2010年9月3日金曜日

事実は小説より…

小説はときどき読みますが、自分で書いてみようと思ったことはありません。にもかかわらず、ごくまれに「こんなストーリーは面白いんじゃないか」と思いついちゃったりすることがあります。

例えば一番最近(といっても数年前)思いついたストーリーのあらすじはこんな感じ。

 ある時、新幹線がトンネルを通過中にトンネルの崩落事故が起こる。トンネルの両方の出口はふさがり、列車は、一部脱線、一部損壊して、乗員乗客を乗せたままトンネル内に閉じ込められてしまう。乗員乗客は一部死亡。一部負傷。元気な人が200人(ぐらい)。救助が来るまで2か月(ぐらい)。何とかして、生存し続けなければいけない。
 その列車に乗り合わせていたある人が、どんどんアイデアを出していく。自己の記録を克明に残すこと。携帯電話は、全員分をみんなの共有物として、代表者が1日1回外部との定期連絡に使うこと。ただし、ときどきは各自から家族への通話を認めること(トンネル内で携帯って使えるのかなあ)。新幹線の各車両を、霊安室、病室、食堂、レクリエーションルーム、寝室など、目的ごとに分けること。新幹線に残っている水と食料を公平に配給すること。などなど。
 そのうちに、その人をリーダーに、食量班、医療班、レクリエーション班、通信班などが組織され、さまざまな問題に対処するようになる。やがては、現状の資産を無駄なく運用するだけではなく、道具や電気や食料を作り出すまでになる。
 2か月後、救助隊がトンネル内に到着してみると、完全に組織化された”社会”がそこに出来上がっており、生存者はみんな生き生きと生活していた。そして、そこにいたるまでの詳細な記録資料が残されていた。

もうお気づきだと思いますが、私が小説にするまでもなく、チリの鉱山でそっくりな状況の事故が起こってしまいました。世の中、不思議なものです。

私が、こんなアイデアに至ったのは、”秩序”というものの意義をちゃんと考えないといけないんじゃないか、と最近よく思うから。
世の中のしくみは、最初からそこにあるものではなくて、自分たちで作っていくものです。逆に言えば、みんながグダグダな生き方をすれば、社会システムもグダグダになってしまいます。最近の世の中にちょっとそんな危機感を覚えます。
そして、秩序は個々人を多少制限しますが、実は社会全体を合理的に運営するいい方法なはずです。最近はそういう不自由さを嫌う人が増えている気がしますが、自分勝手、身勝手レベルの人も少なくないように思います。

で、「既存の社会システムを一旦全部捨てて、ゼロから秩序を構築するとどうなるのか?」ということと、「秩序によってモノゴトがうまく行くのはどんな場面か?」ということを考えていくうちに、上記のような設定がひらめいたのです。仮タイトルは『地底都市』。

あ、くれぐれも言っておきますが、私がこの小説を完成させることはたぶんないと思います。誰か代わりに書いてくれるなら、私を原案ということでクレジットしていただいて、印税をひとつよろしく。

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