★★★★☆
遠藤周作の原作は読んだことあったか全く思い出せませんが、映画を見ても思い当たる節はなかったので、事実上先入観ゼロで映画を観たと言っていいと思います。
なんとも重いテーマで、特に楽しい要素があるわけでもなく、救いもない作品ですが、途中で飽きることなく集中して観られたので、そういう意味でよかったと思います。
ただ、内容が内容なだけに、見る人によって受け止め方はずいぶん違うと思います。
自分は、信仰を持たない(興味がない)日本人という立場なので、登場人物の誰かに感情移入するわけでもなく、一番客観的に傍観できる観客だと思います。
これが外国人だったら、キリスト教徒だったら、布教活動をしている人だったら、と考えると、宗教弾圧、神への冒涜以外の何物でもないこの作品に怒りを覚えたりしないのかと心配になります。
まあでも、これをマーティン・スコセッシが作ったのだから、こんなふうに宗教を取り扱った映画がエンターテインメントとして西欧でも成立するということなのでしょう。
主役の神父は『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドで、最初はちょっと違和感がありましたが、とてもよかったと思います。
日本人キャストでは、やっぱり窪塚洋介くんかなあ。ストーリー上は大変愚かで信念がなくてダメダメなキャラですが、なんだかとても印象に残ります。
加瀬亮さん、小松菜奈さんは、登場シーンも少ないせいか、彼らが演じる必然性があまりないように感じました。
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