最初、予告編を観たときは、ディズニー的ファンタジー作品かと思ったのですが、アカデミー賞ノミネートなどの情報を知るにつれ、もう少しシリアスな作品だとわかってきました。もともとインド映画好きということもあり、それなら観てみようかと思うに至りました。
実際に観てみると、なんだか不思議な作品ですが、なかなか面白かったと思います。面白さのほとんど全ては、トラと一緒に救命ボートで漂流するという特殊な設定によるものだと思います。
舞台がインドであることはそれほど大きな意味があるようには思いませんでしたが、生死の境をさまよう時、ある種の宗教的な境地に達する人間を表現するには、インドはイメージに合うような気もします。
インド映画ではない、インドを舞台にした映画というと『スラムドッグ$ミリオネア』があります。あれは、警察に捕まった少年が過去の体験を振り返るという形式でストーリーが展開していきますが、なぜか『ライフ・オブ・パイ』も同じ手法が取られています。まあ、偶然の一致なんでしょうが、映画を観ながら「あれ、同じだ」と思いました。
登場するトラは、おそらくCGを多用しているのでしょうが、まったくわかりません。そもそも本物のトラも使っているのか、すべてCGなのかも、区別がつきませんでした。
1点だけ違和感を覚えたのは浮島のシーン。あのくだりだけ、急に空想科学小説みたいになってしまっているのですが、必要だったのかなあ。何が事実なのかは定かではないというところへ持っていきたいという狙いだと思うのですが、個人的にはちょっと微妙でした。
公式サイトはこちら。
http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/