2016年12月23日金曜日

『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』

★★★★☆

『スター・ウォーズ』シリーズはまあ一応観てはいるのですが、細かいところまで熟知しているマニアではない、というより、全然詳しくない方だと思います。なので、『ローグ・ワン』が、デス・スターの設計図を反乱軍が手に入れるというエピソード4の前日譚であることぐらいしかわかりません。

作品としての評価は、純粋に設計図略奪作戦がいかにハラハラドキドキ描かれているかという観点での判断ですが、なかなかよかったと思います。
ジェダイが誰も出てこないので、ちょっと地味かもしれませんが、超人的な力があるわけではない普通の人たちが頑張っている姿も悪くないと思います。

『ローグ・ワン』は『スター・ウォーズ』メインのストーリーに対してサイドストーリーというかスピンオフというか、そういう扱いになっていますが、あれだけはっきりとエピソード4につながっていることを考えると、『エピソード3.9』ぐらいの印象でした。

最後に若かりしレイヤ姫が出てきます。きっとなんらかのCG処理によって作り出された映像だと思います。あんなことができてしまうのだとすると、エピソード1〜6のどの時代に絡むサイドストーリー作品でも、役者の老いを全く気にせず、いくらでもできてしまいますね。


公式サイトは、こちら。
http://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html



『アズミ・ハルコは行方不明』

★★★☆☆

蒼井優さんの主演作だからという理由で、ずいぶん前から観に行くつもりでした。

結果としては、うーん、すごく感覚的な映画ですね。

今という時代に生きる若者の閉塞感や、先が見えないことへの不安やあきらめ、自暴自棄とも言えるその場限りの鬱憤の晴らし方とかがよく表現できているとは思います。
登場人物の誰もが、明確にどこかへ向かおうとして生きているわけではないので、作品全体として観たときも、これといった芯やストーリーの流れみたいなものがよくわからない印象なのかもしれません。
でもそれは、この作品で表現したいことがうまく表現できているということなのかもしれません。

全体のつながりはとりあえず気にせずに、シーンごとに見ればなかなか面白いと思います。

ただ、どうしてもわからなかったのは、結局安曇春子の失踪とはなんだったのか?最後の最後に赤ん坊を抱いた春子が登場するのですが、それがこの疑問に対する答えであり、作品としてのオチなのだと思います。でも、私には意味がわからない(^^;)。

ということで、ちょっとモヤモヤしています。


公式サイトは、こちら。
http://azumiharuko.com





2016年11月20日日曜日

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』

★★★☆☆

相変わらず丁寧に作られていて、モビルスーツも本格的に描かれるようになり、ファースト・ガンダム世代としては嬉しくなります。

基本的には、暁の蜂起からジオンの宣戦布告あたりまでのいろいろなエピソードが描かれます。どれもファースト・ガンダムへつながるという意味で重要ですが、単独ドラマとして観た場合、どこがクライマックスなのかよくわからない印象を持ちました。
シャアがアフリカでララアと出会ってから、モビルスーツパイロットになるまでって、原作コミックでもあんなにあっさりしていたんだったかなあ…。
原作読んでからずいぶん時間が経って記憶も薄れているので、原作と映画の違いもよくわかりません。

今作では、ファースト・ガンダムの登場人物がかなり増えてきていますが、声優さんが同じなのは、シャア、アムロ、ギレン、カイぐらい?すでに亡くなっている方も多いので仕方がないとは思いつつ、ちょっと残念。

公式サイトは、こちら。
http://www.gundam-the-origin.net



2016年11月18日金曜日

『この世界の片隅に』

★★★★☆

クラウドファンディングで制作費を調達したということでも話題になった作品。
ただ、能年玲奈あらためのんさんの声の演技がイマイチという事前の評判もあって、当初はまったく観るつもりはありませんでした。

ところが、あるテレビ番組で出演者が絶賛していて、某映画情報サイトでもレビューの点数が5点満点中4.6と相当な高得点になっていることを知り、急遽観に行くことに。

結果としては、とても素晴らしい作品でした。

ざっくりいうと、第二次大戦中の広島県呉市で生活する若いお嫁さんを主人公とした話です。
ちょっとボーッとしているというか、正直あまり賢くない感じの主人公が、それでも明るく前向きに奮闘する様子を丁寧に描いているのですが、やはり戦時下でもあり、呉という場所なので、今とはかなり異なる出来事が散りばめられています。
それが実のところリアルなのかどうかは私にはわかりませんが、かなり細かい部分まで描写されている気がします。
戦時下の一般市民の普段の生活がどんな感じだったのか意外と知らないので、そういう意味でとても興味深いものでした。

で、のんさんの演技ですが、やはり達者な印象ではありませんでした(^^;)。でも、今作の主人公はちょっとボーッとした女性なので、むしろいい雰囲気だったと思います。『あまちゃん』でも彼女の演技はちょっとコントのような感じもあって、そこがうまくはまったのだと思います。本作も、いい具合のほんわか感に彼女の声が貢献していると思います。

キャラクターデザインは、プロポーションなどが微妙に漫画っぽいのですが、たぶん意図的なんだと思います。個人的にはもうちょいリアルでもいい気がしました。

エンドロールの最後に、クラウドファンディングでの出資者の名前が表示されて、その人数の多さにもなんだか不思議と感動してしまいました。


公式サイトは、こちら。
http://konosekai.jp






2016年11月12日土曜日

『デスノート Light up the NEW world』

★★★☆☆

※結構ネタバレ入っています。

結局大量殺人というところは好きではありませんが、限られたルールの中で繰り広げられる頭脳戦がなかなかよかったデスノートの続編。それなりに期待していたのですが、ネットでの評判は微妙なようです。

実際に観てみて、なんとなく納得。海外のスパイ映画などで、世界中を危機に陥れる生物兵器の争奪戦といったストーリーがしばしばありますが、今回のデスノートはそんな感じ。デスノートの奪い合いが軸になっています。そう思って観ればそれなりに面白いと思います。

でも、それは明らかに自分の期待とは違います。つまり、いかにデスノートのルールをうまく使って目的を果たすかという知的ゲームの要素がほとんど感じられません。今作ではデスノートが6冊あるというので、そのことでどんな巧妙な知的ゲームが展開されるのかと思ったら、単に6冊集めるだけで、6冊集めたからといってドラゴンボールのように何かが起こるわけではありません。

最後にちょっとしたどんでん返しがありましたが、それも少し物足りなかった気がします。

ということで、兵器の争奪戦のアクション作品として星3つにしましたが、私自身はもう少しがっかり感がありました。


公式サイトはこちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote2016/index2.html







2016年11月5日土曜日

『PK』

★★★★★

『きっと、うまくいく』と同じ監督、主演コンビで、本国インドで大ヒットしたという情報だけで観に行こうと決めていました。

おおらかで若干粗いところもあるように思いましたが、やはり最近のインド映画のクオリティの高さは素晴らしいということで、ずいぶん久しぶりに星5つをつけてみました。

この映画、宗教が大きなテーマとなっています。要は宗教に全く先入観のない人にとって、宗教という人間の営みがいかに滑稽に見えるかというあたりをコミカルに描いています。経験な信者にとっては苦々しい内容とも言えるので、よくこのテーマをこのご時世にこのように描いたなあという驚きもありました。
そして、多様な宗教が混在しているインドでなければ、このような作品は作れなかったのではないかという気もします。
作中では、ヒンドゥ教の導師が悪役になっていますが、実際には多様な宗教全体に対する批判というか、チクリとやった感じになっています。

最近のインド映画は、一昔前のものとは色々な意味で違うと思います。それでもインド映画らしい要素はずいぶん残っていて、笑あり、涙あり、怒りあり、踊りありと、様々な要素が一作品の中にこれでもかと盛り込まれています。
ずっと宗教ネタだったのに、最後の最後で突然の謎解きからラブストーリーへと向かっていく展開は読めなかったなあ(^^;)。

主役のアミール・カーンは相変わらずのマッチョですが、今回の役にはあの肉体は合っていない気がしました。

ちなみに上映時間は153分。もしかしたら日本上映版はオリジナル版より短縮されているのかもしれませんが、観るのに覚悟が必要な長さです(^^;)。

公式サイトは、こちら。
http://pk-movie.jp





『スター・トレック BEYOND』

★★★☆☆

変なひねりのない、これぞSF映画という感じの作品。
わかりやすくて単純明快、ワクワクドキドキできるエンターテインメント、それでいて映像技術は最先端なので迫力があるので、これといった不満はありません。盤石の安心感。

ただ、逆にそれが古典的にも思えてしまう気もします。ということで、よくできた古典はどう評価すればいいのか迷った結果、星3つにしてみました。

ハリウッド作品の異星人の造形って、なんとなく同じ傾向があるような気がします。今作もまさにそんな感じなのですが、個人的にはなぜかあまり好きではありません。

公式サイトは、こちら。
http://www.startrek-movie.jp



『何者』

★★☆☆☆

正直、あまり共感できませんでした。

そもそも、今の就活と私のころの就活は、状況もやり方も全く違っているでしょう。更に言えば、私のようなデザイン系の学生は当時の一般の就活生ともちょっと採用のルートが異なっていたので、映画の登場人物と同じような体験をしていません。
さらに、当時はスマートフォンもSNSも存在していませんから、何かにつけてスマートフォンでTwitterをチェックするという習慣もありません。

作品を観るまでは、就活という活動における悲喜こもごもが描かれ、最後はみんなそれぞれの就職先が決まるという展開なのかと思っていましたが、実際に観てみると、作品としてのエンディングでは就活の結果もよくわからず、若干消化不良。どちらかというと若者の人間関係の方が主題で、たまたま就活の場面を切り取って作品にしたという印象でした。
よく考えればタイトルも『就職戦線○○○』みたいなものではなく『何者』なので、主題とは合っている気がします。

作品の登場人物と同じ世代の人たちであれば、印象も評価も全く異なるのかもしれません。


公式サイトは、こちら。
http://nanimono-movie.com/index.php





2016年10月15日土曜日

『少女』

★★★☆☆

公開前にテレビなどのメディアからそれほど情報が入ってこなかったのですが、湊かなえ原作の作品とは相性がいいと思っているので、あまり迷わず観に行きました。
と言いつつ、原作小説は読んでいません。

女子高生たちの、かなりダークな部分を描いた作品。
もともと女子高生と私ではプロフィール的に対極に位置するうえ、作品内の出来事がいちいち不愉快な方へ展開していくので、観ていてなんら共感できないし、まったくハッピーな気分にならない作品でした(^^;)。

このまま終わるのかと思っていたら、後半になって全然つながりがなさそうな登場人物同士に意外なつながりがあったり、過去の出来事と絡んできたりと、ミステリーの謎解きのような面白さがあって、最終的には意外と満足できました。

主人公を演じた本田翼さんには、特に思い入れはないのですが、この作品ではものすごく暗くて、やや感情が欠落しているような女子高生役で、目が死んでいるような表情ばかり。笑顔のない彼女には、どうしても違和感を覚えてしまいました。
それは、笑顔のない本田翼さんをあまり見たいと思わないのか、彼女の演技力的に暗い役の演技が不自然だと感じたのか、この役がもっとぴったりくる別の女優さんがいそうな気がするのか、自分でもよくわかりませんが。
でも、この作品全体のトーンを考えると、私が感じた違和感は、むしろ狙い通りなのかもしれません。


公式サイトは、こちら。
http://www.shoujo.jp







『グッドモーニングショー』

★★★☆☆

『踊る大捜査線』シリーズの脚本の君塚良一さんが脚本・監督したコメディ作品で、『めざましテレビ』を取材して作られたということで、ずいぶん前から観ようと決めていました。

結論としては、娯楽作品の超ど真ん中という感じ。B級というのとは違うかもしれませんが、決して超大作ではなく、いい感じて肩の力を抜いて観られる作品。

番組打ち切りとかキャスターの降板など、最近不調のフジテレビと結びつけてしまうとやや自虐的でイタい気がしなくもないですが、いい塩梅で笑いも入っていて、朝の情報番組の舞台裏も垣間見えます。

立てこもり事件が解決していく過程で、最後に伏線が収束していく感じというか、パズルのピースが隙間なく埋まる感じというか、そういうものが期待したほどではなかったかなあ。私は『踊る大捜査線』シリーズのそういう部分がとても好きだったので、どうしても高いレベルの期待をしてしまうのでしょう。

そんなところも含めて、気楽に観ると楽しめると思います。


公式サイトは、こちら。
http://good-morning-show.com





『怒り』

★★★★☆

原作は読んだことがなく、事前情報も予告編ぐらいでしたが、『フラガール』や『悪人』の李相日監督作品なので観に行きました。

主に3つの舞台でのエピソードが入れ替わりながら展開していくのですが、それぞれの舞台での登場人物が全く絡まないというオムニバスのような構成。
これを1本の作品として作ったのは、まあ原作がそういう構成だったからなのでしょうが、その意図がわかりにくい気がします。感覚的には、それなりにまとまっていたように思いますが、理性的に考えると、これが"正解”なのかよくわかりません。
ストーリーの根幹となる起承転結に直接からむエピソード以外にサブエピソードがくっついている訳で、そのサブエピソードの内容はいくらでもバリエーションが考えられるはず。その中でなぜこのような登場人物でこのような出来事を取り上げたのか?別にこんなことを分析する必要もないのでしょうが、自分は気になってしまいました。

ただ、役者さんたちの演技はとてもよかったと思います。3つの舞台それぞれに、主役級の役者さんが数人ずつ登場して演技合戦を繰り広げているので、当然といえば当然ですね。
結局この演技が一番の見所だった気がします。

広瀬すずさんが、ずいぶんハードな役を演じていてびっくりしました。


公式サイトは、こちら。
http://www.ikari-movie.com





2016年9月24日土曜日

『聲の形』

★★★★☆

原作のマンガは読んでいませんが、聴覚障害者へのいじめの描写がきつすぎると話題になったことが頭の片隅に残っていた作品。
映画については、近所の映画館ではやっておらず当初は観ないつもりでしたが『君の名は。』がとてもよかったので、ちょうど登場人物が同じ年代のこの作品が気になって観てみることにしました。

結論としては『君の名は。』とは全く違う、でもとてもいい作品だったと思います。

ストーリーはかなり暗くて重たい内容でした。それをかなりストレートに、思っていたよりもずっと真面目に描いている印象でした。
キャラデザインはとてもイマドキ感があり、いわゆる胸キュンものと区別がつかないビジュアルなのです。実際、恋愛の要素も入っているのですが、聴覚障害やいじめといったテーマが入っている分、辛さ、苦しさ、悩みなどのネガティブな空気感が強かったと思います。

今年、日本テレビの24時間テレビとNHKのバリバラが放送されたころに『感動ポルノ』という言葉を初めて知ったこともあり、この作品は感動ポルノなんだろうか?という疑問を持ちながら観ましたが、自分としては感動ポルノ的ではないと思いました。

すごくリアルに感じたのは、いじめのきっかけの描き方。人は、それまで自分たちがやっていたやり方やノリを誰かのために変えさせられそうになると、どうしてもその人を排除して、これまでのやり方を維持しようとしてしまうんですね。
本当はやり方を変えることによって新しい何かが得られるということもあるはずですが、なかなかそういう捉え方は難しいようです。ましてや、経験が少なく比較的狭い世界で生きている小学生には、相当なハードルだと思います。

そして、ストーリー上は全くフォーカスが当たらないのですが、あの担任の教師の対応は相当にまずいと思います。

BGMの音楽は、曲としての印象は特に残っていないのですが、サウンドとして印象的でした。というのは、割と目立つノイズが入っているのです。プールで耳に水が入ったときのようなちょっとボソボソとこもったような音が聞こえていました。もしかしたら聴覚障害者の聞こえ方を再現しているのかな?とも思いましたが、公式サイトには、ピアノのハンマーが動く音や消音フェルトが擦れる音などについて触れているので、あれは楽器から出る、本来の音以外の音なのかもしれません。何れにせよ、意図的に入れられたノイズのようです。

さて、今回は渋谷の映画館で観たのですが、周りのお客さんは若い人が本当にたくさん。彼らの目にこの作品はどのように見えたのかなあ。


公式サイトは、こちら。
http://koenokatachi-movie.com





2016年9月17日土曜日

『四月は君の嘘』

★★★☆☆

たまたまテレビアニメ版を観たことがあって、おじさんにはキュンキュンすぎて小っ恥ずかしい作品ではあったのですがとてもよかったので、実写版も観てみました。

あの作品を2時間に凝縮して実写化すると、まああんな感じになると思います。印象に残っていたシーンやセリフは入っていたし、キャラクターの雰囲気もそれなりに再現されていたと思います。
でもやはりアニメ版を超えた気はしませんでした。どうしても広瀬すずさんは広瀬すずさんに見え、山﨑賢人君は山﨑賢人君に見えてしまいました。

演奏シーンは、実際の演奏家でないとわからないようなヴァイオリンとピアノの掛け合いを表現しなくてはいけないので、アニメ版でも演出が難しいところだと思います。実写版では役者が本当の演奏家に見えるかどうかということも含めてさらにハードルが高くなると思います。広瀬すずさんも山﨑賢人君も、思った以上にちゃんと弾いていたようですが、シーンの仕上がりとしてはなかなか微妙な気がしました。

ところで、アニメ版を観たときは、この作品の主人公は山﨑賢人君演じる有馬公生だと思っていたのですが、実写版では広瀬すずさん演じる宮園かをりが主演扱いのようです。
まあ誰が主演で誰が助演でもいいのですが、なんだかちょっと引っかかりました。


公式サイトは、こちら。
http://kimiuso-movie.jp





『超高速!参勤交代 リターンズ』

★★★☆☆

お気楽なコメディ時代劇。
前作同様、いい感じのゆるい笑いを誘う、ちょっとB級感のある作品。

ストーリー的には完全に前作の続きですが、『超高速!参勤交代』のようにテーマがはっきりしている作品の続編はやはり難しいですね。

前作が江戸への往路、本作が自藩への復路を描いたものです。
前作は、基本的に期限内に江戸へ到着することが目的で、江戸到着でほぼエンディングだったと思います。
ただ、続編で全く同じパターンでは作品に新鮮味がありません。でも『超高速!参勤交代』の続編なので、"急いで移動しなければならない"というテーマは外せません。案の定、急いで藩に戻った後も藩で起こった事件を解決するべく色々と話が続きます。全体の印象としては、超高速移動よりもこちらの事件解決の方がメインテーマのように思えます。

『超高速!参勤交代』というキャッチーなタイトルは面白いと思いますが、続編を作ることを想定した場合、逆に足かせになってしまった気もします。あの設定、キャラであれば、さらなる続編も作れると思いますが、もう往路と復路を使ってしまいましたから、かなりやりにくいでしょう。

ところで、作中に出てくる湯長谷(ゆながや)藩って、てっきり架空の藩だと思っていたのですが、実際にあったんですね。佐々木蔵之介さん演じる藩主、内藤政醇(まさあつ)も実在の人物のようです。あのキャラは脚色なんだろうけど(^^;)。


公式サイトは、こちら。
http://www.cho-sankin.jp







2016年9月1日木曜日

『君の名は。』

★★★★☆

"次は新海誠監督が来る"という話をテレビか何かで聞いて『秒速5センチメートル』を動画配信で観て、とにかく背景画の美しさに感銘を受けました。
その後『言の葉の庭』も動画配信で観てやはりよかったので、『君の名は。』は最初から観に行くつもりでした。
ヒットしているようで、なんだかちょっと嬉しいです。

『秒速5センチメートル』では、新海監督自身が美術監督や色彩設計もやっていたようで、背景画にとてもこだわっていたんだと思いますが、『君の名は。』では、このような役割ではクレジットされていません。でも、期待を裏切らない絵の美しさでした。作品の舞台が東京と田舎なので、都市も自然も魅力的に描かれており、贅沢な写真集のようでした。

最近は一見日常的なストーリーでも、蘇りや人格の入れ替わりや人の心が読めるなど、ちょっと非現実的な設定を加えてあるものがしばしば目につきますが、この作品もそんな感じ。作る側としては目新しさが欲しいのかもしれませんが、私自身は必ずしも好きではないので、星は4つとしました。
でも、全体としては爽やかで淡いラブストーリーで、なかなかよいのではないでしょうか。

これまでに観た新海作品はいずれも1時間程度かそれ以下の中編だったので、『君の名は。』はとても長く感じました。後半はストーリー的にもちょっと複雑で、集中力が必要かも。

声優は、いわゆる声優さんと俳優さんが混ざっているようですが、特に違和感はありませんでした。

音楽はRADWIMPSだそうですが、予告編を見たときはてっきりBUMP OF CHICKENだと思いました。本編ではボーカル入りの楽曲が4曲ほど流れるのですが、やっぱり声も歌詞のメロディへの乗り方もBUMPっぽくて、自分のような素人には区別がつかないですね。

この作品は、海外展開されるそうですが、田舎の神社の風習とかが出てくるので、海外の人にはどのように伝わるのか、興味深いところです。

公式サイトは、こちら。
http://www.kiminona.com/index.html






2016年8月13日土曜日

『ジャングル・ブック』

★★★☆☆

主人公の男の子以外全部CGということに興味を持って、観てみました。

CGは本当にすごいと思いました。でも、イマドキのフルCGアニメは実に細かいところまで"演技"しているし、実写作品で使われるCGも実際の映像と区別がつかないほど溶け込んでいることを考えると、このくらいはできちゃうんだろうなあという感じ。

動物の造形は基本的にリアルなのですが、たまに若干アニメキャラっぽさを感じさせるものもあった気がしました(センザンコウあたりが、ちょっとアヤシイ)。

アニメの『ジャングル・ブック』は知らないのですが、ストーリーは正直言って普通だと思いました。ライオンキングも主人公が人間ではないだけで、大きな意味では同じような展開。
『ターザン:REBORN』は観にいくつもりはありませんが、ちょうど同じ時期の上映。似たような"ジャングル映画"の中で、どれだけ差別化できているのかは疑わしい気がします。

それにしても、寒いところに生息する動物も暖かいところに生息する動物も、アフリカに生息する動物もアジアに生息する動物も、同じジャングルに棲んでいることになっているのは、この手の"ジャングル映画"の共通点ですね。不思議と、ライオン、キリン、シマウマなどの定番の動物は登場しませんでした。
…と思ったら、登場する動物はインドに生息するものに統一されているとか。オオカミってインドにいるのか。知らなかった。


公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/junglebook.html



2016年8月5日金曜日

『ファインディング・ドリー』

★★★★☆

『ファインディング・ニモ』はDVDを持っているのですが、細かいストーリーはあまり覚えておらず、今回のために見返したりもしませんでした。
そのせいか、よかったと思うのですが、なぜか私自身はノリきれなかったという感覚が残りました。1年後のストーリーを13年後に製作するなんて、勘弁してほしいです(^^;)。

考えてみると、今作品のように行ったことがない場所へ行くというストーリーは、いわばロード・ムービーなわけです。行く先々で色々な人と出会い、色々な危険に遭遇するというエピソードをつないで一つの作品になっているのですが、個々のエピソードの関連性や必然性が希薄な作品は、私は苦手です。

『ファインディング・ドリー』の場合は、関連性や必然性がないわけではないと思うのですが、ドリーというキャラクターはかなり衝動的で思いつきで動くタイプなので、この強烈な個性に引っ張られて、エピソード自体が無関係に起こっているように見えちゃったのかもしれません。

ディスニー作品の『ズートピア』は差別問題を扱っていることで話題となりましたが、このドリーも人間社会では仲間はずれにされそうなキャラクター。こちらはピクサースタジオ作品ですが、その辺りを狙いたい何かがあるのでしょうか。

同時上映の『ひな鳥の冒険』は、最初実写のように見えてびっくりしました。ヤドカリやひな鳥はキャラクターらしくデザインされているのですが、親鳥はかなりリアルでした。
今後ピクサーが実写映画のCGのような方向性の作品を作ることもあるのか?などと考えてしまいました。

星は4つにしましたが、正確には3と4の間ぐらいかなあ。


公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/dory.html



2016年8月4日木曜日

『シン・ゴジラ』

★★★★☆

ゴジラ映画というと、子供のころにゴジラシリーズが割とエンターテインメント化していった世代だと思うのですが、私はもっぱらテレビでウルトラマンシリーズを見ていました。
そして、あらためて思い返してみると、ちゃんと観たゴジラ映画はハリウッド版だけだと気づきました。

で、今回のゴジラですが、とてもシリアスな作品で、少なくとも自分が観たハリウッド版2作品よりははるかに見応えがありました。
それはたぶん、もし現在の日本にゴジラのような巨大生物が現れたら、社会はどうなるのか?国家はどうするのか?を限りなくリアルに再現しようという狙いが自分には刺さったのだと思います。

日本のアニメ作品には、ディテールの設定をとことんまで追求することで作品の世界観にリアリティを持たせようというアプローチがよく使われている印象があります。『機動戦士ガンダム』も当時としてはとても細かかったし、『攻殻機動隊』もすごいし、ジブリ作品も方向性はずいぶん違っていますがディテールの積み上げによる世界観の構築という点では似たようなことをやっていると思います。
『新世紀エヴァンゲリオン』ももちろんそういう作品の一つなので、庵野ゴジラがこういう作品になるのは、すごく納得できます。

演出的にも、ゴジラへの最後の作戦の次々と攻撃をたたみかける感じとかは、まさにエヴァでした。

俳優陣は、長谷川博己さん、石原さとみさん、國村隼さんなど、樋口真嗣監督の『進撃の巨人』出演者と結構かぶっているのでどうなんだろう?と思っていましたが、全然大丈夫でした。

エンドロールでは伊福部昭楽曲を使っていました。日本のゴジラ映画を全く観てこなかった私ですが、不思議と感慨深い気持ちになりました。
その音楽が、モノラルだった気がするのですが(スクリーンの真ん中から聞こえる)、当時の音源そのものなのでしょうか。

星は4つにしましたが、正確には4と5の間ぐらいかなあ。


公式サイトは、こちら。
http://shin-godzilla.jp











2016年7月30日土曜日

『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』

★★★★☆

前作は映画館で観ていますが、その後テレビやDVDなどでは1度も見直す機会はなかったので、20年前のかすかな記憶が残っているだけです。
はっきり言って細かいストーリーは覚えていません。都市全体を覆うような異星人の宇宙船が現れて、人類が壊滅的な状況に追い込まれること、元パイロットであるアメリカ大統領自ら戦闘機に乗って戦うこと、エイリアンの姿は出てこないのかと思ったら最後にちょっとだけ出てきたこと、ただ一人のヒーローやチームが活躍するのではなく色々な立場の人たちの物語を追う群像劇であること、などがかろうじて思い出せます。

で、今回の作品は前作の20年後を描いた続編なので、共通の登場人物が何人か出てくるのですが、私が覚えているのはジェフ・ゴールドブラムだけ。前作で戦闘機に乗った元大統領が同じ役者さんなのかは見てもわからないし、20年ぶりに意識を取り戻した科学者に至っては「この人は誰?」というありさま。
でも、前作とのつながりがわからなくても楽しめる作りだったと思います。

群像劇なのは今回も同じで、「ああ、そういえば前作もこんな雰囲気だった気がするなあ」と、ちょっと懐かしい感じ。どうやら私は群像劇スタイルは好きみたいです。

全体的なスケール感や、アクションエンターテインメント映画としてのクオリティも、大ヒットした前作と同等だと思います。

ただ、20年前と今ではアメリカという国の状況が大きく違います。
前作のときも「アメリカ人って、ここまでアメリカ最高!アメリカは偉大なり!っていう映画を、よく恥ずかしげもなく作れるね」と私の周りでは話していました。それは、実際に国際社会の中で1番影響力のあるアメリカが調子に乗っているという意味でした。

今作もブレることなく「アメリカ最高!アメリカは偉大なり!」という映画に仕上がっているのですが、今回はどちらかというと当時と比べるとパワーが落ちているアメリカ国民に向けての"国威発揚"という意味に思えます。
その目線でこの映画を見てしまうと、出来過ぎたストーリー展開はむしろイタイ印象になってしまうから不思議なものです。

ところで、この映画のタイトルのカタカナ表記『インデペンデンス』の"デ"が気になって仕方がありません。英語の発音からすると"ディ"の方が近いと思います。前作も"デ"だったようなので、続編も同じ表記にせざるを得ないのでしょうが。


公式サイトは、こちら。







2016年7月24日日曜日

『ロスト・バケーション』

★★★★☆

予告編を観たときから、観に行くことを決めていました。

なかなかよかったと思います。
干潮時だけ海面から出ている岩の上で、いかにサメから逃れるかという究極のサバイバル映画で、それ以外の要素はほとんどありません。
ストーリーの都合上、主人公がなぜそのビーチに来たのかという背景説明の要素とサーフィンのシーンにそれなりの時間をとっていますが、それは前フリに過ぎません。という割に、サーフィンのシーンが結構本格的でカッコよく、美しかったです。

こういう究極のサバイバルもので私が期待するのは、「よくその作戦に気づいたなあ」とか「限られた状況の中でよくそれが実現できたなあ」とか「確かにその作戦なら効果があるよね」とか。意外性と納得感といえばいいでしょうか。

そいういう意味では、この映画の場合ちょっと状況が限られすぎていた気がします。サーフィン中なので身につけているものもごくわずか。おのずと、作戦が限られてきます。正直、ものすごく意外性と納得感のある作戦ではなかった気がします。
せめてもう少し何か持っていたら、色々なバリエーションが出せて私好みになったと思うのですが、まあそれは制作者の意図とは違うのかもしれません。

ともかく、ほぼ全編ずっと緊張感があって、独特の恐怖感を堪能できました。それにしても、サメってあんなにしつこくつきまとうものなのでしょうか。

映画のタイトルは原題では"The Shallows"。浅瀬という意味のようですね。邦題として『ロスト・バケーション』としたかった意図はよくわかりますが、若干説明的すぎるかなあ。

公式サイトは、こちら。
http://www.lostvacation.jp/splash/





2016年7月2日土曜日

『エクス・マキナ』

★★★☆☆

この作品の存在は知っていて気になっていたものの「SFホラー」と銘打たれていたので、怖いなら観るのはやめておこうと思っていました。でも、Facebookで友人が観たことを知り、負けじと(というわけでもないのですが ^^;)観ることにしました。

そもそも"EX_MACHINA"が何だかわからず調べてみたところ、"機械仕掛けの"というような意味らしいですね。

さて作品は、要は「AIはやっかいだ」という内容なのですが、AIのどういう性質がどのように危険だというメッセージなのか、あるいはそういったメッセージを発信する意図はないのか、正直よくわかりませんでした。

ただ、雰囲気はかなりよかったと思います。
女性型ロボットAvaの透明なボディは面白いと思いました。彼女はとにかく姿勢がよく動作がゆったりしていて、床に座るときは正座をします。その振る舞いに"所作"のようなものすら感じました。
閉鎖された空間の中で、ごく少人数でストーリーが展開する作りも好きです。

星は一応3にしましたが、3と4の間ぐらいの印象でした。

結局「SFホラー」といっても、私にとってはそれほど怖いとは思わない(少なくともホラー映画の怖さではない)作品でした。


公式サイトは、こちら。
http://www.exmachina-movie.jp/index.html







2016年6月28日火曜日

『帰ってきたヒトラー』

★★★☆☆

どうやってヒトラーが現代によみがえったのかといったSF的考証は特になく、明確な「結末」らしいものもありません。
現代によみがえったヒトラーは、具体的な悪事を働くわけではなく、ドイツを支配するわけでもなく、基本的にはあちこちに出没して色々な人と話をするだけです。

ヒトラー自身は、どこまでも真面目に、どこまでも本気で自分の主張をぶつけるのですが、自分が未来にタイムスリップしたことに気づいてまず最初にやったのは新聞を読み漁ること。つまり、ドイツが戦争に負け、科学技術が進歩して、今がどういう社会情勢なのかをある程度理解したうえでの主張なので、時代錯誤でありつつ現代社会への批判も含まれていて、意外と説得力があったりします。

時々画面内の人物に目線が入っていたりモザイクがかかっていたりするので何となく気づきましたが、公式サイトを見ると、人が大勢いる街中でゲリラ的に撮影したりネオナチのアジトに(ヒトラーとして)突撃インタビュー(?)するなど、ドキュメンタリーのような撮り方もしていたようです。なので、撮影許可をもらっていない人は、個人が特定できないようの画像処理したというわけです。

ヒトラー(そっくりの人物)を目の当たりにした人の中には、露骨に嫌悪感を表す人もいますが、ものまね芸人だと思ってツーショットの自撮り撮影する人もたくさんいます。
ドイツは、日本と比べると第二次大戦の過ちをきちんと反省している印象でしたが、70年も経てばヒトラーも街で見かけた有名人と同じ扱いになるんですね。まあそんなもんだよなあと思いつつ、意外と考えさせられるシーンでもあります。

コメディとして観た場合、ドイツ語から日本語への翻訳の段階でかなり面白さが目減りしていたり、ヒトラーについてある程度知識がないと何が面白いのかわからなかったりで、私的にはさほど笑えませんでした。でも映画館の中には2人ほど爆笑していた人もいたので、わかる人にはわかる笑いなのだと思います。あの2人はドイツ人だったのかな。

星は3つにしましたが、3と4の間くらいかな。私にもっと知識があり、ドイツの現状を知っていたら、さらに高い評価になったのではないかと思います。

公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/





2016年6月23日木曜日

『デッドプール』

★★★☆☆

予告編を観ても特に興味が湧かなかったのですが、意外と評価が高いようなので、勢いで観に行ってしまいました。

ひとことで言うと、あの超お下品なクマのぬいぐるみ『テッド』が超人的なパワーを手に入れた感じでしょうか。お下品さのノリがほぼ一緒なのは、アメリカで下品といえばコレ、という典型なのかな。私的にはややうんざり(^^;)。

で、その下品さを取り除いてしまうと、好きな女性を守ることと自分自身の復讐のため敵と戦う超人の話で、ストーリーは極めてシンプル。アクションシーンは見応えがありますが、主人公に戦略があるわけではなく衝動に任せているので、どちらかというと私の好みではありません。

時間軸を行ったり来たりする構成は珍しく凝っていました。

結論としては、ああだこうだと理屈をこねる映画ではなく、派手なアクションとテンポのよさに乗っかって楽しむエンターテインメント作品ということでしょう。


公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/





2016年6月18日土曜日

『64 -ロクヨン- 後編』

★★★★☆

前編と比べると、実際に事件が起こり展開があって結末へとたどり着くので、面白かったと思います。
ただ、事件自体はそんなに複雑ではないので、凝った謎解きを楽しむタイプの作品ではないと思います。

見応えという点では、超豪華俳優陣の演技合戦ということになるのでしょうか。
佐藤浩市演じる主人公が所属する県警広報室と刑事部、警務部という警察内部それぞれの対立、広報室と記者クラブの対立、昭和64年の事件の被害者と当時の捜査関係者、平成14年現在の事件の関係者と、相当複雑な関係性の中で、やたらとあちこちで感情のぶつかり合いがあり、力のこもった演技が見られます。
そのドロドロした雰囲気は、いかにも邦画という感じがしました。

対立軸がいろいろあるので、「あれ、このエピソードは、どの対立軸につながっているんだっけ?」「このエピソードは、昭和64年の事件とは関係あるんだっけ?」みたいな混乱もありました。
結局カタがついていない部分もあるような気がしているのですが…。

エンディングで流れる小田和正さんの主題歌は、本編の骨太感とは異質の清らかさで、まだ緊張感が続く前編より、一応ストーリーが収束した後編にこそふさわしいと思いました。
前編のときに気になった、BメロのボーカルメロディがCDと違っている点ですが、後編も同じでした。

公式サイトは、こちら。
http://64-movie.jp







2016年6月14日火曜日

『マネー・モンスター』

★★★★☆

面白かったと思います。

金融取引の難しいカラクリとかを聞かされるのかと思っていたのですが、まあそういう部分もないわけではありませんでしたが、意外とシンプルな人質事件の話だったかなあ、という印象。

でも、刻一刻と状況が変わり、徐々にいろいろな情報が集まってくる感じとかはとても緊迫感があって、観ている側も肩に力が入りました。
上映時間も最近の作品としてはちょっと短めですが、無理やり引き伸ばしてダレるよりはいいと思います。

ジョージ・クルーニー演じる番組司会者は人質となるわけですが、結局最後までお調子者っぽく、場の空気が読めない人で、見ていて同情する気になれません。…という役を彼はとても上手く演じています(^^;)。
でも、せっかくジョディ・フォスターが裏方に回り、これだけよくできた脚本なので、もっと無名の役者さんを使ってあげてもよかった気がします。

人質事件をテレビで見ている大衆やネットの反応はとても冷めていて、時には茶化したりする描写もあり、なかなか恐ろしいものがありました。
事件が起こった背景には、アメリカ社会の経済格差などがありますが、本作の展開を見る限り、そのものズバリを見せたいわけではなさそうでした。でも、今の時代を感じさせる作品だとは思います。

公式サイトは、こちら。
http://www.moneymonster.jp/splash/





2016年5月30日月曜日

『更年奇的な彼女』

★★★☆☆

『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督作品。
私は『猟奇的〜』が好きなので、同じテイストの『僕の彼女を紹介します』『僕の彼女はサイボーグ』も観ています。

一応『猟奇的〜』『〜サイボーグ』と今回の『更年奇的〜』が、登場人物もストーリーも何のつながりもないのですが、三部作という位置づけで、それぞれ韓国、日本、中国で作られたものです。

共通点は、凶暴でわがままな女性と、そんな彼女をひたすら受け入れる男性のラブストーリーで、そういう意味ではどれも同じようなパターンだと言えます。

そうなると、三作目は別に質が落ちているわけでもないと思うのですが、どうしてもインパクトが弱くなってしまいますね。

映画館での上映は全て日本語吹き替え版で、ヒロイン役は藤原紀香さん。うーん、思ったよりはよかったけど、でもかなり声に藤原紀香が出てきちゃっていたので…。

公式サイトは、こちら。
http://kounenki-girl.jp



『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起』

★★★★☆

原作は、ディテールまでは覚えていないので、リノという映画オリジナルのキャラクターに関しては、何となく原作と違うなあと感じる程度で、おおよその印象としては原作通り。

開戦の機運が高まっていく民衆の空気感とか、若い軍人(本作では士官学校の学生)の暴走とか、現実の歴史でもこんな感じだったのかと、ちょっと重い気分になります。
ファースト・ガンダムのような、"難しいことがわからない子供にとっては単なるロボットアニメ"という作りではなく、完全に大人がターゲットの作品。

エドワウとシャアの入れ替わりのエピソードは、後で困りますね。セイラは、ファーストのストーリーに入る以前からシャア・アズナブルという兄とそっくりの人物を知っていたことになるので。『〜 THE ORIGIN』のアニメ作品はそこまで作り続けるのかわかりませんが、その辺の矛盾を解決するようにまた手を加えるのかな。

次回作ではララアが登場しますが、声は誰がやるんでしょうね。オリジナルの潘恵子さん?娘さんの潘めぐみさんはセイラ役だし。


公式サイトは、こちら。
http://www.gundam-the-origin.net







2016年5月18日水曜日

『殿、利息でござる!』

★★★☆☆

時代劇コメディといった雰囲気なので、感動大作ではないかもしれませんが、なかなか味わいのある作品で、嫌いじゃありません。

原作は読んでいませんが『武士の家計簿』と同じ作者ということで、それだけで観たくなりました。
時の権力者たちを描いた歴史大河ドラマでもなく、『水戸黄門』のようなフィクションエンターテインメント時代劇でもない、史実に基づいた歴史の片隅の小さなストーリー系とでも言えばいいでしょうか。私にとっては、『武士の家計簿』『武士の献立』あたりが同じカテゴリーになります。

達者な役者さんばかりで、見ていて安心感がありました。瑛太くんは大河ドラマ『篤姫』の小松帯刀、妻夫木聡くんはその翌年の『天地人』で直江兼続を演じていたので、この二人が時代劇で共演していると、なんだか妙な感覚になります。

羽生結弦くんは、以外とちゃんと演技していましたが、やっぱりちょっとビジュアル的にお殿様という感じではない気がしました。
映画を観に来ていたお客さんの中には、羽生くんを見に来たのではないかと思われるおばさまの一団がいました(^^;)。


公式サイトは、こちら。
http://tono-gozaru.jp





2016年5月14日土曜日

『ちはやふる -下の句-』

★★★☆☆

高校の競技かるた部を舞台にした、青春スポ根モノという雰囲気は前作から変わりないのですが、なぜか上の句よりパワーが若干落ちたような印象を受けました。

下の句は基本的に全国大会へ向けての準備と大会自体の様子が描かれているのですが、最強のライバルの登場が意外と遅くて、全体の軸が少し見えづらい気がしました。

また、仲間内での意見の対立や、幼いころのなかよし3人組の微妙な関係の変化など、この手の作品にはよくあるエピソードなのですが、時間的に長かったのか、ストーリー展開的に停滞感があったのか、少し退屈に感じてしまいました。観る側がおじさんだったからかもしれませんが(^^;)。

全国大会では、団体戦や個人戦でのチームメンバーの勝敗結果が明確に示されず、そこを描きたいわけではないのだとは思うのですが、ちょっと気になってしまいました。
主人公とライバルとの対戦では、前半に仲間が戦術を考えてくれたという伏線を拾ってなかったり、ちょっと描ききれていない印象でした。

続編に期待。


公式サイトは、こちら。
http://chihayafuru-movie.com

『64 -ロクヨン- 前編』

★★★☆☆

ストーリー展開としては、前編だけだとあまり進展がなかったような気がしました。ざっくり言ってしまうと、昭和64年の事件のあらましと、平成14年現在の状況、各登場人物の紹介で終わったしまったような。最後に後編へつながる大きな動きがあっただけ。事件の解決も、登場人物の心理的な決着も全部後編に持ち越しという作りだったのでびっくりしました。

なんとなく、2部に分けずに作れなかったのかという疑問が浮かびましたが、後編への伏線として、どのエピソードも必要不可欠のような気もします。原作を読んでいないので、その辺りさっぱりわかりません。

ストーリーの展開がない割に、日本映画界のオールスターキャストみたいな超豪華俳優陣の演技は見応えがあり、途中でダレる感じはありませんでした。

エンディングで流れる小田和正さんの主題歌は、本編の骨太感とは異質の清らかさですが、これはこれで悪くないと思いました。個人的には骨太なまま終わるのもありだと思いましたが。
ところでこの主題歌、CD版とはBメロ部分(?)のボーカルのメロディがちょっと違っていたと思います。たぶん、映画用の音源を納品した後CD用に手直ししたのでしょう。ということは、後編の主題歌はどちらのバージョンが使われるのか?後編に対して、変な楽しみができました。

公式サイトは、こちら。
http://64-movie.jp







2016年5月3日火曜日

『ズートピア』

★★★★☆

前評判がとてもよくて、大人が観ても考えさせられるという話だったので観に行きました。

最近のディズニーフルCG作品では、『アナと雪の女王』は「Let It Go」が歌としてよかったけどストーリーは割と普通、『ベイマックス』は予想と違うヒーローものということで、個人的には必ずしもそれほど満足ではありませんでした。
でも『ズートピア』はすごくよかったと思います。

現在のディズニーのフルCGアニメは、ディズニー・スタジオとピクサー・スタジオが切磋琢磨している状況だと思います。『ズートピア』の絵は、私の先入観かもしれませんが、ピクサーとはちょっと傾向が違う気がします。ただ、ストーリーに関しては遜色がなく、歴代ピクサー作品と比較しても相当いい方だと思います。

前評判通り、多様性を受け入れた社会を作るのはそう簡単ではないということが描かれていて、現代社会とも重なります。

いつも通りレイトショーで観たのですが、上映開始時刻が21:40。ゴールデンウィーク中とはいえ、子どもが観る時間帯ではないですね。この辺もかなり大人を意識しているのかも。

ナマケモノが笑えました。

続編ありそう。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/zootopia.html



2016年4月30日土曜日

『アイアムアヒーロー』

★★★☆☆

予告編を観てもそんなに興味が湧かなかったのですが、海外の映画祭での評価がとても高かったという話を聞いて、観てみることにしました。
原作漫画は、存在だけは知っていましたが読んだことはありません。

ひとことで言ってしまうと、阿鼻叫喚のゾンビ映画。その中で、普通の男が勇気を振り絞って(ちょっとだけ)活躍する成長物語や、極限状態にあっても身勝手な人間たちとかが描かれるストーリーなのですが、映像的にはほぼスプラッタシーンしか印象に残らないかも(^^;)。

しかも本作は、決着がついた感じの終わり方ではないので、ちょっとモヤモヤ感が残りました。そこを描きたいわけではないという意図はわかるのですが…。
原作の漫画もこの終わり方なのかな。それとも原作の前半部分だけを映画にして、続編の可能性あり?

大泉洋さんは、こういう役が本当によくはまりますね。

公式サイトは、こちら。
http://www.iamahero-movie.com

『レヴェナント 蘇えりし者』

★★★★☆☆

この作品は、主演のレオナルド・ディカプリオに興味があったわけではなく、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のイリャリトゥ監督作品であることが興味を持った一番の理由でした。
あとは、坂本龍一の音楽。ずいぶん前から映画館では予告編が流れていたのですが、"音楽"らしきものが予告編の中ではまったく流れず、ずっと気になっていました。

実際に見てみると『バードマン〜』の全カットがつながってワンカットになっているというようなトリッキーな映像でもなく、ただただワイルドで粗暴で怒りや恨みに満ちた復讐劇でした。
ストーリーは極めて単純なので、その中で観る側の緊張感を途切れさせないのは、監督の腕前だとは言えるかもしれません。

坂本龍一の音楽は、うーん、なんとも…。もともと監督から「"音楽"というよりは"音"なんだ」というリクエストがあり、メロディがない音作りをしたらしいですが、限りなくサウンド・エフェクトに近い感じ。それでも坂本龍一っぽいと言われればそんな気がしなくもないですが、坂本龍一に頼む必要があったのかなあとも思いました。
予告編には音楽が入っていないと思っていたのですが、"音"は入っていました。あれも坂本龍一が作曲した"音楽"だったのかな。

荒涼として人間を寄せつけない感じの大自然の映像はとてもよかったと思います。

作品の中で、ネイティブ・アメリカンと白人の関係も描かれているのですが、あらためて今のアメリカ人は単なる侵略者だということを思い出させてくれますね。これは、この作品の主題ではないんだろうけど。

公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/revenant/







2016年4月23日土曜日

『スポットライト 世紀のスクープ』

★★★★☆

アカデミー賞のニュースで取り上げられていたので、気になっていた作品。

ボストンの新聞記者たちが、カトリックの神父による子供たちへの性的虐待を記事にするまでの活動を描いています。

実話に基づいているからなのかわかりませんが、記者たちの感情面の描写はかなり抑えてあり、どんな取材をしてどこからどんな証言や証拠物件を入手したかを中心に淡々と描いているのが、私としては好印象。
もっと感情を描いた方が作品としては成立しやすい気がしますが、情熱や正義感を内に秘めて、やるべきことを積み上げていく方がプロのあるべき姿だと私は思っているので、本作ぐらいの感情表現の方がグッと来ます。

ただ、若干内容が難しく、理解しづらいことがありました。
一つは、カトリック教会の組織構造や一般人にとっての位置付けなどに馴染みがないこと。キリスト教圏の人であれば当たり前にわかることを、作品内のセリフなどから一生懸命読み取る必要がありました。
また、取材対象となる登場人物も割と多く「この人誰だっけ?」ということが何度かありました。


公式サイトは、こちら。
http://spotlight-scoop.com





『リップヴァンウィンクルの花嫁』

★★★★☆

黒木華ファンなら観に行った方がいいと友人に勧められて、ファンというほどではないんじゃないかと自分では思うのですが、結局観に行きました。

実は、岩井俊二作品はこれまでちゃんと見たことがありませんでした。ストーリー展開にはっきりとした起承転結というか必然性がなくロードムービー的なところは、勝手に想像していたイメージとほぼ同じでしたが、意外と笑いの要素もあり、現実的で生々しい要素もあるんですね。もっとポエムみたいな作風かと思っていたもので。

黒木華さんはとてもよかったと思います。花があるヒロインという感じではなく、おとなしく、目立たず、友達も少なく、特別な才能もなく、主張もなく、どちらかというと惰性で生きている地味な女性が、とてもはまっていました(ほめています。念のため ^^;)。
ちょうど今テレビでやっているドラマ『重版出来!』では、やたらとポジティブで突っ走る役をちょっとコミカルに演じているので、より一層女優としての幅を感じます。

Coccoさんは、予想以上にいい演技だったと思います。割と精神的に不安定な人というイメージがあり、演じている役柄もそんなキャラクターなので、リアリティがあるとも言えますが、ちょっと痛々しいというか危ういというか、どうしてもネガティブな見方になってしまう気がしました。

綾野剛さん演じる安室は役柄が本当にあやしげ。結局最後まで敵なのか味方なのかよくわかりませんでした。そのよくわからない感じを演じていたんだと思います。

それにしても3時間は長い!インド映画でも日本で上映する場合はカットして3時間未満になっていることが多いのに。


公式サイトは、こちら。
http://rvw-bride.com







2016年4月16日土曜日

『ルーム』

★★★★☆

アカデミー賞にノミネートされた時にテレビでどんな作品が紹介されていて、興味を持ったので観に行きました。

予告編などから、生まれてから5歳になるまで狭い室内に監禁されていた男の子とその母親が脱出する話で、脱出した後も描かれるらしきことはわかっていました。
きっと、5歳になって初めてみる外の世界が驚きに満ちていて感動的、という展開になるんだろうと思っていたら、実際はちょっと違いました。

でも、この作品の描き方の方が正しいのだろうと思います。そしてたぶん、この作品が描きたかったのもそこなんだろうと思います。部屋を脱出した子供、母親、そして彼らを受け入れた家族、それぞれの苦悩と、最後に少しだけ光明が見えた感じで終わる演出がよかったと思います。全体としては重いけど。

ただ、タイミング的に女子中学生監禁事件の報道でメディアが賑わっていた直後なので、なんだかとても考えさせられる作品でした。

公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/room/





2016年4月9日土曜日

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』

★★★☆☆

バットマンのダークナイトシリーズのちょっと重たいトーンはよかったし、スーパーマンの『マン・オブ・スティール』の格闘シーンも明らかに人間を超越した迫力があったので、その両方が出てくるこの作品には、実はかなり期待していました。

今回の作品は、たぶん『マン・オブ・スティール』の続きだと思います。なので、バットマン側のキャストはダークナイトシリーズとは異なり、ちょっと違和感がありました。

全体的にバットマン、スーパーマンの世界観を知らない観客にとっては説明が少ない作品で、私も特に詳しくはないので「この含みのある演出は一体なんなんだろう?」と思うところが多々ありました。かろうじて「ゴッサム・シティ」や「クリプトン星」はわかりましたが、この辺りの言葉が何の説明もなしに使われるので、予備知識がないと充分楽しめない作りになっていると思います。ワンダーウーマンとか突然出てくるので「あんた、誰?」みたいな気分でした。

あとは、バットマンとスーパーマンが戦った理由(あまり詳しく書くとネタバレになるので控えますが)も、いまいちわからなくて、私にとっては、結構モヤモヤが残るものでした。

格闘シーンの迫力は相変わらずでした。

公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/







『ちはやふる -上の句-』

★★★★☆

原作は、人気のある少女漫画だということをなんとなく知っている程度で、読んだことはありません。

思ったよりもよかったです。ひとことで言ってしまうと、競技かるたの世界を舞台にした高校生のスポ根モノ。
意外に迫力のある競技を見せつつ、汗と涙、友情と恋愛を織り交ぜ、ちょっとコミカルな要素も入れて、なんとも青春な感じです。

競技かるたの新鮮さ意外は王道中の王道なので何がよかったのか自分でもよくわかりませんが、王道をそのままひねることなく直球で描いているのが清々しいということかなあ。

広瀬すずさんは『海街diary』よりもはるかにポジティブで前のめりでガンガン突っ走る女の子の役ですが、とても自然な感じでよかったと思います。
ロングヘアだったのは原作のイメージに近づけるためだと思いますが、原作を知らない私は、やっぱりショートの方が似合う気がしました。

彼女は2016年に公開される『四月は君の嘘』にも学生バイオリニスト役で出演するのですが、これがロングヘアでポジティブな役なので、どんな風にキャラクターを演じ分けるのか気になります。

公式サイトは、こちら。
http://chihayafuru-movie.com

2016年4月2日土曜日

『僕だけがいない街』

★★★☆☆

原作マンガは読んでいませんが、TVアニメを観て結構面白かったので、実写映画を観てみました。

最初の方は、アニメ版と基本的に同じストーリーが展開していきますが、結末が違いました。こういう複数のメディアで展開する作品で結末を変えることがよくある気がしますが、やっぱりそうしないと集客力が落ちたりするものなのでしょうか。
映画版の結末だと『僕だけがいない街』というタイトルの意味合いが変わってきます。それに、なぜ主人公に"リバイバル"が可能だったか?という部分での説得力がなくなりますね。

この作品は、過去と現在の時間軸を何度か行ったり来たりしますが、アニメ版は過去の部分に相当時間を費やしますが、映画版は時間の関係もあるでしょうが、相対的に現在部分が長く感じました。小学生時代の主人公やその友達を演じた子役も頑張っていたし、もっと過去をクローズアップしてもよかったかも。藤原竜也くんと有村架純さんが脇役に感じるぐらいに。

藤原竜也くんと石田ゆり子さんの親子役は激しく違和感がありました。実年齢は10歳ぐらいの年齢差のようなので、さすがに無理がありますね。

現在の主な舞台が船橋ということで、一部実際に船橋でロケが行われているようです。何となく見たことがあるような風景もちらほら。


公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/bokumachi/







2016年3月30日水曜日

『アーロと少年』

★★★★☆

ネットで調べたところ、日本では吹き替え版しか上映されないとかで、不本意ながら吹き替え版を観てきました。

最近のPIXAR作品の中では、私はかなり好き。
ストーリーはいたってシンプルで、迷子になった臆病な子供が色々な人と出会い助けてもらいながらちょっと成長して家へ帰るというもの。このくらいシンプルな方がいいですね。その代わり、一つ一つのシーンにちょっとした面白さがあったり、絵としての美しさがあったりして、退屈することはありませんでした。

設定は、絶滅せずに高い知性を持った恐竜と、まだ言語も獲得していない人間というヒネリが入れてあるのですが、その必然性があるのかどうかはよくわかりませんでした。

映像的には、水や雲や草木の表現がとてもリアルで、実写なのかCGなのかわからないようなシーンもありました。そうなると逆に、キャラクターだけがマンガチックなのはいいんだろうか?と考えてしまいました。
『ジュラシック・パーク』など実写の恐竜モノでCGがリアルな恐竜を描き出しているとう実績があり、本作でも背景はリアルを追求しているのに、なぜキャラクターだけが…?もちろん本作のキャラクターをリアルに描いても魅力的ではないと思いますが、突然こんなことが気になってしまったのは、キャラクターが恐竜だったからだと思います。

不本意な吹き替え版でしたが、キャラクターの声は特に違和感なく、よかったと思います。最後の歌は、キロロが悪いとは言いませんが、英語版がどんな歌なのかわからないので、なんだかすっきりしない気分です。

同時上映の短編は、インド人の親子が登場し、ヒンドゥー教の習慣などが描かれているので、PIXAR作品としてはかなり異色な印象でした。監督の名前がインドっぽかったので、なんとなく納得。作品としてすごく面白かったかというと微妙ですが、PIXAR作品がこういう風に国際色豊かになっていくのも悪くないと思います。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/arlo.html



2016年3月26日土曜日

『エヴェレスト 神々の山嶺』

★★★☆☆

エヴェレストに初登頂したのは誰かという謎を追うようなくだりがありつつ、結局は山にとりつかれた男たちの無謀な挑戦の映画ですね。

そうなると、だいたい遭難という状況が出てきて、仲間を失った過去があって、生還できるのかどうなのかというスリルがあって…というのは山岳映画につきもので、まあこの作品もそんな感じです。

山の映像はとても美しかったと思います。

そしてカトマンズ。さすがに撮影場所がどこかはわかりませんでしたが、私が見てきたカトマンズの雰囲気そのまま。外国人観光客は大抵タメル地区に行くそうですが、その近辺らしき場所も映っていました。
私がネパールを旅行したときは、カトマンズの他にチトワン、ポカラを回りましたが、いずれもカトマンズより西のエリア。一方エヴェレストはカトマンズより東側なので、私はエヴェレストの姿は全く見ていません。映画の中では、当然山でのシーンも多いですし日本でのシーンもあるので、カトマンズのシーンは意外と少なかったです。

この作品を観たかった理由の一つは、自分が行ったネパールの雰囲気を味わうため。その目的は、多少果たせた気がします。

公式サイトは、こちら。
http://everest-movie.jp







2016年2月20日土曜日

『スティーブ・ジョブズ』

★★★★☆

この映画は、アイザックソンの書いたジョブズの伝記が原案ということになっています。あの伝記は、彼の出生から亡くなる間際までをかなり詳細に描いているのですが、そこから映画作品にするときに、全体をまんべんなく描かずに、こういう切り取り方をしたのか、という、そこが一番面白かったと思います。

もう一つのジョブズ映画(邦題は本作と同じ『スティーブ・ジョブズ』ですが原題は『JOBS』)の方も、伝記で描かれている全ての範囲を網羅しているわけではなかったと思います。でも、ウォズと出会ってAppleを作って、追い出されて、また復帰してという、彼のビジネスにおけるキャリアの一番ドラマティックな部分をきちんと抑えてありました。

本作の方は、一応初代Macintosh、NeXTcube、iMacの発表会場が舞台ですが、実際には、その舞台裏で起こっているジョブズのプライベートな人間関係が描かれています。逆に、ビジネス上の功績は、この作品ではほとんどわからないと思います。

私はもともとジョブズに興味を持っていて、Apple復帰以降はリアルタイムでどんな製品を発表してきたか知っていますし、彼にまつわる様々なエピソードもあちこちで見聞きしているので、そのうちのどの部分を映画で描いているのかわかります。
ただ、ジョブズについてあまり知らない人がいきなりこの映画を見た場合、登場人物全員と喧嘩している男にしか見えないでしょう。
ずっと認知拒否してきた娘のリサ、その母親のクリスアンとの関係は比較的わかりやすいのですが、スティブ・ウォズニアック、ジョン・スカリー、アンディ・ハーツフェルドはそれぞれ何をした人で、ジョブズとどういう関係の人物なのか、あの描き方で伝わったのかなあ。
それとも、そんなことが一切わからなくても、充分面白いと感じられる映画に仕上がっているのか。描かれていない部分を補って観ることができてしまう私にはよくわかりません。

割と普通の伝記映画を想像していた私にとってはかなりの変化球でしたが、ジョブズという人物を大胆に切り取って描いた人間ドラマとしては、かなり面白いと感じました。

公式サイトは、こちら。
http://stevejobsmovie.jp







2016年2月13日土曜日

『オデッセイ』

★★★★☆

とてもよかった、というか、好みだったと思います。

トラブルに対して、知恵を使って解決していくタイプの話が自分は好きで、宇宙を舞台にした作品は、こういうタイプの話とマッチしていると思っています。
というのは、私の中で宇宙飛行士は訓練された科学者やエンジニアというイメージがあって、理系的な思考回路の持ち主だと思っているので。
そういう意味では、同じ宇宙を舞台にしたSFでも『スター・ウォーズ』はファンタジーであり、スピリチュアルであって、対極の作品ですね。

『オデッセイ』と同じタイプの作品に『アポロ13』がありますが、こちらは実話に基づいているのでさらに現実的。『オデッセイ』はフィクション版の『アポロ13』といった感じだと思います。
トラブル対策を地球側でシミュレートして検証するような描写は、『アポロ13』と同じです。

細かい演出では、『オデッセイ』は明るくて面白おかしい作風に仕上げてあって、これは『アポロ13』とは少しトーンの違いを感じます。

また、生き残りのために食料となる植物を栽培したり、化学変化で水を生成したりするのが、この手の作品としては新鮮だと思っていて、ずっとこの路線で押していくのかと思いきや、後半の方は割と普通な宇宙トラブルもののような展開になってきて、私としてはちょっと残念でした。

原題は『The Martian』。火星人という意味のようです。原作小説ではこれを『火星の人』と訳したようですが、映画の邦題は『オデッセイ』。なぜ違う言葉に変える必要があるのかなあ。

公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/odyssey/







2016年1月23日土曜日

『白鯨との闘い』

★★★☆☆

私が好きな『アポロ13』のロン・ハワード監督作品だということと、白鯨ということでちょっと海洋ドキュメンタリーのような映像も見られるのではないかと思って観に行きました。

邦題は『白鯨との闘い』ですが、原題は『In the Heart of the Sea』。
鯨油採取のための捕鯨船員の話であり、実際捕鯨のシーンも、白鯨に攻撃されるシーンもあるのですが、作品全体の印象としては『白鯨との闘い』ではない気がします。
どちらかというと海洋サバイバル。『○○○漂流記』みたいな雰囲気でした。

小説の『白鯨』はもちろん知っていますが、読んだことはないので小説の内容と映画で表現されている内容の差もよくわかりません。

そして、私が『アポロ13』を好きなのは、ロン・ハワードの演出が好きというよりは、結局『アポロ13』のエピソードが好きということらしいことがわかってきました(^^;)。

公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/hakugeimovie/







2016年1月13日水曜日

『ブリッジ・オブ・スパイ』

★★★★☆

とてもよかったと思います。

最近、テレビのドキュメンタリーや映画などで「20世紀史」とでもいうような世界情勢に関わる作品を観る機会がなぜか多いのですが、この作品もその流れに乗っているので、自分の中に響くものがありました。

東西冷戦時代、アメリカで活動していたソ連のスパイを弁護した弁護士をトム・ハンクスが演じています。
彼はその後、ソ連に身柄を確保されたアメリカ側の軍人とそのソ連のスパイを交換するための交渉役を引き受けることになります。

東西冷戦時代というと私にとってはリアルタイムなのですが、国際情勢に関心がある子供でもなかったので、あまりよくわかっていませんでした。
この作品で描かれているのは私が生まれる前ですが、米ソのスパイや軍隊があんなに活発に活動していたとは驚きです。

トム・ハンクス演じる弁護士は、スパイであっても法律に基づいて適切に裁かれるべきと考えるのに対して、アメリカの世論はソ連のスパイなら極刑が当然だと考え、彼を非難します。この「ソ連のスパイなら○○○○」が現在の「イスラム教徒なら○○○○」とどうしても被って捉えたくなります。

公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/bridgeofspy/







2016年1月6日水曜日

『ベテラン』

★★★★☆

久しぶりに観た韓国映画。さすが、クオリティは高いですね。

事前に知っていたのは、韓国ではタブー視される財閥の闇を取り上げていること、『踊る大捜査線』を彷彿とさせるコミカルな要素があることですが、いずれも納得。

ただ、韓国の人から見ると財閥のあり方を批判するメッセージが明らかなのかもしれませんが、日本人の私にとっては、言われないとわからなかったと思います。
日本にも企業のトップやその御曹司が悪役として描かれるドラマは多々あり、それと何が違うんだろう?という印象でした。

『踊る大捜査線』のノリとは、本当によく似ていると思いました。警察署内を登場人物と一緒にハンディカメラが移動しながら長回しで撮るような演出も。もしかしたら、直接影響を受けているのかも、と思うほど。
アクションは『ベテラン』の方が派手で、やや暴力的。そして、主人公がそもそもルールを守る気がない感じは、ややリアリティに欠ける気がしますが、韓国ではそうは感じないのかな。

『ベテラン』というタイトルは、どうもイマイチな気がしました。本編のタイトルロゴにもハングルに添える形で英語で小さく"veteran"と書かれていたと思うので、原題も基本的には同じ言葉だと思います。
日本でベテラン刑事というと、定年間近でくたびれたコートを着ていて、何度も現場を見に行き、聞き込みを繰り返して足で情報を稼ぐ、あるいは取り調べで被疑者を優しく諭して泣き落とすようなタイプをイメージします。
でもこの映画の主人公は、日本の刑事ドラマだと新人刑事のような無鉄砲な行動ばかり。役としての年齢設定はわかりませんが、役者さんの年齢は40代のようです。日本と韓国だと『ベテラン』という言葉で思い浮かべる人物像はちょっと違うのかもしれませんね。

細かい役も含めると登場人物が結構いて、見た目上印象に残るような強いキャラクターの役者さんが少ないので、「あれ、この人は誰だっけ?」と思うことが何度かありました。

公式サイトは、こちら。
http://veteran-movie.jp


さて、昨年2015年に観た映画は45本でした。観たいと思う映画をだいたい観て、たまに観そびれた作品もあり、最初は観るつもりがなかったものを急遽観ることにしてみたり…、などとやっていると、私の場合はほぼこのくらいの本数になるようです。星5つをつけた作品はありませんでしたが、星4つがかなりたくさんありました。