2013年11月17日日曜日

『スティーブ・ジョブズ I』『スティーブ・ジョブズ II』(書籍)

書籍が発売されてすぐに購入し、Kindleが電子書籍の販売を日本で始めたときには電子書籍版も買ったのですが、読み始めて少しのところでストップしたままずっと放置してありました。

最近になって、特にきっかけがあったわけでもないのですが、一気に最後まで読み進めることができました。

私が初めてMacintoshを使ったのは、おそらく1989年、大学3年の授業でExcelを使った時だと思います。機種はSEかな。その後、1990年の終わりに自分でSE/30を購入しました。

このころの私のスタンスは、みんながMacはいいというからきっといいんだろうなあ、という程度で、その裏側にどんな物語があったのかまったく知りませんでした。JobsはもうAppleを追い出されたあとだったので、詳しい人から"かつてAppleにいてMacを作った人物"として色々と話しを聞かされました。でも、プログラマーでもエンジニアでもないけどカリスマでプレゼンがすごくてといった断片的な説明では、なかなかその人物像も偉業もイメージできませんでした。

それでもMac関連の雑誌や書籍、その他Jobsにまつわる情報に少しずつ触れ、大学のある研究室にはApple IIが置いてあるという環境で、いつしか、Appleの草創期から会社を追われるぐらいまでのJobsについてはそれなりに詳しくなっていきました。このころのエピソードについては、本書で再確認でき、さらに詳細な情報を知ることができました

Apple設立以前のJobsについては、本書で初めて知ったことが多数ありました。インドを放浪していたことは本を読む前から知っていたのですが、それ以外のエピソードも含めて相当アブナイ若者だったんですね。ぜったい友達にはなれなそう(^^;)。

AppleがNeXTを買収するというニュースはネットで見てビックリしたことをはっきり覚えています。JobsのApple復帰以降は、新製品も発表と同時にチェックしていましたし、Jobsの基調講演はほぼ全てネットの動画で視聴(日本での基調講演は2回、直接観に行きました)しました。そもそもIT系のサイトには常にAppleの情報が溢れており、いつも気にして読んでいたので、本当にリアルタイムでフォローしてきたつもりです。ただ、その時時のJabsにまつわる裏話はあまりネットには登場しないので、本書を読んで初めて知ったことが多々ありました。

よく、Appleを追われる前のJobsは本当にワガママでハチャメチャだったのに対して、Apple復帰後のJobsはより現実的に判断をするようになったと言われていたと思うのですが、本書を見る限り、Apple復帰後も相当メチャクチャですね(^^;)。絶対一緒に仕事したくない…。また、初期のMacintosh開発メンバー、アンディ・ハーツフェルドやビル・アトキンソンなどとずっと親交が続いていたのは意外でした。Jobsの後継者ティム・クックは、てっきりNeXT時代からの腹心なのかと思っていたら、Apple復帰後にリクルートした人物だったのですね。これも意外。

事実は小説より奇なりといいますが、よくまあこれだけ波瀾万丈でハチャメチャでドラマティックな人生があるものだと思います。先日公開された映画もよかったけど、NHK大河ドラマぐらいのボリュームで見てみたいかも。一人の人間の生きざまとしては、56年の生涯は短いけど、これだけ濃密な人生を送ったのであれば充分かもしれないと思います。ただ、Appleファンとしては、彼が作り出す製品をもう見られないのはつくづく残念です。









2013年11月14日木曜日

防災グッズ

以前、Twitterで友人からリクエストされたので、我が家の防災グッズについて書いてみようと思います。

防災グッズをそろえようと思ったきっかけはやはり東日本大震災。それ以前からホームセンター等には防災グッズコーナーがありましたが、震災後その品揃えは大幅に拡充。

非常用持ち出し袋のようなセットになったものもありますが、私の場合は個別にちょっとずつ買い足して、普通のタウンユース用のリュックに入れてあります。

防災グッズ集めは現在進行形ですが、こだわり出したらキリがないので、今は「まあこんなものかなあ」というぐらいの状況です。

想定している状況は以下のような感じ。…何の根拠もありませんが、何か条件を決めないと先に進みづらいので。

  • 発生する災害は地震
  • それに伴う津波は発生したとしても自宅にはあまり影響しない
  • 液状化は発生したとしても自宅にはあまり影響しない
  • 自宅に影響するような火事は発生しない
  • 自宅は、建物自体の倒壊は免れる
  • 電気、ガス、水道、電話はストップする可能性がある
  • 私自身は大きな怪我はなし
  • 場合によっては避難所(近所の小学校)に避難
  • 自宅で被災し、すぐに避難する場合でも、少なくとも30分程度は準備の時間がとれる
  • 自力でしのぐのは2〜3日。それ以降は支援が受けられる

では、まず食料。
ミネラルウォーター、カンパン、ごはん、ドライマンゴー。いずれも非常食として長期保存できるものではなく、定期的に入れ替えていく前提。今回、撮影のために出してみたら、いずれも賞味期限が切れていました。新しいのを買って入れ替えなくちゃ(^^;)。
でもこれで2〜3日は持ちませんよね。そもそも、各家庭に1週間程度の食料の備蓄が必要という話もあるし…。



次に、衛生用品系。
トイレットペーパー(コンパクトに梱包するため、芯は潰します)、ウェットタオル、絆創膏、使い捨てコンタクトレンズ、手前の五円玉型と印籠型のものは圧縮タオルです。何かの展示会でただで配っていたものだと思います。



サバイバル系。
ウォータータンク(本当は水道が止まる前に予めこのタンクに貯めておかないといけないのですが…)、ろうそく(IKEAで安く売ってたので)、サバイバルブランケット、ライター、作業用手袋。



大モノ。
簡易トイレ(というか、排泄物を凝固させる袋)、折りたたみヘルメット。これらはかさばるので、リュックの中には入っていません。簡易トイレは自宅のトイレで水が流れないときに使う想定だし、ヘルメットは頭にかぶるから、リュックに入らなくてもいいはず。



最後に、電気製品。
トランジスタラジオ、エネループとモバイルバッテリーを充電できるソーラー充電器。
充電器だけは、防災専用ではなく、普段から使っています。



…こんな感じなのですが、どうなんでしょう?適切なのかどうか、自分でもよくわかりません。

ちなみに、充電器以外は防災専用グッズという位置づけで、日常生活では使いません。
逆に日常生活で使っているもので、避難する際持ち出したいものは結構あるはず。衣類とか携帯電話とか現金とか通帳とか…。こちらについてはあまりきちんと考えていなくて、置いてある場所もバラバラ(日常生活で使いやすいところに置いてある)で、いざというときの持ち出し品リストが用意してあるわけでもありません。それでも避難準備に30分程度あれば、必要な物はそろえられるかと、なんとなく思っているだけです。

2013年11月12日火曜日

『清須会議』

★★★★☆

予想に反して、これまでの三谷作品などと比べると、かなり笑いを抑えた歴史ドラマでした。でも、面白かったと思います。

歴史的事実としての清須会議を私は全く知らなかったのですが、戦国の世にあって話し合いによって今後の国の運営体制を決めるというのはそれだけで充分面白いテーマだと思います。ギャグ満載にしなかったのは、そのテーマの面白さをなるべくそのまま見せたいという意図なのでしょう。

実際、柴田勝家側と羽柴秀吉側が会議を前にして行う、刀を使わない攻防は、見応えのあるものでした。最終的に秀吉が勝つことは誰でも知っているので、やや秀吉の賢さ、抜け目なさがフィーチャーされている感じはしましたが、勝家の愚直さも魅力的に描かれています。

とはいえ三谷映画なので、キャストのビジュアルにしろ芝居にしろ、可笑しみはあって、全体としてはNHK大河ドラマとは全く違うコミカルな時代劇になっていました。

各キャストのビジュアルはかなり前に発表されていましたが、一番インパクトがあったのは剛力彩芽さん。三谷映画は主役級の俳優がチョイ役で出演することも多いので、剛力さんもあのビジュアルで長時間は出ないんだろうと思っていたら、登場シーンも意外と多いし、実は結構重要な役どころでビックリ。

観終わった後、そう言えば三谷映画に必ず出ている戸田恵子さんがいなかったのでは?と思って後で確認したら、秀吉のお母さん役が戸田さんだったんですね。

あと、エンドロールで山寺宏一さんがいろいろな声で出演されていたらしいのですが、これは全くわかりませんでした。

公式サイトは、こちら。
http://www.kiyosukaigi.com/index.html

『武士の献立』

★★★☆☆

試写会に当たったので、公開前に観ました。

『武士の家計簿』となんとなくシリーズ物のような感じで、監督は違うけど脚本は同じ人で、作品全体の雰囲気も似ています。『武士の家計簿』は、当時の家計簿が見つかって、これについて書かれた書籍があっての映画化ということで、気になって観に行ったのですが、『武士の献立』の方は、お金を払って映画館に観にいくつもりはありませんでした。

ストーリーは、加賀藩のお城の料理人の跡取り息子が、武士なのに料理を仕事とすることに納得できずにうだうだしているところに、料理上手の嫁が来て…という内容。だいたい想像通りに話が進みます。

まあ話は単純ですが、主に料理を通して当時の生活が丁寧に描かれているので、そういう点ではよかったと思います。

高良健吾くんは、現代的でとんがった、そしてちょっと屈折した若者とかがはまる役者さんというイメージなので、違和感というほどではないけど、不思議なキャスティングだと思いました。

上戸彩さんも、あまり江戸時代を感じさせる顔じゃない気がします。言葉遣いは作品全体を通して割と現代的だと思いますが、彼女が「〜です」というと、今のは「〜ございます」と言った方が時代劇っぽいんじゃないのかなあ、などと心の中でツッコミたくなるところがいくつかありました。たぶん彼女のせいではなく、台本通りなんでしょうけど(^^;)。
彼女の姿勢や所作は、とてもキレイに見えました。旦那様が帰宅した時、脇から抜いた刀を受け取るのですが、その時刀に素手では触れず、着物の袖の中に手を引っ込めて袖を手袋代わりにするような持ち方をしていましたが、あれは当時のマナーなんでしょうかね。

公式サイトは、こちら。
http://www.bushikon.jp

2013年11月4日月曜日

『スティーブ・ジョブズ』

★★★★☆

1989年ごろにMacintoshを知り、1990年には自分でSE/30を購入、以来ずっとApple製品を使い続けている私にとって、Steve Jobsは特別な存在です。
私がMacを使い始めたころはJobsはAppleにはいませんでしたが、Macを作った人物として折りにふれJobsの名前は登場しましたし、こちらも関心を持ってその人物像や生い立ちを知ろうとしました。
JobsがAppleに復帰してからは、Appleの新製品情報と共に、Jobsの基調講演はほとんど全部チェックし、iPod、iPhone、iPadを購入してきたので、AppleとJobsの奇跡の復活劇を完全にリアルタイムで、自分の体験としてつぶさに見てきた感覚です。

そんな私がこの作品を観た時、通常の映画のように単なるドラマとして評価することができません。
Jobsという人を知るため映像資料を見ているような気分で、既に自分が知っていることと比べて差異はないか?新たな情報はないか?という見方をしてしまうのです。その結果、この作品はかなりよくできているように感じました。まず、キャストの見た目が本人によく似ています。そして、様々なエピソードも私が知っている知識と近いものでした。ということは逆に、私が知らなかったエピソードもそれなりに信憑性があるのではないかと思えてきます。
このように感じられたことが、星4つの根拠です。
ちなみに、WozniakがMacintosh開発チームに参加していたことは私は知りませんでした。あれは事実なんでしょうかね??

2時間ちょっとという時間では、Jobsの人生の全てを表現することはできません。当然一部分にフォーカスを当てることになるのですが、どこが採り上げられるのかが私にとっての大きな興味の一つでした。予告編では初代iMacのスケッチやiPod発表のシーンもあったので、Apple復帰後も描かれるのかと思っていましたが、基本的には復帰したところで物語は終わりでした。まあApple復帰後の活躍はみなさんご存知でしょう?というスタンスなのでしょう。
おそらく、比重としてはApple IとIIの開発部分が一番詳細に描かれていたのではないでしょうか。Lisaプロジェクトが描かれていたのはちょっと意外。Macintosh開発もそれなりにしっかり描かれていますが、流れとしてはもうAppleを去るところに向かっている感じでした。
大学以前は割愛、Wozniakとの出会いも割愛、インド放浪はちょっとだけ、Apple IIのころのMicrosoftとの関係も割愛、XEROX PARC訪問は残念ながら割愛されていました。娘Lisaのエピソードが入っているのは、ドラマ向きだからでしょうね。Appleを去った後のNeXTがほんの少し、PIXARについては皆無でした。

さて、AppleやAppleの製品に詳しくない人がこの映画を観て楽しいのか…。正直、よくわかりません。Apple I & IIが当時として画期的であったことを、iPhoneが当たり前の現代人にが理解するには、コンピューターの歴史を相当勉強する必要があります。予備知識のない人がすぐに分かるのは、Jobsが誰に嫌われ、誰を嫌ったかということぐらいですが、それだけでドラマとして楽しめるかどうか…。

公式サイトは、こちら。
http://jobs.gaga.ne.jp

2013年11月3日日曜日

『グランド・イリュージョン』

★★★☆☆

もともとトリックとか謎解きとかは好きなので、マジックと犯罪捜査の謎解きが合体したような作品ということで観てみました。

例えば正統派の推理小説の場合、必ず謎解きに必要な鍵を示すことや、ページをさかのぼって何度でも考え直せることなどが条件となりますが、そういう意味ではこの作品はかなり粗い印象です。それでも、エンターテインメント作品としては、充分面白いと思います。

タネ明かしも一応ちゃんとしていたと思います。まあ、催眠術で人の心身を操る能力とかは、なんでもアリになっちゃうのでどうかと思いましたが。犯罪捜査の映画なので、当然のごとくタネ明かしがあるのは、普通のイリュージョンではあり得ないことなので、ちょっと得した気分。

ただ、あのマジシャンたちの動機はよくわからなかったなあ。それと、昔からのマジシャンの秘密結社(?)みたいなフリーメイソンみたいなエピソードが出てきて、話がどっちに展開するのかヒヤヒヤしたのですが、結局よくわからないまま終わってしまいました。

CG技術が発達して、画面の中にどんな超常現象でも容易に作り出せる映画作品の中でのマジックショーは、絶対に一部分はCG使っているんだろうとひねくれた見方をしてしまいますね。

邦題は『グランド・イリュージョン』ですが、原題は『Now You See Me』のようです。

公式サイトは、こちら。
http://www.grandillusion.jp