2014年12月31日水曜日

『ゴーン・ガール』

★★★★☆

けっこう前から予告編を目にしていたのですが、その時は全然観るつもりはありませんでしたが、どうも評判がよさそうなので観ることにしました。

妻が失踪し、夫に殺害の疑いの目が向けられるというサスペンスなのは予告編でわかっていたので、最後の最後に予想外の真相が明らかになるという作りだとばかり思っていたら、ちょっと違いました。そういう意味では、謎解きを楽しむ映画とは言えないと思います。

R15ですが、エログロの激しいシーンは予想外に少なく、別の意味でゾッとする作品。
単純でバカな男。陰湿で計算高い女。好き勝手にあおり立てるマスコミ。映画で描かれているストーリーはちょっと極端かもしれませんが、現実にもこのぐらいのことが起こりうるのかもしれないという気がしてしまいました。

奥さん役の女優さん、なかなか魅力的なのですが、あの役柄はコワすぎです。

公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/


さて2014年に観た映画は全部で32本。去年は47本だったので、大幅に減りました。もともと少し減らしたいと思っていたので、まあいいセンだったのではないでしょうか。
星5つつけたのは、おそらく『バルフィ!人生に唄えば』1本。よりによってインド映画。もともとインド映画は嫌いじゃないのですが、まさか唯一の星5つになるとは。

『寄生獣』

★★★☆☆

原作は、こういうマンガがあったことがうっすら知っていたものの、内容はまったく知りません。

もっと荒唐無稽なものを想像していたのですが、設定的には意外とちゃんとしていて楽しめました。
でもミギーのビジュアルは好きじゃないなあ。

役者さんは達者な人ばかりですが、この人も寄生されちゃった人を演じるの?!みたいな驚きもありました。

ストーリー的には、この先の展開を全く知らない私にとっては、今回の作品はぶちまけるだけぶちまけたという印象。登場人物たちの運命しかり、いくつかの謎も残されたままで、次回の完結編でどう終息していくのか想像もつきません。

公式サイトは、こちら。
http://kiseiju.com

2014年12月9日火曜日

『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』

★★★★☆

宇宙戦艦ヤマトについては、小学生から中学生のころどっぷりハマったという思い入れがあるので、あのヤマトが新作として当時よりもはるかに高いアニメーション技術で動いているというだけで、嬉しくなってしまうところがあります。
とはいえ、復活篇や実写版と比べて2199の方がワクワクするのは、やっぱり自分の中の基準として、ヤマトでさえあればいいというわけではないということでしょう。

で、今回の『〜星巡る方舟』。ガトランティスは出てきますが、あくまでもイスカンダルへの旅の1エピソードで、それ以上ではないという印象でした。完全に独立した作品にしては、何というかあまり王道ではないストーリーという印象ですし、そもそも1回も波動砲は使わないので。
で、その王道でない(と私は感じる)ストーリーは、2199のテレビシリーズの中で結構苦手な回に通じるテイストだったので「ああ、そっちに行っちゃったかあ」という感じでした(^^;)。そういう意味では、星3.5ぐらいかも(^^;)。

ガトランティスが登場するくらいだから、公開前には明かされていない設定の中にも、旧シリーズに登場している何かが出てくるのではないかと勝手に期待して観てしまいました。たまたまヤマトがたどり着いた星はもしかしてテレザート?でも『宇宙戦艦ヤマトIII』に出てきた惑星ファンタムみたいな感じもあるなあ??など、色々気になってしまいました。制作側からすると、その辺は狙いなのかも。

ガトランティスのナスカ級とデスバテーターはやっぱりかっこいいなあ。『さらば〜』の白色彗星側のメカデザインは当時の自分にはかなり衝撃的で、昆虫の複眼モチーフや、ライトモスグリーンと白のカラーリングなど、とても斬新だと感じたのをよく覚えています。
「デザイン言語」なんていう概念はまだなかったのだと思いますが、子供ながらに、そういうものを感じ取っていたと思います。

当時からヤマトのプラモデルの大部分はバンダイが作っていたのですが、なぜか野村トーイから出ていたナスカ級(旧作では高速中型空母ナスカ)とアンドロメダのプラモデルを買った記憶があります。
メダルーサは、旧シリーズでは『宇宙戦艦ヤマト2』だけに出てきた艦で、あまり好きではなかったのですが、今回の作品の中ではかなりかっこよくリデザインされていました。

公式サイトは、こちら。
http://yamato2199.net

2014年12月6日土曜日

『インターステラー』

★★★★☆

評判がいいのは知っていましたが、確かによかったと思います。0.5刻みなら星4.5かな。

上映時間は3時間近いのですが、飽きませんでした。
主人公が宇宙へ旅立つのですが、出発するまでの長いこと長いこと(^^;)。しかもそのほとんどが質素な農家の父と娘の交流を描いているので、未来が舞台の話だということを忘れそうになります。

最近のSF作品って、舞台が未来でも、庶民の生活は今とほとんど変わらないという描写をよく見る気がします。
かつて思い浮かべていた21世紀といえば、めくるめく夢のようなハイテクがあふれ、都市の景観も人々の生活も今とは全く違う未来世界でした。でも、実際21世紀になってみると、意外と何も変わっていなかったことを知ってしまった今、映画の世界で描かれる未来は、一見今と何も変わらないものの方が現実味があるのでしょうね。

宇宙に出るころからやっとSFっぽくなってきて、こんどはワームホールやブラックホール、コールドスリープ、スペースコロニー、挙句は重力の制御やら五次元など、難しい設定がてんこ盛り。難しいところへ行きすぎてちょっとスピリチュアルな雰囲気になりかかっているところもあるような…。

宇宙船の描写で、時々完全に無音になるカットがあったり、逆にものすごくBGMが前に出てくることがあったりで、音の使い方が印象的でした。

公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/interstellar/

『天才スピヴェット』

★★★★☆

ジャン=ピエール・ジュネ監督作品。
ひとことで言えば『アメリ』の少年版みたいな感じでしょうか。他の人達とはちょっと違う思考回路を持った天才少年の家出の話。

相変わらず、ちょっとヘンテコリンなところもあり、可笑しさも哀しさもあるのですが、そういったジャン=ピエール・ジュネらしさは割と控え目な印象でした。もっと、これでもかというほどてんこ盛りにしてもらっても、こちらは受け止めるつもりで臨んだので、ちょっと拍子抜け。
もし事前知識がなかったら、ジャン=ピエール・ジュネに影響を受けた別人がそれっぽい作品を作ったのかと思ったかも。

初めて観た彼の作品は『ロスト・チルドレン』というダーク・ファンタジーっぽいSF作品なのですが、本当に画面上のどこをとってもヘンテコリンで、SF映画といえばハリウッド発の冒険活劇しか知らなかった私に強烈な印象を残しました。
この作品や『アメリ』はフランス映画として製作されていて、何となく彼の場合、フランスで作った方が、彼らしさをふんだんに盛り込めているような気がしてしまいます。

『エイリアン4』は、シリーズ物なので当然彼の独自性は出しづらいのですが、それでも彼の作品によく登場するクセの強い俳優さんが登場していたし、『ロスト・チルドレン』的なヘンテコSF設定が垣間見えました。
『天才スピヴェット』はさらに控え目な印象。これはこれでいい作品なのですが、またフランス発のこってりジャン=ピエール・ジュネな作品も観てみたい気がします。

公式サイトは、こちら。
http://spivet.gaga.ne.jp