2011年9月27日火曜日

『モテキ』

★★★☆☆

 原作のマンガもテレビドラマも見ていません。

 んー、まあある程度は予想していたのですが、特にこれといって深い意味が込められた作品ではないですね。普通のドタバタ恋愛もの。

 "モテキ"というキーワードがどんな風に作品を新鮮に感じさせてくれるかがポイントだと思うのですが、あまり関係なかったかも。
 事前に見聞きした情報では、突然"モテキ"をむかえた主人公が4人の女性にモテまくって翻弄されるという話だと理解していたのですが、実際は、一貫して森山未來演じる主人公と長澤まさみ演じる女の子の関係が描かれていました。他の女性との関係は、主人公が優柔不断だからであって、"モテキ"だからではないように、私の目には映りました。

 主人公の性格は、確かにこういう人がいるのかもしれないし、最近増えているのかもしれないけど、ちょっと演出が極端だと思いました。極端と言えば、突然ミュージカル仕立てになってキャストが歌って踊りだしたり、カラオケビデオのように挿入かの歌詞が表示されたりと、ヘンテコな演出もけっこうあって、あえてやっているということはよくわかりました。

 そんな中、長澤まさみがとても魅力的でした。主人公の性格には共感できないけど、主人公がこの娘にほれるのは共感できるかも。
 あとは、リリー・フランキーも存在感があったなあ。

2011年9月21日水曜日

『アンフェア the answer』

★★★☆☆ 

テレビシリーズは見ておらず、映画の1作目はテレビで見ました。なので、予備知識はそれほどない状態でした。

 けっこうコワイ作品でした。映画の1作目は、どちらかというとダイハード的なアクションものでしたが、本作は猟奇殺人モノ。残虐な犯人像の描き方が、典型的なんだけどけっこうエグいです。

 篠原涼子演じる雪平は、前作の勝手な印象では、肉体派で勇敢かつ冷静でスキのないキャラなのかと思っていたのですが、本作では割と無鉄砲で犯人に怯える弱い人間。自らの無茶な行動で自分を危険にさらしている感じもするので、微妙にかっこよくない気もしました。

 誰がアンフェアなのか?という謎は明らかになるのですが、あまり驚きはありませんでした。というのは、あまりにも怪しい人が多すぎるので、どんな可能性もありうると考えてしまったからだと思います。

 でもまあ、なかなか楽しめた作品だと思います。

2011年9月17日土曜日

『探偵はBARにいる』

★★★★☆

北海道札幌はすすきのを舞台にした、大泉洋扮する探偵の物語。思ったよりもハードボイルドで、とはいっても大泉洋なのでかなり3枚目でおちゃらけていて、なかなかよかったと思います。

これってたぶん、松田優作の『探偵物語』のカッコ悪いけどカッコいい的な雰囲気に近いんだろうなあ。
と思ったら、息子の松田龍平が出演しているのは偶然?彼が主役の探偵役をやった方がもっと話題になったのかも。いやいや、でも大泉洋の探偵役が非常によかったからなあ。

当初、この作品は見るつもりがなかったのですが、映画のランキングで上位に食い込んでいて、しかも大泉洋の地元北海道では絶大な人気という話を聞いて、急に見てみたくなりまいた。
まるっきり期待していなかったのに思いのほか面白かったので、この落差も踏まえて★4つです。期待していなかったのも大泉洋、期待を超えたのも大泉洋ということで、この★は彼に贈ります。


『ライフ いのちをつなぐ物語』

★★★★☆ 

BBC制作のネイチャードキュメンタリーといえば、私が最初に映画館で見たのは『ディープ・ブルー』ですが、それ以来ちょくちょく新作が公開されていて、"ジブリ映画""ピクサー作品"などと同様、一つのジャンルとして確立したように思います。

 個人的には、この手のドキュメンタリーは大好きで、作品として代わり映えのしないものであっても飽きずに見ることができてしまいます。だからどうしても点数が甘くなります。 

この作品自体は、世界中の何種類かの動植物を取り上げて、その姿や生態を素晴らしい撮影技術で克明に映し出した映像をつなげただけで、相互の強い関連性や全体を貫くストーリー性はあまり感じませんでした。

 一応、"いのちをつなぐ"というのがテーマなのでしょうが、全ての生物はいのちをつなぐからなあ(^^;)、ちょっと漠然とし過ぎ。
冒頭と最後に日本語の文字だけのシーンが入っていたけど、あれはオリジナル版でも英語の文字が入っているのか、日本での上映にあたって付け足したものか?なんというか「いのちを大切にしよう」的な、やけに文科省的な押し付けがましい言葉で、「それ、直接言っちゃってどうする?!」とツッコミたくなりました。ナレーションも、ちょっとそういう傾向があったなあ。

 松本幸四郎と松たか子のナレーションも、全然悪くないのですが、このキャスティングである必然性は特にないような気がしました。

 …と、これだけネガティブな意見を書いておきながら★4つ。それはやっぱり、地球上の動植物の映像の圧倒的な迫力に、ネイチャードキュメンタリー好きの私が充分満足したからです。