★★★★☆
久しぶりに観た韓国映画。さすが、クオリティは高いですね。
事前に知っていたのは、韓国ではタブー視される財閥の闇を取り上げていること、『踊る大捜査線』を彷彿とさせるコミカルな要素があることですが、いずれも納得。
ただ、韓国の人から見ると財閥のあり方を批判するメッセージが明らかなのかもしれませんが、日本人の私にとっては、言われないとわからなかったと思います。
日本にも企業のトップやその御曹司が悪役として描かれるドラマは多々あり、それと何が違うんだろう?という印象でした。
『踊る大捜査線』のノリとは、本当によく似ていると思いました。警察署内を登場人物と一緒にハンディカメラが移動しながら長回しで撮るような演出も。もしかしたら、直接影響を受けているのかも、と思うほど。
アクションは『ベテラン』の方が派手で、やや暴力的。そして、主人公がそもそもルールを守る気がない感じは、ややリアリティに欠ける気がしますが、韓国ではそうは感じないのかな。
『ベテラン』というタイトルは、どうもイマイチな気がしました。本編のタイトルロゴにもハングルに添える形で英語で小さく"veteran"と書かれていたと思うので、原題も基本的には同じ言葉だと思います。
日本でベテラン刑事というと、定年間近でくたびれたコートを着ていて、何度も現場を見に行き、聞き込みを繰り返して足で情報を稼ぐ、あるいは取り調べで被疑者を優しく諭して泣き落とすようなタイプをイメージします。
でもこの映画の主人公は、日本の刑事ドラマだと新人刑事のような無鉄砲な行動ばかり。役としての年齢設定はわかりませんが、役者さんの年齢は40代のようです。日本と韓国だと『ベテラン』という言葉で思い浮かべる人物像はちょっと違うのかもしれませんね。
細かい役も含めると登場人物が結構いて、見た目上印象に残るような強いキャラクターの役者さんが少ないので、「あれ、この人は誰だっけ?」と思うことが何度かありました。
公式サイトは、こちら。
http://veteran-movie.jp
さて、昨年2015年に観た映画は45本でした。観たいと思う映画をだいたい観て、たまに観そびれた作品もあり、最初は観るつもりがなかったものを急遽観ることにしてみたり…、などとやっていると、私の場合はほぼこのくらいの本数になるようです。星5つをつけた作品はありませんでしたが、星4つがかなりたくさんありました。