2016年10月15日土曜日

『少女』

★★★☆☆

公開前にテレビなどのメディアからそれほど情報が入ってこなかったのですが、湊かなえ原作の作品とは相性がいいと思っているので、あまり迷わず観に行きました。
と言いつつ、原作小説は読んでいません。

女子高生たちの、かなりダークな部分を描いた作品。
もともと女子高生と私ではプロフィール的に対極に位置するうえ、作品内の出来事がいちいち不愉快な方へ展開していくので、観ていてなんら共感できないし、まったくハッピーな気分にならない作品でした(^^;)。

このまま終わるのかと思っていたら、後半になって全然つながりがなさそうな登場人物同士に意外なつながりがあったり、過去の出来事と絡んできたりと、ミステリーの謎解きのような面白さがあって、最終的には意外と満足できました。

主人公を演じた本田翼さんには、特に思い入れはないのですが、この作品ではものすごく暗くて、やや感情が欠落しているような女子高生役で、目が死んでいるような表情ばかり。笑顔のない彼女には、どうしても違和感を覚えてしまいました。
それは、笑顔のない本田翼さんをあまり見たいと思わないのか、彼女の演技力的に暗い役の演技が不自然だと感じたのか、この役がもっとぴったりくる別の女優さんがいそうな気がするのか、自分でもよくわかりませんが。
でも、この作品全体のトーンを考えると、私が感じた違和感は、むしろ狙い通りなのかもしれません。


公式サイトは、こちら。
http://www.shoujo.jp







『グッドモーニングショー』

★★★☆☆

『踊る大捜査線』シリーズの脚本の君塚良一さんが脚本・監督したコメディ作品で、『めざましテレビ』を取材して作られたということで、ずいぶん前から観ようと決めていました。

結論としては、娯楽作品の超ど真ん中という感じ。B級というのとは違うかもしれませんが、決して超大作ではなく、いい感じて肩の力を抜いて観られる作品。

番組打ち切りとかキャスターの降板など、最近不調のフジテレビと結びつけてしまうとやや自虐的でイタい気がしなくもないですが、いい塩梅で笑いも入っていて、朝の情報番組の舞台裏も垣間見えます。

立てこもり事件が解決していく過程で、最後に伏線が収束していく感じというか、パズルのピースが隙間なく埋まる感じというか、そういうものが期待したほどではなかったかなあ。私は『踊る大捜査線』シリーズのそういう部分がとても好きだったので、どうしても高いレベルの期待をしてしまうのでしょう。

そんなところも含めて、気楽に観ると楽しめると思います。


公式サイトは、こちら。
http://good-morning-show.com





『怒り』

★★★★☆

原作は読んだことがなく、事前情報も予告編ぐらいでしたが、『フラガール』や『悪人』の李相日監督作品なので観に行きました。

主に3つの舞台でのエピソードが入れ替わりながら展開していくのですが、それぞれの舞台での登場人物が全く絡まないというオムニバスのような構成。
これを1本の作品として作ったのは、まあ原作がそういう構成だったからなのでしょうが、その意図がわかりにくい気がします。感覚的には、それなりにまとまっていたように思いますが、理性的に考えると、これが"正解”なのかよくわかりません。
ストーリーの根幹となる起承転結に直接からむエピソード以外にサブエピソードがくっついている訳で、そのサブエピソードの内容はいくらでもバリエーションが考えられるはず。その中でなぜこのような登場人物でこのような出来事を取り上げたのか?別にこんなことを分析する必要もないのでしょうが、自分は気になってしまいました。

ただ、役者さんたちの演技はとてもよかったと思います。3つの舞台それぞれに、主役級の役者さんが数人ずつ登場して演技合戦を繰り広げているので、当然といえば当然ですね。
結局この演技が一番の見所だった気がします。

広瀬すずさんが、ずいぶんハードな役を演じていてびっくりしました。


公式サイトは、こちら。
http://www.ikari-movie.com