2011年11月27日日曜日

『エンディングノート』

★★★★★

会社を定年退職した男性が、がんの告知を受けてから亡くなるまでの様子を実の娘が撮影し続けたドキュメンタリー。この男性、自分が死ぬまでの段取りをノートにまとめ、実行していきます。

特に映像も音声もキレイではないし、劇的な出来事があるわけでもなく淡々と話が進んでいくのですが、ホンモノはすごいですね。ツクリモノにはないパワーがあります。

死を真正面からテーマにした作品なので、普通に描くとものすごく湿っぽく陰鬱になってしまいます。でもそこは、男性やその家族の陽気さや、近い将来の死をあっさりと受け入れるポジティブさ、自分の死に対してサラリーマン時代と同様に段取りにこだわる男性のちょっとヘンテコな発想などが、ずいぶん雰囲気を和らげていますし、そういう風に演出されています。
最後は泣けます。でも、生前のシミュレーション通りとはいかなかったかもしれませんが、ある意味とても幸せな死に方ができたのではないでしょうか。

それにしても、自分の父親を撮り続けてこの映画を作ったこの作品の監督さんは、いつから父親の死を題材にしようと思っていたんだろう。
映画の中では、がん告知以前の映像も出てくるので、どうやら彼女は以前から自分の家族の映像を取り続けていたようです。ということは、最初は死をテーマにするつもりではなかったのかも。がん告知があり、死までの段取りを作り始めたあたりで死をテーマにすることを思いついたのかな。でも、思いついても本当に作品にするには勇気がいりそう。ちゃんと作品を完成させ、世に送り出した監督に拍手。

公式サイトは、こちら。
http://www.ending-note.com/



『コンテイジョン』

★★★☆☆

未知のウィルス感染モノ。もはや、ひとつのジャンルを形成していますね。

当然のことながら、感染拡大を食い止めることが目的なのですが、スーパードクターが登場するわけでもなく、画期的な治療法が登場するわけでもありません。もし本当に新型ウィルスが広まったとしたら、きっとこうなるだろうという出来事をドキュメンタリーのように描いています。
新型インフルエンザのとき、実際に似たようなことがあったわけですが、それをもうちょっと極端にした感じ。ワクチン接種の順番が問題となるところは、あの時と同じ。食料や水、電池の買い占めの描写は震災を彷彿とさせます。つまり、とてもリアルということです。
一応エンターテインメントですが、シミュレーション映画といってもいいかもしれません。

公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/contagion/index.html








2011年11月20日日曜日

聖光学院23期同窓会(2011年11月19日)

2011年11月19日、聖光学院23期の同窓会が、同校で行われました。facebookと重複しますが、画像をブログにもアップしておきます。

まずは山手駅。私が中学に通い始めたころは、駅長さんの方針だったか、広告を一切掲示しないという特徴を持った駅でした。今は普通に広告が貼ってあります。そりゃあ、広告収入も重要でしょうから…。




参加者の写真は誰かが撮るだろうから、自分は、駅から学校までの通学路や校舎の様子を撮ろうと思っていたのですが、思わぬ雨と風で思い切りやる気が失せ、とにかく学校に一直線。屋根のあるところに逃げ込みました。なので、写真はなし。
通学路は、色々と変化はありましたが、雰囲気はあのころのままでした。

聖光の校舎どころか、敷地に入るのはたぶん20年ぶりぐらい。不思議な感覚でした。

以下、少し校舎の中をうろうろして撮った写真です。

まずは生物室。もちろん生物の授業でも使いましたが、生物部だった私にとっては部室。名前は生物実験室となっていました。場所は当時と変わらず、校舎の最上階の一番北側。ちなみに、生物室の向かい側は美術室だったはずですが、今はパソコンが並んだ部屋になっていました。




聖光の教室の机は、椅子とくっついた不思議なデザイン。こんな作りのものを他では見たことがありません。特注なのかなあ。
私の記憶が正しければ、私の在校中、一体型の机は古くて重いタイプと、新しくて軽いタイプがありました。そして今日見たものは、そのどちらとも違うタイプ。ということは、私が卒業した後に新調したということになります。
正直、机と椅子がくっついていて嬉しいことは特にないので、新調するなら机と椅子が分離したものにすればよかったのに。学校として、何かこだわりがあるんだろうか??




小沢先生に引率されて、学内ツアーを実施。聖光の校舎は、講堂や体育館辺りの構造が複雑で、どんなふうだったのか思い出せませんでした。ここは、そんな複雑エリアの一画にある階段教室。階段教室は、当時とほとんど変わっていないと思います。この隣には以前LL教室があったのですが、ちょっとのぞいた感じだと、特別なシステムが入っている様子はなく、普通の大教室になってしまったようでした。




現在、聖光学院は、数年がかりの大規模な改修工事を実施中です。もちろん授業などを実施しながらの工事なので、校舎の一部を取り壊しては新しい建物を建て、また一部を壊して建て、と繰り返していくそうです。今回学内ツアーで回った場所が取り壊されるのも時間の問題です。その前にもう一度見ることができたのでよかったと思います。



二次会は、伊勢佐木町のタイ料理屋さん。まあこんな雰囲気でした。





カラオケを歌っているのは、この店の店員さん。どうやら、丸ちゃんが歌わせたらしい。




ということで、参加したみなさん、お疲れさまでした。またいつか会いましょう。



おまけ。同期会のために私がデザインしたロゴマーク。聖光関係者以外には、まったく面白くないと思いますが、卒業生に対しては、かなり強いインパクトがあるはず。我ながらいい出来だと思います。


2011年11月16日水曜日

『ミッション:8ミニッツ』

★★★★☆

星4つは、ちょっと甘いかなあ。でも、こういう作品はけっこう好きです。

サイコ・ダイビングというのかな、人の意識に入り込むというSF的アイデアは以前からあるのですが、最近では『インセプション』がありました。
同じ場面を、時間軸を巻き戻して何度も見せるという手法は、『バンテージ・ポイント』という映画で見たことがあります。
『ミッション:8ミニッツ』のアイデアは、両者を合わせた感じです。

ストーリー全体としては、犯人探しと、主人公自身の身の上にいったい何が起こっているのか?という謎解きがあるのですが、まあ両方とも想定の範囲内ではありました。
そして、割とカッチリとしたSF設定に乗っ取って話が進むのかと思ったら、最後はちょっとファンタジックになっちゃったりします。
この辺りが、星4つは甘いような気がする理由です。

上映時間は2時間足らずで、制作費も割と安そうな作品ですが、このクラスの映画こそアイデアで頑張ってほしいというエールをも込めて、やっぱり星4つで。

公式サイトは、こちら。
http://disney-studio.jp/movies/mission8/









2011年11月14日月曜日

『一命』

★★★☆☆

この作品、2時間ちょいなんですが、あらすじをかいつまんで説明すると、おそらく5分で終わります。悪く言うとイベントが少ない、よく言うと、それだけゆったりと話が進むというか、丁寧にしつこく描いているというか、そんな映画でした。

市川海老蔵の演技は、よくも悪くも印象的でした。やっぱり目力はすごいですね。ただ、どこか歌舞伎の見得のようで、ナチュラルな芝居の中ではやや不自然に感じました。語り口もまた然り。わざとらしい発声と言い回しに思えました。まあ、その不自然さが、何を考えているのかわからない役柄とあっていたようにも思えます。

大名屋敷のインテリアがまた、あまりナチュラルではないデザインでした。なんというか、ハリウッド映画に出てくる日本家屋みたいな雰囲気。ああいうデザインのものが実際にあったのかなあ。

まあそんなわけで、作り手側は決して手を抜いているわけではないと思うのですが、私の好みにはあまり合わない作品でした。







2011年11月12日土曜日

『マネーボール』

★★★☆☆

 最初から最後まで入り込んで見られたし、役者の芝居も素晴らしかったので、星4つでもいいかもしれませんが、いくつか気になる点があったので星3つにしてみました。

 私は、既存の常識にとらわれず新しい考え方を導入して成功していく、イノベーション的なストーリーには感動しやすい傾向があります。
 でもこの作品では、その新しい考え方についての説明がかなり端折られていて、球団のGM(ジェネラル・マネージャー)がその考え方を導入することを決めてからの、周りとの確執を中心に描いています。
 私にとっては、もう少しその理屈を教えてもらわないと共感しづらいと思いました。

 この作品の主役は、もちろんブラッド・ピット演じるGMのビリーで、彼が球団改革を推進した当事者なのですが、実際に新しい考え方「マネーボール理論」に基づいた分析を行っていたのはピーターという人物です。
 もしこの人を主役としてストーリーを構成していたらだいぶ違うイメージの作品になっていたと思います。私としては、その方が好みの作品になったような気がします。

 実在の人物の、現在進行中の取り組みが映画化されるというと、facebookについて描いた「ソーシャル・ネットワーク」があります。映画の最後に、その人物の現在の状況を字幕やナレーションで説明するという処理方法も共通。でも、こういうタイミングで映画化するのが本当にいいことなのか疑問を感じます。数年後に映画を見たら、もしかしたら全然見当違いの話になってしまうかもしれないのに…。

 まあともかく、よくまとまったいい作品だと思います。

2011年11月5日土曜日

『ステキな金縛り』

★★★★☆

 大きな話の流れは予想の範囲内でした。『THE有頂天ホテル』のように、入り乱れたエピソードが、最後にジグソーパズルのピースがピタリとはまるように収束する、という展開が好きな私としては、ちょっと物足りなさも感じました。
 でも、その中で一つ一つのシーンや台詞は面白く楽しいものでした。
 この手のコメディ映画は三谷作品ぐらいしかないので、やはり真骨頂だと思います。

 深津絵里。とっくにわかっているけど、あらためて本当に何でもできる人だなあ。
 西田敏行。大河ドラマとかで、本格的な時代劇をやってきただけに、ビシッと演じるところはビシッとしていて、だからこそ、ヌケた演技が最高に面白く感じられます。絶妙な間とかアドリブとかが舞台作品のようで、もう一度映画を観に行ったら違う台詞を言うんじゃないかという雰囲気です。

 上記の二人については、映画を見る前から期待できることはわかっていたのですが、予想外だったのは中井貴一。予告編などでは、カタブツの検事役であることしかわからなかったのですが、そのイメージが崩れる部分があって、そのギャップがとても笑えます。

 三谷作品には、たぶん色々な小ネタがちりばめられているのでしょうが、一つ私が発見したものが。深津絵里演じるエミが、容疑者が金縛りにあっていた旅館に行くときに乗ったバスのナンバープレート。めちゃめちゃベタな語呂合わせになっていました。

 ところで、この作品の英題は『A GHOST OF A CHANCE』らしいですね。邦題とは全然違いますね。そもそも「金縛り」って、英語でどう言うんだろう??