面白い。予想以上。2009年の作品ですが、もっと話題になってもいいと思うなあ。
最近のシネコンでは、ちょっと地味めの作品を短期間だけ上映することが時々あるのですが、これもたぶんそんな作品。
監督は、デヴィッド・ボウイの息子さんだそうです。イギリス映画です。
ある会社が、月の裏側でエネルギー資源採掘を行う施設を作り、スタッフ1名で運営しています。そのスタッフが主人公。だから、登場人物は事実上1人。回想シーンや、写真や、通信相手として他にも何人か出てきますが、全部含めても5〜6人というところでしょうか。
月世界が舞台なので、SFっぽいアイテムが色々と出てくるのですが、割とチープです。月面走行車とか、ミニチュアなのが分かるし。
また、ある理由で主人公のソックリさんが登場するのですが、当然役者はそれを一人二役で演じています。ほとんどの場面で一人の顔が見えるときはもう一人は後ろ姿。つまり、だれか別の人が吹き替えています。面倒な映像処理など行わない昔ながらの方法です。
にもかかわらず、面白かったなあ。
何の予備知識もなかった私には、途中まではストーリーがどっちに向かって進もうとしているのかわからず、次はどうなるんだろう?その次は?という感じでした。あとで考えると割と単純な話のような気もしますが、観ている最中はけっこうどっぷりと入り込めました。たぶん、淡々として、あまりスピーディーでもない演出の影響もあるんでしょうね。