2012年7月29日日曜日

『メリダとおそろしの森』

★★★☆☆

3D字幕版を観ました。

いつものように、ピクサー作品に外れなし!と言いたいところですが、実はこれまで観たピクサー映画の中では、一番響いてこなかったかも。
ストーリー的には、予想外のことがあまりなく、笑いの要素が少なめでした。

物語の世界観は、一部ナウシカとかもののけ姫のようなイメージもあったかな。ピクサーとジブリは交流があるようなので、影響を受けたところもあるのかな。

絵はとてもキレイで、特に自然の風景。特に印象的だったのは川で魚をとるシーン。水の動きは実写かと思うほどでした。

この作品の原題は『BRAVE』。『カールじいさんの空飛ぶ家(原題:Up)』と同様、原題とぜんぜん違う邦題がついています。

同時公開の短編作品『月と少年(原題:La Luna)』も、笑いの要素が特にないファンタジー作品。これはこれまでのピクサーとはちょっと違う印象でしたが、結構良かったと思います。

『ダークナイト・ライジング』

★★★★☆

実は、バットマン・シリーズ、今まで観たことがありません。なので、前作とのつながりの部分は、今作で表現されている範囲でうっすらと想像できる程度。
でも、そんなことは大した問題ではなく、かなりよかったです。

ヒーローが背負っているものの重さが感じられ、ある種の悲壮感が漂っているようでした。こういう部分を描くと、ヒーロー物もぐっと大人のドラマになっていきますね。
全体を通じて、バットマンの姿で戦うシーンがかなり少ない印象ですが、納得できるというか、不満は感じませんでした。

ついこの前、『アメイジング・スパイダーマン』を観たばかりです。あちらは高校生が特殊能力を身につけヒーローとして活躍し始める過程を描いているので、すぐにいい気になるし、意志が揺らぐし、戦士としても隙だらけ。今作のバットマンと比べると、大人と子供ですね。

敵役のベインが絵に描いたようなテロリストで、まったく感情移入できないのですが、もしこれが悪人なりに一理あるような人物像だったら、もっと奥行きが出たのかも、と思わなくもありません。

過去の作品を見てみたくなりました。そして続編は…ある、かな(^^;)?

『ダークナイト・ライジング』といえば、アメリカ、コロラド州での銃乱射事件が起こったばかり。日本の映画館で、模倣犯が現れたりしないだろうなあと、ちょっとだけ周りのお客さんの様子をうかがったりしてしまいましたが、無事何事もなく観終えることができました。

2012年7月15日日曜日

『BRAVE HEARTS 海猿』

★★★★☆

海猿シリーズの制作チームは、この作品をどう作ればいいのか完全にわかっている感じですね。それだけに、ところどころに「この展開は、以前の作品とちょっと似てるなあ」と思うところもありましたが、それでも充分堪能できました。

個人的に一番感動したのは、救出シーンではなくて、トラブルが発生した航空機の会場着水を決定してその準備を進める過程。短時間ながらも対応策が複数検討され、それぞれの可能性とリスクを検討し、結論を導くという"オトナ"なやり方が共感できました。

そういえば、前作は3D版があったのに今回は2Dのみのようですね。こうやって3D映画の流行が去っていくのかな。

『崖っぷちの男』

★★★★☆

星4つはちょっと甘いかな。
でも、男が飛び降り自殺に見せかけて何をやろうとしているのかが徐々に明らかになっていく過程や、それが成功するのかどうかのハラハラドキドキ感など、終始緊張感が持続して楽しめました。

主人公の弟とその彼女がちょっとおちゃらけていて、サスペンスの中にすこし緩い部分があったけど、個人的にはあれすらなくして全編ピリピリしていてもよかった気がします。

主役のサム・ワーシントンは『アバター』の主演ですが、よく覚えていませんでした。『アバター』の場合は、どうしても青いネコ科の宇宙人の方が強烈な印象を残してしまいますね。

タイトル『崖っぷちの男』は、主人公がギリギリのところでの大どんでん返しを狙っているというダブルミーニングになっていますが、原題は『MAN ON A LEDGE』。"ledge"は建物の出っ張りの意味らしいけど、人生の崖っぷちの意味もあるのかなあ?

2012年7月8日日曜日

『アメイジング・スパイダーマン』

★★★☆☆

最初のアメコミが作られた時には、スパイダーマンの特殊能力に理由付けなんて特にないのでしょうが、上手にSF的設定を付加し、冷静に見ればヘンテコな全身タイツをかっこよく見せていると思います。

ただ、やっぱりSFアクションものにラブストーリを絡めるのは難しいですね。オッサンとしては、「そんなところでイチャイチャしてるから、敵に攻撃する猶予を与えて、自分が危険にさらされるんじゃないか」とツッコミたくなります。

でも当然主人公側が負けるはずはないわけで、そうするとストーリー自体がとてもご都合主義っぽいものに見えてしまうのです。

というわけで、まあ細かいことは気にせず楽しみましょう、という作品。

2012年7月1日日曜日

『裏切りのサーカス』

★★★☆☆

ゲイリー・オールドマン主演ということで、何となく気になっていた作品。
私の場合、実は彼の演技はほとんど観たことがなくて、『フィフス・エレメント』の超エキセントリックな役ぐらい。でも、気になる存在でした。

今作でのゲイリー・オールドマンはとにかく渋くて、セリフも少なく、感情も抑え目。抑え過ぎて、それがかえって不気味に感じるぐらいでした。

ストーリーは、スパイもののサスペンスで、要は裏切り者を探す話です。さまざまな情報を集めながら裏切り者に迫っていくのですが、結局なぜその結論にたどり着いたのか、よくリクツが飲み込めませんでした。

映画館側も、この作品が難しい映画だとわかっているらしく、チケットをもぎってもらうときに人物相関図を渡されました。そこには「この作品に限っては、映画を観る前に多少予備知識があった方がいい」という趣旨のことが書かれていました。それに目を通してから映画を観たけど、やっぱりよくわかりませんでした(^^;)。

ただ、最初から最後まで一貫してピリピリとした緊張感が続く雰囲気は、とても良かったと思います。