模様が、みずみずしい純文学という感じで描かれていて、なかなかいい雰囲気です。

ストーリー展開はありふれていると思うのですが、登場人物の心の声や何気なく差し挟まれる日常風景がいちいちいいんだよなあ。

最近のアニメの背景画はリアルで緻密ですが、電車内の手すりや壁のツヤツヤ感はちょっとビックリしました。アニメの背景って私は不透明水彩使っているイメージなのですが、これは透明水彩っぽい印象でした。公式サイトに載っている絵をよく見ると、全部かどうかはわからないけどやっぱり不透明みたいです。
動画の中のエンドロールでは、新海誠監督の名前が「美術」のところに書かれていたので、監督自身も背景画を描いているのかも。相当こだわりはありそうです。

タイトルの「秒速5センチメートル」は、さくらの花びらが散るときの落下速度だそうです。ストーリー上、重要なキーワードなのかと思ったら、そうでもなかった気が。ただ、男女の心が近づいたり離れたりする話なので、その速度と関連づけているのかもしれません。…女性は心が離れていく速度が速いですなあ(^^;)。

公式サイトは、こちら。
http://www.cwfilms.jp/5cm/