2018年5月26日土曜日

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第五章 煉獄篇』

★★★★☆

見応えはあったと思います。

詳しくは触れませんが、デスラーとキーマンの"裏側"が少し見えてきます。デスラーの過去に触れたことは、今後もし続編が作られた場合、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』や『宇宙戦艦ヤマトIII』に相当する作品での彼の行動原理にもうまくつながりますね。

ついでですが、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』から『ヤマトよ永遠に』にかけて、スターシャと古代守の子供サーシャが急激に成長したのはイスカンダル人の特性という無理矢理な設定は、時間断層内で育ったことにするという手が使えますね。
その辺のことも考えたうえでの伏線として設定されているのでしょうか。

そして、土星空域でのガトランティスと地球連邦軍との艦隊戦。双方とも数で勝負という状況なので、戦術的な面白さはあまりなくて、とんでもない数の艦船が整列している様が絵として面白いという印象でした。

第五章は、前半はデスラーとキーマンにまつわるエピソード、後半はガトランティスと地球の艦隊戦ということで、ヤマトクルーも、さらに言えばヤマトそのものも存在感がすごく薄いと思いました。全26話の作品なので、いくつかはそういう回があってもいいと思いますが、一章分の4話全部というのは、あまりいいバランスではないような…。

『〜ヤマト2』と比べると、数話分程度展開が早いようですが、第五章の最後と第六章の予告編を見ても、今後どうなるのかさっぱりわかりません。『さらば〜』とも『〜ヤマト2』とも違う展開があるようです。

白色彗星内の都市帝国は、旧作のデザインを引き継がないのでしょうか。シンプルなのに強烈なインパクトがあるあのデザインは傑作だと思うのですが。


公式サイトは、こちら。
 http://yamato2202.net


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2018年5月12日土曜日

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』

★★★★☆

前作は「激突 ルウム会戦」でしたが、ルウム会戦の一部始終を描いているという印象がなく、自分の中では内容とタイトルがしっくりこない印象でした。
どちらかというと、今作の方がルウム会戦が描かれた作品だと思ってしまいました。とはいえ、今作でTHE ORIGINのアニメ作品は終了ということで、結果的にファーストガンダム以前の、キャスバルがエースパイロットのシャアになるまでを描いたストーリーの最終話となれば「誕生 赤い彗星」というタイトルの方が今作にふさわしいのも確かでしょう。

のちにホワイトベースに乗り組むことになるキャラの顔ぶれがそろい、登場人物の年齢も階級もファーストガンダムの1話につながる状況となって、モビルスーツ戦の描写もガッツリとあるので、とても見応えがあるし、あのお馴染みのガンダムを見ている感覚になりました。

後から前日譚を描いた作品というと、スターウォーズの『ローグ・ワン』が『エピソード4/新たなる希望』の数分前まで描くというあのつなげ方があまりに印象的で、勝手にそんな期待をしてしまいました。
正確なことはわかりませんが、本作はファーストガンダム1話の1週間前ぐらいまで描いていたような感じだったので、それなら数分前まで描いちゃってもよかったかも。

アニメ版のTHE ORIGINはひとまずここまでということですが、まあ区切るとしたらここしかないので、よかったような気がします。ファーストガンダムと同じ時間軸に踏むこんでしまったら、最後までいってくれないと気持ち悪いですし、それをこれまで通りのクオリティで作ると何年かかるかわかりませんし。
とか言いつつ、しばらくしたら続編が作られそうな気もします。

公式サイトは、こちら。
http://www.gundam-the-origin.net



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2018年5月5日土曜日

『レディ・プレイヤー1』

★★★☆☆

それほど観るつもりはなかったのですが、世間的に意外と評判がいいようなので、観てみることにしました。

結果としては、普通に楽しいエンターテインメントだったという印象です。

私ぐらいの世代の日本人には、ガンダムや金田バイクやメカゴジラが登場するという感慨もあるのですが、作品全体からすると、ほんの付け合わせ程度でした。また、どうせ出すならデザインも動き方も忠実に、効果音もオリジナルと同じようにして欲しかったかも。その辺りの扱いが、あまりリスペクトを感じませんでした。
それにしても、権利関係の交渉ってどんな感じだったんだろう?スピルバーグに映画に出られるならと、簡単に差し出すものなのかな。交渉の結果断った日本のキャラもいたんだろうか。

作品で描かれている騒動は、VR(バーチャルリアリティ)空間オアシスを巡る利権争いですが、オアシスは言ってみれば大ヒットしたネットゲームの一つといった程度の位置付けなので、オアシスに興味のない人の生活にはほとんど何の影響もない話です。
そう考えると、この映画はバーチャルリアリティが社会に浸透していった先の具体的なイメージを示してはいますが、VRに対する警鐘といった社会的なメッセージがあるわけではなさそうです。

演出上大変だと思うのは、バーチャル空間でのドタバタと当時にリアル世界でもドタバタが起こっていて、その両方の状況をカットを切り替えながら観客に理解させること。
二人のアバターがバーチャル世界では同じ場所にいても、リアル世界では別々の場所にいたりするので、なかなかややこしいのです。


公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/readyplayerone/