2013年8月25日日曜日

会社設立登記 その9 資本金の振り込み


定款の認証が終わったら、次に資本金を振り込みます。この順序に特に重要な意味はありませんが、定款も資本金も登記申請をするために必要な準備で、定款の方が手間がかかるので先にやった方がいいという程度のことです。

■資本金額
現在の会社法では、資本金0円でも株式会社が作れます。では実際、いくらにすればいいのか?結論としては、私にもよくわかりません。会社を作ってしばらくした後で、資本金は多すぎたのか、少なかったのか、調度よかったのか判断できると思います。

そうは言っても、判断材料はあります。

資本金は、会社の当面の運用資金になります。会社が黒字になれば資本は増えていきますが、会社設立からそのような状況になるまでには普通タイムラグがあります。それまでは資本金を切り崩して物品を購入し、人件費や光熱費などを支払うことになります。もちろん、銀行などから融資を受けることで、資本金とは別の形で運用資金を得ることはできますが、それはそれで借金なので、返却の義務を負います。
そう考えると、資本金額の目安は、会社が黒字化するまでの運用資金が捻出できる程度の額が必要という判断になります。

私の仕事の場合、本格的な設備を自社で所有しようとするとかなり高額になるのですが、それを都度レンタルなどで済ませることにすれば、後は自宅でパソコンと電話とネットがあればほとんど問題ないはずなので、比較的運用資金は安く済むはずです。

また、あまり資本金額が高いと「あの会社は余裕があるから、うちが仕事を出さなくてもいいだろう」と思われて、仕事をくれないことがある、という話も聞いたことがありますが、実際のところはどうなのでしょう。


■現金以外の資本
現金での出資以外に、モノで出資する、現物出資という方法もあります。例えば、個人で所有しているパソコンや不動産などを会社に出資するということです。

この場合、何を出資するのか、それがいくらの価値に相当するのかというリストを作成して法務局に提出することになります。この評価額の判断は取締役、つまり私の責任となります。現物出資のメリットもあるとは思うのですが、未経験の会社設立という作業の中で"責任"と言われると辛いものがあるので、私の場合は現物出資は行いませんでした。

ちなみに、現物出資を行う場合は、定款にもその旨記載する必要があるので、実際には現物出資をするか否か、定款作成前に決定しておく必要があります。



■資本金用の口座
登記申請の際、資本金についての証明となる資料は、振り込みの記録がある通帳のコピーです。ここが私にとっては納得いかない点なのですが、通帳の残高が資本金額以上あればいいのではなく、必ず振り込みを行ってその記録を示す必要があるそうです。

この時点で法人名義の口座が作れれば話はシンプルになるなのですが、登記される前に法人口座が作れるはずはないので、個人名義の口座を使うことになります。

口座は既存の口座でも構いませんが、手引書には、資本金入金用に新規口座を作った方がよいと、書かれていました。その理由はおそらく、通帳のコピーを法務局に提出する際、無関係な明細情報を見せなくて済むこと、既存の口座を使うと、会社の資本金をうっかり日常生活用に使ってしまうおそれがあるためではないかと思います。
私の場合、新規口座を作りました。

銀行口座を開設する際、必ず最初にいくらかの額を入金する必要があります。この時、資本金の総額を用意しておき、最初に入金しても良さそうな気はするのですが(多額の現金を持ち歩くのがイヤという話は抜きにして)、私が調べた範囲では必ず"振り込み"と書かれていたので、最初の入金と"振り込み"は別だと判断して、ひとまず口座開設時には1000円だけ入れることにしました。


■資本金の振り込み

そして、資本金額を解説した口座に振り込みます。この時、その振り込みが出資者によって行われたものであることが通帳に記載されないといけません。つまり、振り込み人の名義が出資者の氏名であることが条件となります。
どういう方法で振り込めばこの条件が満たされるのか私にはよくわかりませんが、別の銀行の自分の口座からネットバンキングで資本金用の口座に振り込んだら、条件を満たすことができました。

振り込む時点ですでに口座には1000円入っているので、振り込むのは資本金額-1000円でよさそうな気もするのですが、振り込み金額=資本金額でなければいけないと思い、きっちり資本金額を振り込みました。結果として、資本金用の口座の残高は資本金額+1000円となりました。これについては、いまだに何が正解だったのかわかりません。
この1000円は資本金ではないので、会社の運用資金として使ってしまうとおかしな話になってきます。でも、会社設立のために必要となった費用なので、私個人が立て替えただけで、本来は会社が負担すべき費用だと思えます。
これをどう考えればいいのか、後々かなり混乱することになりました。

資本金の振り込みは、総額を1回で振り込む必要はありません。出資者が複数いる場合は、それぞれの出資額を振り込んで、その合計が資本金額と一致していればいいので、一人の場合でも複数回の振り込みの合計額が合っていればいいそうです。



■払込証明書

法務局には資本金の証明として払込証明書を提出する必要があります。これは、払込証明書というフォーマットに、資本金用口座の通帳のコピーを添付して、決められた形式で綴じたものです。
通帳のコピーは、表紙、表紙を一枚めくったページ(支店名などが書かれたページ)、振り込み記録が書かれたページが必要となります。



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