2018年4月17日火曜日

『リメンバー・ミー』


★★★★☆

前評判通り、よかったと思います。

メキシコを舞台にしたのは、表現的にもストーリー的にも新鮮味が感じられた気がします。

表現的に面白かったのは、ひいおばあちゃんのシワシワの皮膚。顔のつくり自体は、アニメキャラとしてかなりデフォルメされているのに、皮膚はとてもリアルで、なんとも不思議な感じでした。
そして、ミゲルのえくぼ。どうして3Dアニメのキャラクターにえくぼをつけようと思ったのだろうか?3Dデータ化するとき、顔に表情をつけて動かすとき、えくぼがあると難易度が上がるのだろうか?えくぼがなくても、ミゲルというキャラクターの見え方はさほど変わらなかったのではないかと思えてしまうのですが、作っている人たちは結果に満足しているのだろうか?

例によって『リメンバー・ミー』は邦題で、原題は『Coco』。シワシワのひいおばあちゃんの名前です。何世代もの家族を描いた作品で、主人公はミゲルなのに、あのひいおばあちゃんの名前をタイトルにしてあるのは、なかなか深いと思います。しかもこの深さは言語に依存しないのに、どうしてタイトル変えたがるのだろう(^^;)?

ピクサー映画といえば、同時上映の短編も楽しみの一つなのですが、今回はディズニー・スタジオ制作のアナ雪の続編。これも日本だけの売り方かと思ったら、アメリカでも同じだったようです。
確かに最近ピクサーとディズニーの作品の差は感じなくなりましたが、こういう混ぜ方はどうなんでしょう?

最初のアナ雪のヒットの影響でしょうが、最近のアメリカ産アニメは歌重視の傾向がありますね。今回も『リメンバー・ミー』、同時上映のアナ雪ともに歌のオンパレード。もはやインド映画を笑えませんね(^^;)。
まあ別に悪くはないのですが、流行りの取り入れ方がちょっと露骨すぎる気が…。


公式サイトは、こちら。
https://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html

2018年4月9日月曜日

『ダンガル きっと、つよくなる』

★★★★☆

話題のインド映画。
元レスリングのインド代表が、娘たちを超スパルタで鍛え上げるストーリー。
私の世代の日本人にわかりやすくいうと、インドのレスリング界を舞台にした『巨人の星』のような話。

一応実話に基づいているようですが、映画の最初に「父親と2人の娘以外は脚色」というような表記がありました。

インド映画ではおなじみのダンスシーンはありません。歌はいくつかありました。
上映時間もインド映画としてはそれほど長くありません(日本で上映されるのは短縮版かもしれませんが)。
そんなわけで、インド映画らしさはあるものの、かなり普通の感動作でした。とても良くできていると思いましたが、日本には本当にたくさんのスポ根作品があるので、それらと比べて突出しているというほどではない気がしました。
そもそもインドに「スポ根」というジャンルはあるのしょうかね??そういうタイプのドラマがこれまでインドにはなかったから大ウケしたということはないでしょうか?

女子レスリングが扱われており、自分のやり方を押し付けるインド代表のコーチが登場したり、インドにおける女性の地位の低さなどの社会問題にも触れられており、どこかで聞いたようなテーマが含まれています。

主役のアーミル・カーンは、日本でも上映された様々な作品でも主演を務めるスターです。基本、めちゃめちゃマッチョな肉体の役を演じることが多いですが、今回はレスリング選手の現役引退後ということで、かなり太ってだらしない体に肉体改造したそうです。
最近、役作りのための肉体改造が役者としての評価を高める傾向がありますが、あれって医学的に見て問題ないのでしょうか。私は、役者の行きすぎた肉体改造には疑問を持っています。

公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/dangal/

2018年4月8日日曜日

『ちはやふる -結び-』

★★★★☆

広瀬すずに甘いと言われてしまうかもしれませんが(^^;)、前作『ちはやふる -下の句-』よりはよかったと思います。

1作目の『ちはやふる -上の句-』は、寄せ集めの競技かるた部が徐々にまとまっていって東京都大会で優勝するまでの話で、単純明快。この作品は競技かるたを舞台にした青春スポ根モノなので、このくらいわかりやすい展開の方がいい気がします。

2作目の『〜 -下の句-』は全国大会へ進むのですが、団体戦とクイーン戦の両方を描いていたり、幼馴染の新(あらた)くんが、活躍するでもなく、単なる脇役でもなく、中途半端な感じだったりして、やや明快さに欠ける印象でした。

今回の『〜 -結び-』では、クイーン戦は描かず全国大会の団体戦のみで、競技かるたに復帰した新くんとの直接対決もあるので、スポ根モノとしてのクライマックスがはっきりしていました(逆に言うと、クイーン戦がないので、現クイーンの若宮詩暢はあまり活躍の場がない印象でした)。
あとは、後輩を引っ張っていく先輩としての苦悩も描かれており、これもスポ根っぽくてよかったと思います。

広瀬すずさんは、様々な作品に出まくって新鮮味がなくなってきたのではないかと思いきや、キラキラした女子高生を演じきっていました、。

また、『君の名は。』を経験した上白石萌音さんや、大河ドラマ『おんな城主 直虎』を経験した矢本悠馬くんなど、「みんな、すっかり立派になって」という親戚のおじさんのような気分になりました(^^;)。

映画の『ちはやふる』は今回の3作品目で完結ということのようですが、完結というには描かれていないことも多く、原作の漫画はまだ進行中ということもあるので、続編があってもいいような気がしますが、どうなんでしょう??


公式サイトは、こちら。
http://chihayafuru-movie.com/#/boards/musubi