2011年5月21日土曜日

『ブラック・スワン』

★★★☆☆

以前から言っているとおり、私はアカデミー賞で評価されるタイプの映画は、どちらかというと苦手なことが多いようです。
『ブラック・スワン』も、やっぱりそっち系な気がしました。でも、この映画の評判がいいのは、何となく理解できました。

レオナルド・ディカプリオ主演の『シャッターアイランド』という映画があったけど、精神が崩壊していく中で、何が事実なんだかわからない倒錯した世界を描くという点では、似ているのかなあ。それをバレエの世界で描いているので、ずいぶん雰囲気は違うかもしれないけど。

ハンディカメラを多様していて、歩いたり踊ったりしている人物を舐め回すようにカメラも動き回るので、見ていてちょっと疲れました。

ナタリー・ポートマンは、すごくよかったと思います。







2011年5月19日木曜日

268

以前から、健康診断でコレステロール値が高めで、運動をするよう厳しく指導されたので、自転車通勤を始めました。
実はもう一つ、ランチの後、会社の周辺を20分ほど歩くようにしています。

歩いてみると、色々と発見があります。

船橋は比較的古い街なのでしょうか、住宅街に入ると、とにかく細い路地が網の目のように広がっています。私も、その先に何があるかわからない道は大好物なので、公道だか私道だかわからないような細い道を見つけると、どんどん入って行きます。で、結局行き止まりだったり…。

住宅は、比較的最近建てられたと思われるものもありますが、昭和30年代ぐらいから時が止まっているような雰囲気の家も結構ありますし、ほとんどバラックのような家もあり、なかなか刺激的です。

そんな中、風呂屋が結構たくさんあることに気づきました。私自身は、特に風呂屋に思い入れやあこがれがあるわけではないのですが、なんだか象徴的な感じがしました。



2011年5月15日日曜日

『はやぶさ HAYABUSA BACK TO EARTH』

★★★★☆

小惑星探査機はやぶさの軌跡をたどったドキュメンタリー映画。もともと各地のプラネタリウムで上映されていた映像に、さらに映像を追加して劇場公開したものだそうです。上映時間も1時間足らずで、料金は500円でした。

フルCG作品で、はやぶさプロジェクトに携わった人たちは一切出てきません。技術解説や発生したトラブルの説明もかなり簡略化されていた気がします。それでも、はやぶさ飛行コースや、はやぶさが地球を使ってスイングバイを行い、進路と速度を変えたこと、それが制御技術上非常に難しいことなどが、わかりやすいビジュアルで開設されていました。

ナレーションも文学的というか情に訴える系で、サイエンス系のドキュメンタリーとしてはちょっと物足りないと思いましたが、広く一般の人に見てもらうならこんなものでしょう。

個人的には、科学技術系の偉業に感動できるタイプなので、物足りなさは感じつつも、結構楽しめました。

はやぶさをテーマにした映画は、竹内結子さんが出演するものとか渡辺謙さんが出演するものなど、いくつか制作されるようです。そっちは、もっと人間ドラマになるのでしょうし、もしかしたらフィクションの要素が強くなるかもしれませんが、たぶん全部見ちゃいそうな気がします。売り上げの一部が、次のはやぶさ2のプロジェクト資金になったりはしないんでしょうね。そのくらいしてもいいのに。



『岳 -ガク-』

★★★★☆

ひとことで言えば、山岳版の海猿ですね。

山岳救助をテーマに話を作るとしたら普通こうなるだろうというストーリーで、特にひねりがあるわけではありません。
でもまあ、命の現場なので、それなりのドラマにはなっていたと思います。

小栗旬演じる三歩のキャラクターですが、シーンによって、少年のように屈託がなく(若干おつむが足りないように…)見えたり、最高の山岳技術と信念を持ったプロフェッショナルに見えたり、ちょっと定まっていない印象でした。もともそそういう人物像なのでしょうが、何か引っかかりました。

それにしても、やっぱり壮大な山の景色は絵になります。山頂に一人立つ小栗旬を空撮の超望遠からグーッと引いていくカットは、それだけで山という存在の大きさや美しさや恐ろしさを伝える説得力があります。
ストーリーの合間に入る様々な山の表情に、★一つオマケです。





2011年5月8日日曜日

『八日目の蝉』

★★★★☆

実はもともと観るつもりはなかったけど、意外と評判がいいので観る気になった作品。

何というか、大人の映画ですね。
誘拐事件が解決して20年近く経った後の物語なので、テーマは謎解きではなく、誘拐事件が関係者の心の中に残した"闇"。一見普通の生活が戻ってきているようで、みんなが事件の記憶を抱え、みんなが幸せをつかめないでいる、何とも重たい作品。

役者も力のある人ばかりで、派手は感情表現もちょっとした表情や間も、とてもよかったと思います。
永作博美は、これまでの実績から全く不安なし。
井上真央も予想以上でした。いまどきの女優にとって、テレビも映画も特に区別はないのかもしれませんが、今回の彼女は、完全に映画女優に見えました。
余貴美子の変なキャラも印象に残りました。何でも出来ちゃう人ですね。
よかったのは小池栄子。彼女は『20世紀少年』のときの怪演が強烈に印象に残っているのですが、今回もちょっとキャラ作り過ぎなんじゃないかと思うほど。でもそれが、何となく納得できちゃう気がするのが不思議なところ。

映像的には、セリフなしでスローモーションで見せるカットが効果的に使われていました。

評判がいいのも納得できました。




『阪急電車 片道15分の奇跡』

★★★★☆

ほのぼの系のあったかい作品。けっこう好き。

舞台は阪急今津線。なぜこの路線を選んだのかわかりませんが、ローカル線でもなく、幹線とも言えず、あまりにも普通すぎて注目されにくいというところを狙ったのでしょうか。私は関東人なので、映画から見た印象だけですが、かなり絶妙な感じがしました。

電車の車両、駅の様子、駅員や車掌の車内アナウンスなどもしっかり描かれているので、電車が好きな人はそれだけでも楽しいかも。また、阪急線沿線の人たちなら、自分の生活圏内の映画なので、さぞかし楽しいことでしょう。

タイトルに"片道15分"とあったので、この時間にはこだわりがあるのかと思いましたが、別に実時間で作られているわけではありませんでした。途中に回想シーンなんかを挟みながら物語が進行するから、仕方がないですね。

もともと知り合いではない人たちが、阪急電車の中でどのように関わりあうのかと思ったら、結構直接的に関わっていましたね。私は、もっと弱いつながりを予想していました。特に、最後、中谷美紀と戸田恵梨香が仲良くなるところは、個人的にはなくてもいい気がしました。あの感じだと、その後継続的に付き合っていきそうな雰囲気でしたが、電車の中でお互いの人生が一瞬だけ交差する、その刹那の物語で終始した方がいいと思うのですが…。

出演者は関西出身の人とそうでない人がいたようですが、割と関西弁は抑え気味?というより下手な感じがしましたが、これも関東人である私には正確な評価ができません。
戸田恵梨香さんが関西出身なのは何となく気づいていました。
関西の人は、カ行の母音をはっきりと発音する傾向があります。例えば「タクシー」なら、関東の人の場合は「takshi-」とほとんど"k"の子音のみしか聞こえませんが、関西の人は「takushi-」となり、"ku"の母音の"u"をはっきりと音に出します。
戸田恵梨香さんの発音は、関西弁のセリフではなくても、このカ行の母音の特徴がはっきり現れています。
後の出演者の出身地は知りませんでしたが、調べてみると予想以上に関西出身の人が多いようです。なんと、芦田愛菜ちゃんも兵庫県出身のようです。





『GANTZ PERFECT ANSWER』

★★★★☆

派手なアクション映画として、面白いと思います。
ただ、それだけといえばそれだけかなあ。かなり特殊な状況設定をして、その中で繰り広げられる戦いと心の動きを描いているわけですが、その状況設定について説明しなさ過ぎ(GANTZの採点風 ^^;)。"PERFECT ANSWER"という割に、観客に投げかけた謎の多くは謎のままの気がします。少なくとも、私にはわかりませんでした。
気のせいか、最近こういう傾向の作品がちょくちょくあるような…。ちょっと強引なくらい特殊な状況を作らないと、新鮮な作品にならなくなってきたのかなあ。

で、謎が解けた部分に関しては、意外と普通。例えば、敵側の松山ケンイチは誰なのか?最後の二宮くんの決断とは?この辺は予想の範囲でした。

そんなわけで、この作品は重箱の隅をつつくように見てはいけません。その時その時のアクションに注目して、「おお、派手にやっちょる、やっちょる」という味方をすると、かなり満足度が高いと思います。

ところで、GANTZって、ロボコンのガンツ先生からきているネーミングなんでしょうか?だって、生徒たちにミッション与えて、その結果を採点するのは同じですよね。

ガンツ先生:「ロボコン、0点」
ロボコン:「ウララ〜」

って感じでしたっけ。懐かしい(^^;)。



2011年5月3日火曜日

サンノゼ紀行(その7) 帰国

行きはサンフランシスコ空港から乗り合いタクシーでホテルまで送ってもらいました。
帰りも同じ方法でホテルから空港に行く方法もあるのですが、駅がホテルからとても近いことがわかったので、帰りは鉄道を使うことにしました。空港までは、ほぼ1時間ぐらいのようでした。


これがサンノゼ駅。ここから、カルトレインという列車でサンフランシスコへ向かいます。
アメリカの鉄道事情はよくわかりませんが、多くの人が自家用車を使っているようなので、おそらく鉄道の利用率は高くはないのではないでしょうか。駅の感じも、日本の感覚からするとちょっとローカル線っぽく感じました。
自販機でのチケットの購入方法はガイドブックに載っていたのでスムーズ、時刻表も手に入れましたが、何番線からどの列車が出発するのか、どこにも表示がありませんでした。しかたがないので、その辺の人に聞いてみたのですが、みんな自信なさげ。
結論としては、正しく狙った列車をキャッチすることができました。



カルトレインはこんな感じ。大きなバッグを持っている場合は、Luggage Carという車両に乗ると入口近くにバッグ置き場があります。中は2階建てですが、通路部分は吹き抜けになっています。途中で検察があったのですが、乗務員は1階と2階の検察を一気に片付けていました。
カルトレインは車掌の車内アナウンスがあるのですが、日本の車内アナウンスは独特の発声やしゃべり方ですが、アメリカのもなんかちょっとヘンなしゃべり方だった気がします。
ちなみに、座席は自由席…だと思います。購入したチケットには座席番号はなかったし。

カルトレインでMillbraeという駅まで行ったら、ここでBartという列車に乗り換え、1駅か2駅ほどで、空港の国際線ターミナルに直結しています。
このBartの券売機がめちゃめちゃわかりにくくて閉口しました。いまだによくわからないのですが、券売機の横に貼ってある料金表で金額を確認して、その金額を券売機の画面内で指定するのですが、券売機に入れた金額から必要分を差し引くという表示になっていたような気がします。そして、金額の入力は、1ドルボタンを2回押すと2ドル差し引かれるというようにボタンを押す回数で行います。それを私はクレジットカードで買おうとしたので、なんだかさっぱり。結局周りの人に助けてもらいました。"It is difficult!"と言ったら"I know."と返されました(^^;)。ユーザビリティ、もっとがんばってね、アメリカ。
さらに、空港駅で改札ゲートを通ろうとしたらゲートが開きませんでした。駅員に声をかけたら「どこから乗った?」みたいなことを聞かれたのですがMillbraeの駅名が出てこず、ゴニョゴニョ言ってたら、「もういいから通れ」みたいな感じになってしまいました。ちぇ。

そんなこんなで、サンフランシスコ空港に到着。行きの成田空港までの道のりを考えたら、寝てたら着いた、ぐらいの感覚です(^^)。

空港では、チェックインもスムーズ。荷物検査では、服の下が透けて見えちゃうと話題のボディスキャナーを初体験。まどんなふうに見えているのか自分ではわからないので、なんてことありませんでした。それより、ここにはボディスキャナーの他に通常のゲートもあって、空港スタッフが「お前はこっち、あんたはあっち」と乗客を振り分けているのですが、なぜ私がボディスキャナーの方だったのかが気になります。


サンフランシスコというのカリフォルニア州で暖かいイメージがありますが、実際はそうでもないそうです。なので、上着を用意してこなかった観光客が、慌てて空港で買った「San Fransisco」と書かれたパーカーを着ているのをよく見かけるのだそうです。確かに、空港には「San Fransisco」パーカーが沢山ありました。



キティちゃんはこんなところにもいました。しかも、何か妙な着ぐるみを着ているので、サンフランシスコのご当地キティちゃんなのかも。すごいぞ、キティちゃん。



そして、その他諸々、空港の風景です。

この後私は、日本人だらけのデルタ航空に乗り、約12時間のフライトの後、無事成田に到着しました。
最初は成田空港に着けるのかドキドキし、アメリカ滞在中は日本に帰れるのかドキドキさせられた思い出深いアメリカ出張は、こうして終了したのでした。

2011年5月2日月曜日

サンノゼ紀行(その6) シリコンバレー・ツアー

サンノゼというと、いわゆるシリコンバレーの一部で、周辺には超メジャー級のIT企業がゴロゴロとあります。出張中、1日だけオフということにして、ざっと回ってきました。

Adobe Systems Inc(345 Park Avenue, San Jose, CA)



Adobeはサンノゼのダウンタウンにあります。なので、ここだけは仕事のある日の帰り、ホテルに戻る途中で立ち寄りました。都会の中の高層ビルで、1階に受付カウンターとシンプルなロビーがある、日本の企業の、本社のイメージに一番近い雰囲気でした。当然ですが、入れるのはロビーまでです。


Apple Inc(1 Infinite Loop, Cupertino, CA)



Appleがクパティーノというところにあるのは知っていましたが、Infinite Loop(無限ループという意味ですよね?)という住所だったとは。リンゴマークの看板もあったのですが、住所が書かれた看板を撮ってみました(たぶん、わかる人にしかわからない)。
Apple本社にはカンパニーストアがあって、ここでしか手に入らないアップルのロゴ入りグッズなどが売っています。でもMacやiPodはありません。…と聞いていたのですが、iPadや周辺機器、ソフトウェアなども売っていて、普通のApple Storeの雰囲気でした。
せっかくなので、アップルロゴマーク入りのタンブラーとシャツを買ってみました。


Appleの原点のガレージ(2066 Crist Drive, Los Altos, CA)



Appleの歴史などが書かれた本を読むと、もともとはコンピュータ好きの若者たちが自分たちの成果を持ち寄って見せ合う、サークル活動のような中で、JobsとWozniakが出会い、意気投合したことからスタートしたと言われています。その時の会場はガレージだったとか。
で、そのガレージがここだったんだそうです。
といっても、今ここにJobsが住んでいるわけではなく、ごく普通の住宅です。


PARC(3333 Coyote Hill Road, Palo Alto, CA)



ゼロックス・パロアルト研究所(Xerox Palo Alto Research Center)といえば、アラン・ケイが、ダイナ・ブック構想を実現すべくAltoというコンピュータを開発したところ。Altoはアイコンやメニューをマウスを使って操作する、いわゆるGUIを備えたコンピュータで、研究用に相当数作られたのですが、結局市販されることはありませんでした。
ここに、Appleの開発者たちが見学に来て見せられたAltoに衝撃を受けて作ったのがMacintoshです。その後MicrosoftもWindowsを発表することになり、GUIがパソコンの標準となっていくことを考えると、PARCは極めて重要な出発点なのです。
ちなみに今はXEROXから独立した会社組織になっているようです。
そして、この建物には今、仮想化技術で勢いのあるVMwareも入っており、建物内でそのスペースをどんどん広げているとか。


Hewlett-Packard Co(3000 Hanover Street, Palo Alto, CA)



hpは、サンノゼではとても存在感がある企業のようです。アイスホッケー会場も"hp pavilion"と冠がついているし。本社も広大で、建物とかはよくわかりません。その辺一帯がhp。日本でもhpはメジャーですが、パソコンもプリンタもシェアのトップ争いをするほどではありませんが、アメリカではいずれもシェア1、2位を争うポジションにいるはず。その辺りも含めて、日本とはイメージが違うのかも。


Facebook Offices(1601 South California Avenue, Palo Alto, CA)



Facebookもここにありました。
ところで、Facebookのコーポレートカラーは濃いブルーだと思っていました。ところが、建てられた看板はエンジっぽい赤。見落とすところでした。Facebookのwebサイトはどうもわかりにくく、あまりユーザビリティやUIがわかっていないのではないかと思っていたのですが、CIもわかってなさそう。
ちなみに、今回訪れた場所はPalo Altoでしたが、たしか Facebookは、かつてSun Microsystemsがあった場所(Menlo Park)に拠点を移すと発表していたはず。次は青い看板にすることをお勧めします(^^;)。


hpの原点のガレージ(367 Addison Avenue, Palo Alto, CA)



hpの歴史についてはくわしくないのですが、やはり出発点はガレージだそうです。
この写真の、フェンスの向こうに見える三角屋根の小屋がそれ。そしてここがシリコンバレー発祥の地ということになっているそうで、案内板も立っていました。


Google(1900 - 1950 - 2000 Charleston Rd, Mountain View, CA)



Googleも、その辺一帯がGoogleとしか言いようがないスケールでした。しかも、通りの名前が"Google"のようです。

ついでですが、上の「大きな地図で見る」からGoogleマップへ移動し、Googleの敷地の周りの道をストリート・ビューで見てみると面白いです。やたらとたくさん人や自転車が写っているのですが、こっちに向かって手を降っています。どうやら、Googleの社員がいつストリート・ビューの撮影車両が通ることを知っていて、わざと出演しているようです。


Yahoo!(701 1st Ave, Sunnyvale, CA)



Yahoo!といえば、Web黎明期に検索ビジネスを立ち上げて一気に中心的な役割を担うことになった会社ですが、今アメリカでは、Googleが圧倒的に強く、苦戦を強いられていると聞きます(ちなみに、日本ではGoogleよりYahoo!Japanの方がシェアが大きかったはず)。身売りの話もしばしばあるのですが、実際に会社を見てみると、そんな状況の企業とはとても思えない大きさです。


Intel Corporation(2200 Mission College Blvd, Santa Clara, CA)



Intelといえば、もちろんCPUを始めとするチップメーカー。ここは、博物館やショップが併設されているのですが、残念ながら時間が遅かったため、もう閉まっていました。


Computer History Museum(1401 N Shoreline Blvd, Mountain View, CA)


順番は前後しますが、Computer History Museumという博物館に立ち寄りました。ここ、入場無料なのですが、展示はとても充実しています。ソロバンなどの電気を使わない計算ツールから始まって、真空管からどんどん集積回路が進化していく過程や、ワークステーション、パソコン、サーバなどの歴史を、製品の展示でたどることができます。私の場合、Macを中心としたごく一部の知識しかありませんが、CPUに詳しい人でもサーバに詳しい人でも、かなりワクワクすると思います。



ありました。XEROX Alto。モニタが縦長なのは、現実の紙を模したからです。当時のコンピュータディスプレイは黒地に緑の文字が一般的でしたが、Altoは白地に黒文字。これも紙っぽくするためです。向かって右側にマウスがありますが、左側には、小さなピアノの鍵盤のような入力デバイスが見えます。これは、ピアノで和音を弾くように色々なキーの組み合わせに応じて処理を実行する、ショートカットのような機能を持っていたと聞いたことがあります。



残念ながら、展示してあるAltoは電源が落とされていました(そもそも動くのかどうか??)が、画面の写真が展示してありました。ウィンドウやポップアップメニュー、アイコンらしきものも確認できます。現在のMacやWindowsの面影があるようなないような…。
XEROXはAltoの後、StarというGUIシステムのワークステーションを市販します。Starの日本語版がJ-Starで、実は私はJ-Starを仕事で2〜3年使ったことがあります。AltoのアイコンデザインはJ-Starのものとテイストが似ているような気がします。



これがApple I。このころのコンピュータはキットとして販売されていたそうです。現存するApple Iは大抵このような木のケースに入っているのですが、このケースもキットの一部なのか、それとも購入者が自分で用意したものなのか、よくわかりません。


これがApple II。コンピュータを、このようにプラスティックのケースに収めた完成品として販売するようになったのはApple IIが最初らしいです。Appleの最初のヒット商品。



Palm Pilot。PDA(Personal Digital Assistant)という言葉と概念はAppleがNewtonプロジェクトに際して打ち出したものですが、おそらく商品として成功したのはPalm Pilotの方でしょう。Newtonが理想を追い求めたのに対して、Palm Pilotはいい具合に現実的な落とし所にまとめた印象でした。
今はもうこのPDAは存在しませんが、そのOS、Palm OSだけは一時SONYに買われ、Accessに買われ、今はhpがWeb OSという名前で持っており、アメリカではこれを搭載したスマートフォンやタブレットを発表しています。つまりiPhone、iPadの対抗馬です。AppleとPalmの不思議な縁ですね。


IT企業が集まっているとはいっても、実際に回ってみると相当広い範囲に点在しており、それらをつなぐ公共交通機関は整備されていません。流しのタクシーもそんなに見かけないので、事実上車がないとこのようなツアーは不可能です。今回私は、サンノゼ在住の友人が車を出してくれたので、1日でこれだけの企業を巡ることができました。実は、偉そうに解説していますが、どこをどう回るかも全て友人が探し考えてくれたもの。その節は本当にお世話になりました。

サンノゼ紀行(その5) アイスホッケー

アメリカの4大プロスポーツといえば、NFL(アメリカンフットボール)、MLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)です。そして、サンノゼには、San Jose SharksというNHLのチームがあります。そのホームとなるアイスホッケー場が、ホテルのすぐ近くにあるhpパビリオン。"hp"と付いているぐらいだから、hpがSharksの親会社なのでしょう。

今回の出張の相手先のCEOであるトニーさんが、自分で観戦する予定だったゲームのチケットを譲ってくれて、私と通訳さんがアイスホッケーの試合を見に行くことになりました。
2011年3月17日(木)のSan Jose Sharks対Anaheim Ducks。


試合開始の前にもイベントがあるからということで、18:00ぐらいにhpパビリオンに向かいました。



ごく普通の平日の夜ですが、続々とお客さんが集まってきます。しかも、Sharksのユニフォームを着ている人がものすごく多い…。
会場の外周はグルリと通路になっていて売店が並んでいます。我々は、そこでビールとホットドッグを購入。ホットドッグはなかなかのビッグサイズで、ソースとかがいっぱいかかっているので、とてもきれいに食べることはできず、手がベタベタになりました。
試合開始前から、Sharksのキャラクターがこの通路を徘徊していて、時々お客さんと絡んでいました。サメだけに、お客さんの頭に噛みついたりしていました(^^;)。



スケートリンクは、一見ホンモノの氷じゃないように見えました。客席もそんなに寒い感じではありませんでした。リンクの真上の天井には、巨大なディスプレイが設置されています。
この日は、観客が13000人ぐらい入ったようです。




試合開始前に、両チームの練習があったので、動画でも少し撮影してみました。

この後、国歌斉唱があり、正式な選手入場で試合開始となりました。アイスホッケーは全部で3ラウンドあり、各ラウンドの間に15〜20分ぐらいの休憩があります。この休憩も含めて、終始お祭り状態が続きます。

Sharksのホームゲームなので、観客も場内アナウンスも何もかも、完全にSharksに対してエコひいき状態。Sharksのいいプレイに対して熱狂し、相手チームのゴールにはブーイング。ものすごくわかりやすいです。お約束の声援の仕方もあるようで、独特の節回しだったり振り付けがあったり。

休憩時間は、リンクの整備車両がリンクを一回りします。その車両にはお客さんらしき人が乗っていたので、抽選で選ばれたのでしょう。あとは例のキャラクターが観客席に何かプレゼントを投げ込んだり、客席場を小さな飛行船が巡って、やはり何かを客席に落としていました。通訳さんによるとレストランのクーポン券らしいとのこと。
さらに、巨大ディスプレイにはお客さんが映され、そこに映ったカップルはその場でキスしないといけない、みたいなゲーム(?)もありました。休憩中も、あの手この手で飽きさせない演出が徹底していました。

アイスホッケー競技をちゃんと見たのは初めてですが、パックのスピードが速いせいか、非常に展開が早く、攻守の入れ替わりも頻繁で、目まぐるしいけど面白いと思いました。加えて、スケートの特性として選手は急に止まれないので選手同士の衝突も多く、やる側も見る側もエキサイトしやすい競技だと思いました。なんだかとってもアメリカ人向き。
第1ラウンドから徐々に盛り上がっていき、最後の第3ラウンドは試合の展開もエキサイトぶりも最高潮に達するあたり、若干やらせにも思えるほどでした。

で、結局試合は(たしか)3-2で我がSharksの勝利に終わりました。
終わったのは22:00ぐらいだったはずなので、試合開始からでも3時間、たっぷり楽しめました。
それから観客が一斉に帰り始めるのですが、私は10分も歩けばホテルに着きます。これは楽チン。…と思ったら、同じホテルに入る観客がけっこういました。確かに、ここは泊まりでホッケーを見に来る人にとっては、とても便利なホテルです。

かくして私の初めてのアイスホッケー観戦体験は終了しました。

2011年5月1日日曜日

サンノゼ紀行(その4) サンノゼの町

ホテルからダウンタウンまでは歩いて5分ほどで行けました。食事や買物をするには全く困らないのですが、観光スポットとして見るべきものは少ない印象でした。


Tech Museum。科学技術館のようなところ。入ってみましたが、かなりお子様向け。…にも関わらず、英語がわからず何を意図した展示なのかわからないものもあって、ちょっと残念。
IMAXシアターという巨大なドーム型の映像シアターがあって、人体をテーマにしたプログラムを見ました。これはなかなかよかったと思います。



Art Museum。こちらには入ってみませんでした。



セントジョセフ大聖堂。アメリカというと、産業革命後の国というイメージがあるのですが、こういうのを見ると、精神的バックグラウンドはキリスト教なんだろうなあ、と思ったりします。



Hotel Deanza。通訳さんが、有名な(歴史がある?)ホテルだと教えてくれた場所。ちょっとのぞいてみましたが、何だかよくわかりませんでした。ただ、ホテルの外観や屋上の看板の感じは、いかにもアメリカンな雰囲気があります。



おまけ。ホテルからダウンタウンと逆方向に少し歩いたところにあったKUMON。アメリカにもあるんですね。ちょっとビックリ。