★★★★☆
この手の、実在の人物を主人公にした作品の多くは、その人物を美化しすぎる傾向にあるので、見る側としてもそれなりに疑ってかからないといけません。『真実』などとサブタイトルについているけど、きっと真実じゃないんだろうと思っています。
それを前提として見て、役所広司演じる山本五十六は大変魅力的に描かれています。穏やかな平和主義者で、人情味があって、考えがブレず、いつも最善を尽くし、冷静沈着で、おごらず…。
そんな人物でも、個人的な想いと司令長官という公の立場としての行動や発言に微妙に差があるところは、とてもよくわかります。組織の中で活動するって、たいへんなんですよね。
戦争開始直前の日本の世論の動きは印象的。もしその当時、自分がそこにいたら、日独伊三国同盟反対、戦争回避という考えを持てたか、考えさせられます。
これが、2011年最後の映画となりました。今年観た映画は45本。2010年は27本で、そのときの自分としてはこれが限界だと思っていたのですが、大幅に増えました。ただなあ、やっぱりこれだけ映画館に足を運ぶと、負担もそれなり。2012年はどうしたものか…。