2010年10月23日土曜日

空が高すぎる

ようやく秋を感じられる季節になりました。
秋(冬も?)の澄んだ青空を、”空が高い”と表現することがあります。まあ、実際に高さを感じているかというとちょっとあやしい気がしますが、空の色やすがすがしい空気なども含めた心地良さを、誰かがあるとき”空が高い”と表現したのが、一般的な言い回しとして定着したのかもしれません。

小田和正の作品に「空が高すぎる」という歌があります。この作品は、もともとオフコースのために書かれたらしいですが、結局は小田和正のソロ作品として発表されることになったそうです。1985年、数か月間彼がアメリカに滞在し、現地のミュージシャンやエンジニアと組んで作ったアルバムに入っています。
日本語詞なので、現地の人達と一緒に音作りをするためには、歌詞の意味を彼らに説明して理解してもらう必要があるのですが、「空の高さが変わるわけないじゃないか」とどうしてもわかってもらえなかったそうです。なるほど、アメリカにはそういう感覚や言い回しはないようです。
「天高く馬肥ゆる秋」という中国の故事がありますから、アジア人は空の高さを感じるのかもしれません。

そういえば「空が高すぎる」には、英語詞バージョンがあります。「After forever」というタイトルで、Randy Goodrumという人の作詞ですが、日本語詞とは全く異なる内容になっています。
日本の古典で、方丈記や、平家物語とかもそうでしょうか、”無常”という世界観があります。私は「After forever」の歌詞を読んだとき、「ああ、これは”無常”観を歌った歌だな」と思ったので、勝手に日本的な感じがしています。アメリカ人には空の高さはわからなくても、無常観はわかるのでしょうか。







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