2018年1月21日日曜日

『ゴッホ ~最期の手紙~』

★★★★★

ずっと気になっていた作品なのですが、運よく近くの映画館で上映されていたので観に行きました。

アニメーションには、ロトスコープと言って実写映像をトレースしてアニメ化するという手法がありますが、通常は線画。この作品はそれをゴッホタッチの油絵でやっています。実写映像を元にしているので人物の動きはリアルなのですが、タッチは完全にゴッホなので、何とも言えない不思議な感覚に陥ります。

作品に参加したアーティストは厳しい審査で選抜され、ゴッホタッチの絵を描くトレーニングを積んだそうですが、それでも各自の個性が出るもの。同じシーンなのにカットによって随分調子が変わっていていました。まあそれも"味"だと思いますし、こんなめちゃくちゃなアイデアを実際にやってしまったということを考えると、正直グゥの音も出ません。たぶん、人形アニメよりもっと時間がかかりますよね。

確か20年ぐらい前から、写真をゴッホ調に加工するPhotoshopのフィルターはあったと記憶しています。実写をゴッホ調にするだけならデジタル処理でいくらでもできるはずですが、手書きを選択したその判断には敬意を払います。アーティストたちの作業は相当過酷だったようですが、本当にお疲れ様でした。
実際はデジタル処理も相当使っているようですが、それが前面に出て主張してくる感じはありません。あくまでも人間の手作業が主役でデジタル技術は裏方やサポートという関係性がいいですね。

ストーリーは、ゴッホの死の1年後に発見されたゴッホ最後の手紙をきっかけに、彼の死の真相に迫っていくというものです。単純にゴッホの生涯を描いてもよかった気がしますが、なぜ彼の死後を舞台にしたのかなあ。でも、主人公がゴッホの死の真相に迫っていく中で、ゴッホの人となりや周囲の人たちとの関係がわかってくるので、楽しめました。

近所の映画館では吹き替え版だったのがちょっと残念でしたが、1フレームずつ全てがアート作品だと考えると、字幕が重なっていないのはよかったかもしれません。


公式サイトは、こちら。
http://www.gogh-movie.jp

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