2017年3月27日月曜日

『サバイバルファミリー』

★★★☆☆

矢口史靖監督作品。
矢口作品は、割とゆるい雰囲気とほの可笑しい笑いが特徴だと思っています。今作も矢口作品らしさは感じましたが、若干毛色が違う気もしました。

実際の緊急時に活かせそうなノウハウなどもチョコチョコと織り込んで、割とドキュメンタリーっぽい印象。車のバッテリー補充液が精製水で、飲もうと思えば飲めるなんて全く知りませんでした。

本作に登場する鈴木家は、サバイバルファミリーとしてはかなりヘナチョコで、体力もないし忍耐力もないし、サバイバルの知識もありません。にもかかわらず、謙虚に人に頼ったり他の家族と力を合わせたりすることもしないので、観ている側としてはかなり歯がゆいし、必ずしも共感できません。
反面教師的な描き方なのはわかるのですが、サバイバルを学ぶにはもう少しうまくやってくれてもいい気がしました。

事件発生前のお父さんの仕事、長男の恋愛、長女の友達との関係などは、その後どうなったのか結局最後まで回収されなかったと思います。
突然電気がなくなった原因の説明は、まああんな感じかな。バッテリーや都市ガスまで使えなくなる設定は、よりサバイバルの条件を厳しくするための都合のでしょうが、さすがに科学的な理由づけが難しいので、あまりそこは追求しない感じになっていました。矢口作品なので、私はなんとなく受け入れてしまいました。

公式サイトは、こちら。
http://www.survivalfamily.jp

『モアナと伝説の海』

★★★☆☆

自分を信じて、仲間と力を合わせて頑張れば必ずうまくいく、というのは、多くの大人たちが子供に伝えたい普遍的なメッセージなのかもしれません。
ただ、同じテーマで作品を作り続けていくとどうしても同じような展開の物語になってしまい、それでも作品ごとの個性を出すためには、舞台を変え、キャラクターを変え、その他細かい味付けを変えるぐらいしか手がなくなってきます。

『モアナと伝説の海』自体はとてもいい作品だと思いますし、アニメーションのクオリティも高く、音楽も魅力的。ただ、ストーリー展開としては、どうしてもどこかで観たような感じがしてしまいました。
この作品を素直に楽しむためには、いかに真っ白な気持ちで観るかが大事かもしれません。

マウイのキャラクターは、筋骨隆々の固太り体型をさらにアニメ的にデフォルメしているので、丸々とした造形になっています。CGアニメーション技術的に、動かすのが難しそう(例えば手足を大きく動かそうとすると胴体にめり込むことになるなど)な気がしますが、激しいアクションも全く自然に見えました。

テレビのインタビューで、この作品の監督が宮崎駿をリスペクトしているようなことを言っていました。作中に出てくるモンスター(?)がちょっと巨神兵っぽかったのは、意識しているのかな。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/moana.html

2017年3月26日日曜日

『彼らが本気で編むときは、』

★★★★☆

荻上直子監督作品というと『かもめ食堂』と『レンタネコ』を観ています。
割とのほほんとした空気で、登場人物の日常を淡々と描き、特に劇的な事件が起こるわけでもないのですが、なんとなくほっこりする作品を作る監督という印象です。

本作は、生田斗真君演じるトランスジェンダーが登場します。こういう作品は大抵本人が激しく苦悩し、周りを巻き込んで大騒動が起こるか、社会問題的に非常に重く描くというのがよくあるパターン。
荻上監督がいかにトランスジェンダーを淡々と描いているのかが、私の興味でした。

実際に観てみると、荻上作品らしいのほほんとして淡々としてほっこりする感じはあったものの、それなりに事件は起こり、それなりに苦悩する姿が描かれていて、社会的メッセージも感じる作品でした。
ただ、生田君演じるリンコはすでに迷いの時期を超え、自分の生き方を決めており、作品の最初から最後まで一貫してその姿勢は変わりません。
どちらかというと、そのリンコを見て周りの人たちが変化していく様子を描いています。

荻上監督なら、トランスジェンダーを本当に単なる日常の一部のように描くのかと思いましたが、一応まだ(?)トランスジェンダーという存在を問う作りになっていました。

生田斗真君は、とても頑張っていたと思いますが、どうしても男性が無理して女性を演じているような違和感がありました。ただ、体が男で心が女というのはそういうことなのでしょうから、これで違和感を感じるようならお前はまだまだだと試されているのかもしれません。

トモを演じた子役の柿原りんかさんは、とても複雑な感情を見事に演じていて素晴らしかったと思います。


公式サイトは、こちら。
http://kareamu.com

2017年3月20日月曜日

『ラ・ラ・ランド』

★★★☆☆

『セッション』と同じ監督の作品で、アカデミー賞のノミネート数でも話題になっていたので観に行きました。

ただ、私はミュージカル作品は苦手。半分は、自分自身がどう感じるかを試すようなつもりでした。案の定…

音楽は割とよかったと思いますが、やはり普通の芝居のモードから歌のモードへ移行する際の違和感は感じました。
一旦音楽を忘れてストーリーだけを考えてみると、かなりありふれたラブストーリー。正直言って物足りませんが、複雑で込み入った話にしてしまうと話の展開を追いかける方に気を取られて音楽が楽しめなくなるので、あえてシンプルにしてあるのかも。

歌と踊りにほとんど興味がない自分としては、この作品はどうしても能天気すぎる気がしてしまいますが、今の時代現実の方が複雑で先が見えないだけに、こういったわかりやすさ、痛快さが求められているのかもしれません。

それにしても、デイミアン・チャゼル監督はまだ若いのに、2作続けて音楽ものをヒットさせて、次がやりづらくならないのでしょうか。

公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/lalaland/

2017年3月4日土曜日

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第一章 嚆矢篇』

★★★★☆

『宇宙戦艦ヤマト2199』もそうですが、子供のころ本当に夢中になった作品なので、冷静な評価は無理です(^^;)。

おそらく『〜2202』は、『さらば〜』の要素、『〜2』の要素、新たな要素が混ざったような作品になるのだと思いますが、第一章は『〜2』の要素はあまり感じられなかった気がします。
個人的に『〜2』はあまり好きではありません。一番は絵のクオリティが納得できないのですが、『さらば〜』のストーリーをベースに26話分にしているので、全体的に間延びした印象で、緩いというか甘いというかスキがある感じがするのです。
『〜2202』の第一章は、新たな要素として地球とガミラスの微妙な和平関係や、地球の軍拡路線など緊張感があって、なかなかよかったと思います。この緊張感を26話貫いてくれれば、期待できるような気がします。

現時点での疑問とか希望とか。
第一章にはまだ土方さんが出てきませんでしたが、『さらば〜』を踏襲してヤマトの艦長になるのでしょうか?
ガミラスと和平条約を結んで大使を置くような関係だとすると、イスカンダルとも継続的な関係が続いていて然るべきですが、『〜2202』のストーリーにイスカンダルは絡んでくるのでしょうか?
第一章でわざわざ森雪の記憶喪失に触れたということは、今後何か意味を持ってくるのでしょうか?
結末は、さらなる続編の可能性を残すためにも、主要キャストが生き残る『〜2』を踏襲するものと勝手に思っています。そんな中、旧作では『〜2』で加藤三郎が死亡して『〜永遠に』で弟の加藤四郎が登場するというのはかなりイケてない演出。『〜2202』では加藤三郎が生き残ることにしておいた方がいいのではないかと思っています。…が、加藤家はもっと別の深刻な問題を抱えていましたね。

そういえば、エンドロールで「原画」のところに「湖川友謙」の名前を見つけました。感動。

公式サイトは、こちら。
http://www.yamato2202.net