うーん。そうですねえ、まあとりあえず面白いとは思いましたが…。
Facebookそのものを描くのではなく、人間ドラマになっているのは事実ですが、それでも私には、Facebook人気に便乗して作られた作品のように思えました。
変化の早いIT業界で、Facebookが本当に成功したと言えるかどうかを判断するのはまだ時期尚早だと思います。そしてマーク・ザッカーバーグはまだ26歳。普通に考えればこれからの人生の方がはるかに長いわけです。サービスとしても、マークの人生としても、結果が出たとは言えないこのタイミングで、彼の半生を描くことにどれだけの意味があるのかよくわかりません。
しかも、内容はずいぶん脚色が加えられていて、事実とは異なるらしいです。結果として、私がうけた印象は、どちらかというとネガティブなものでした。
映画の中のマークはものすごく偏屈で、本人に悪気はないのかもしれませんが、ある意味デリカシーに欠けるというか、非常識というか、周りに気遣いができないタイプ。私の目には、彼女に嫌われたり親友から訴訟を起こされたりしても当然に思え、決して彼に対して同情や共感の気持ちは湧いてきません。
彼がFacebookを作ったのも、利用者に楽しんでもらえるのが喜びというよりは、利用者の求めるサービスを提供して上手くやった自分を喜んでいるようなニュアンスでした。Facebookというサービスの印象もちょっと悪くなったかも。そんな映画を、このタイミングでよく作ったなあ。
私もFacebookのアカウントを持っているのですが、ユーザビリティ的には気になるところが色々とあって、それと映画のネガティブな印象を勝手に結びつけてしまいます。
登場人物の早口のセリフ。予告編を見て「早いな」とは思っていましたが、英語圏の人にとってはどうなんだろう。私は基本的に字幕頼りなので早口でも関係ないのですが(^^;)、一部、英語が聞き取れたところで、字幕が端折られていることもわかりました。あのセリフを全部字幕にしたら読みきれないのは当然ですが、どれだけ情報量が減った(=内容が薄くなった)か、ちょっと気になるところ。
映画館は、割とお客さんが入っていたと思います。ゴールデングローブ賞をとった影響もあったでしょう。普段映画を見ない人はエンドロールで席を立つ割り合いが多いのですが、今回も多かった気がします。
ところで、この映画はPG12指定らしいのですが、どこがよろしくなかったんだろう。もしかしたらパーティでマリファナか何か吸っている場面があるからかな。しかし、仮にマリファナがなかったとしても、アメリカの若者のあのパーティの雰囲気は、個人的には全然受け付けないなあ。アメリカに生まれなくてよかった(^^;)。