2015年1月3日土曜日

『バンクーバーの朝日』

★★★☆☆

いい話だと思いました。
南米やハワイや満州などは何となく知っていましたが、カナダ移民というのは初めて聞きましたし、野球チームの存在もその活躍も全く知らなかったので、そのことを知っただけでも価値があったと思います。

ただ、そうなるとドキュメンタリーの方がより自分の興味には合っていると思います。

エンターテインメントとして見た場合、登場人物たちがやけに破棄がない気がしました。必ずしも野球を楽しくやっているように見えないし、バントや盗塁を多用したスモールベースボールも、他に勝てる方法がないので仕方なくやっているので、どうも爽快感に欠ける印象でした。
たぶんそれは、史実に基づくリアルな描写なのかもしれませんが、だとしたらドキュメンタリーでいいじゃないか、ということですね。

映画では語られていないことで気になったこととして、仕事も少なく低賃金で生活に余裕もないのにどうして野球チームができたのか、カナダ人から差別されていた日本人移民のチームがどのような経緯でカナダリーグに参加するようになったのか、彼らが"発明"したスモールベースボールの具体的な戦術とはバント、盗塁以外にどんなものがあったのか、実際の戦績はどのようなものだったのか、などがあります。
仕事をしながら野球をやっていたのに、遠征とかどうしていたのかもわからないし、そもそも球団運営資金はどこから出ていたのかも不思議です。
そういう意味では、この映画はあくまでもバンクーバー朝日への興味の入り口なのでしょう。

移民一世と二世の意識に違いは作品の中でもちょっと描かれていて、なかなかよかったと思います。

名の通った役者さんが結構出てくるのですが、妻夫木くん演じる笠原とその家族、野球チームの4〜5名以外はほぼチョイ役かなあ。宮崎あおい、ユースケ・サンタマリア、本上まなみの役は、登場しなくてもいいぐらいだし、貫地谷しほりもあまり持ち味が発揮されているとは思えませんでした。よく意味がわからないキャスティングでした。

公式サイトは、こちら。
http://www.vancouver-asahi.jp

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