2010年8月9日月曜日

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

★★★★☆

なるほど、面白い!というのが率直な感想です。

一応、小説という形態をとっていますが、やっぱりマネジメントの入門書、解説本の一種なのかもしれません。『マネジメント』からの引用も多いし、その内容をかなり直接的に高校野球に置き換えているので。
ドラマとしてのふくらみはもちろんあるのですが、『マネジメント』と組み合わせるというアイデアがなければ、特筆するものでもなかったかも。

『マネジメント』の抽象的、概念的な内容を、高校野球という具体的な事例に置き換えて示してくれるところが、この本の価値のような気がするのですが、それならもう一段、具体的に描写してくれればいいのに、と思うことがいくつかありました。それはちょっと残念。

それから、この小説は約1年間の物語なのですが、もうちょっと長くてもいいと思いました。本としてはそれなりの厚みがあったのですが、割といい紙を使っているので、意外とページ数が少なくて、量的にやや物足りなく感じました。これで1680円は、正直高いかも…。

とはいえ、ビジネスノウハウを小説の形態で書く、というアイデアはすばらしい。こういう手法、これから流行るかもしれませんね。


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