2016年5月30日月曜日

『更年奇的な彼女』

★★★☆☆

『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督作品。
私は『猟奇的〜』が好きなので、同じテイストの『僕の彼女を紹介します』『僕の彼女はサイボーグ』も観ています。

一応『猟奇的〜』『〜サイボーグ』と今回の『更年奇的〜』が、登場人物もストーリーも何のつながりもないのですが、三部作という位置づけで、それぞれ韓国、日本、中国で作られたものです。

共通点は、凶暴でわがままな女性と、そんな彼女をひたすら受け入れる男性のラブストーリーで、そういう意味ではどれも同じようなパターンだと言えます。

そうなると、三作目は別に質が落ちているわけでもないと思うのですが、どうしてもインパクトが弱くなってしまいますね。

映画館での上映は全て日本語吹き替え版で、ヒロイン役は藤原紀香さん。うーん、思ったよりはよかったけど、でもかなり声に藤原紀香が出てきちゃっていたので…。

公式サイトは、こちら。
http://kounenki-girl.jp



『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起』

★★★★☆

原作は、ディテールまでは覚えていないので、リノという映画オリジナルのキャラクターに関しては、何となく原作と違うなあと感じる程度で、おおよその印象としては原作通り。

開戦の機運が高まっていく民衆の空気感とか、若い軍人(本作では士官学校の学生)の暴走とか、現実の歴史でもこんな感じだったのかと、ちょっと重い気分になります。
ファースト・ガンダムのような、"難しいことがわからない子供にとっては単なるロボットアニメ"という作りではなく、完全に大人がターゲットの作品。

エドワウとシャアの入れ替わりのエピソードは、後で困りますね。セイラは、ファーストのストーリーに入る以前からシャア・アズナブルという兄とそっくりの人物を知っていたことになるので。『〜 THE ORIGIN』のアニメ作品はそこまで作り続けるのかわかりませんが、その辺の矛盾を解決するようにまた手を加えるのかな。

次回作ではララアが登場しますが、声は誰がやるんでしょうね。オリジナルの潘恵子さん?娘さんの潘めぐみさんはセイラ役だし。


公式サイトは、こちら。
http://www.gundam-the-origin.net


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2016年5月18日水曜日

『殿、利息でござる!』

★★★☆☆

時代劇コメディといった雰囲気なので、感動大作ではないかもしれませんが、なかなか味わいのある作品で、嫌いじゃありません。

原作は読んでいませんが『武士の家計簿』と同じ作者ということで、それだけで観たくなりました。
時の権力者たちを描いた歴史大河ドラマでもなく、『水戸黄門』のようなフィクションエンターテインメント時代劇でもない、史実に基づいた歴史の片隅の小さなストーリー系とでも言えばいいでしょうか。私にとっては、『武士の家計簿』『武士の献立』あたりが同じカテゴリーになります。

達者な役者さんばかりで、見ていて安心感がありました。瑛太くんは大河ドラマ『篤姫』の小松帯刀、妻夫木聡くんはその翌年の『天地人』で直江兼続を演じていたので、この二人が時代劇で共演していると、なんだか妙な感覚になります。

羽生結弦くんは、以外とちゃんと演技していましたが、やっぱりちょっとビジュアル的にお殿様という感じではない気がしました。
映画を観に来ていたお客さんの中には、羽生くんを見に来たのではないかと思われるおばさまの一団がいました(^^;)。


公式サイトは、こちら。
http://tono-gozaru.jp





2016年5月14日土曜日

『ちはやふる -下の句-』

★★★☆☆

高校の競技かるた部を舞台にした、青春スポ根モノという雰囲気は前作から変わりないのですが、なぜか上の句よりパワーが若干落ちたような印象を受けました。

下の句は基本的に全国大会へ向けての準備と大会自体の様子が描かれているのですが、最強のライバルの登場が意外と遅くて、全体の軸が少し見えづらい気がしました。

また、仲間内での意見の対立や、幼いころのなかよし3人組の微妙な関係の変化など、この手の作品にはよくあるエピソードなのですが、時間的に長かったのか、ストーリー展開的に停滞感があったのか、少し退屈に感じてしまいました。観る側がおじさんだったからかもしれませんが(^^;)。

全国大会では、団体戦や個人戦でのチームメンバーの勝敗結果が明確に示されず、そこを描きたいわけではないのだとは思うのですが、ちょっと気になってしまいました。
主人公とライバルとの対戦では、前半に仲間が戦術を考えてくれたという伏線を拾ってなかったり、ちょっと描ききれていない印象でした。

続編に期待。


公式サイトは、こちら。
http://chihayafuru-movie.com

『64 -ロクヨン- 前編』

★★★☆☆

ストーリー展開としては、前編だけだとあまり進展がなかったような気がしました。ざっくり言ってしまうと、昭和64年の事件のあらましと、平成14年現在の状況、各登場人物の紹介で終わったしまったような。最後に後編へつながる大きな動きがあっただけ。事件の解決も、登場人物の心理的な決着も全部後編に持ち越しという作りだったのでびっくりしました。

なんとなく、2部に分けずに作れなかったのかという疑問が浮かびましたが、後編への伏線として、どのエピソードも必要不可欠のような気もします。原作を読んでいないので、その辺りさっぱりわかりません。

ストーリーの展開がない割に、日本映画界のオールスターキャストみたいな超豪華俳優陣の演技は見応えがあり、途中でダレる感じはありませんでした。

エンディングで流れる小田和正さんの主題歌は、本編の骨太感とは異質の清らかさですが、これはこれで悪くないと思いました。個人的には骨太なまま終わるのもありだと思いましたが。
ところでこの主題歌、CD版とはBメロ部分(?)のボーカルのメロディがちょっと違っていたと思います。たぶん、映画用の音源を納品した後CD用に手直ししたのでしょう。ということは、後編の主題歌はどちらのバージョンが使われるのか?後編に対して、変な楽しみができました。

公式サイトは、こちら。
http://64-movie.jp







2016年5月3日火曜日

『ズートピア』

★★★★☆

前評判がとてもよくて、大人が観ても考えさせられるという話だったので観に行きました。

最近のディズニーフルCG作品では、『アナと雪の女王』は「Let It Go」が歌としてよかったけどストーリーは割と普通、『ベイマックス』は予想と違うヒーローものということで、個人的には必ずしもそれほど満足ではありませんでした。
でも『ズートピア』はすごくよかったと思います。

現在のディズニーのフルCGアニメは、ディズニー・スタジオとピクサー・スタジオが切磋琢磨している状況だと思います。『ズートピア』の絵は、私の先入観かもしれませんが、ピクサーとはちょっと傾向が違う気がします。ただ、ストーリーに関しては遜色がなく、歴代ピクサー作品と比較しても相当いい方だと思います。

前評判通り、多様性を受け入れた社会を作るのはそう簡単ではないということが描かれていて、現代社会とも重なります。

いつも通りレイトショーで観たのですが、上映開始時刻が21:40。ゴールデンウィーク中とはいえ、子どもが観る時間帯ではないですね。この辺もかなり大人を意識しているのかも。

ナマケモノが笑えました。

続編ありそう。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/zootopia.html