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インド映画は、東京でも上映する映画館が限られる場合が多いのですが、興味があっても映画館では観る機会がないということもあります。
この映画も、予告編などを観て気になっており、できれば観たいと思っていた作品。幸いにも比較的行きやすい映画館で上映されていたので、ここぞとばかりに観てきました。
結論としては、とてもよかったと思います。
ストーリーの骨子は極めてシンプルで、インドで迷子になった言葉の喋れないパキスタン人の女の子を、バジュランギおじさんが家まで送り届けるというものです。それを、159分の作品として、飽きさせることなく、ハラハラさせ、考えさせ、笑わせ、共感させ、感動させる仕上がりになっていると思います。
シャヒーダー役の女の子はとても可愛いビジュアルで、言葉が喋れない役なので表情や仕草だけで健気に演じています。
また、作品の中ではインドとパキスタンの関係や異宗教との関係など、インドならではの事情も描かれています。それが社会科の教科書とはちょっと違う生っぽさで、非常に興味深いです。
韓国映画にも北朝鮮が取り上げられているものがありますが、インドは映画の中でパキスタンについてこんな風に取り上げることができる自由さはあるんですね。
ただ、作中で「インドもパキスタンもない」といったセリフをパキスタンのテレビレポーターが語るという演出は、ちょっと恣意的なものを感じました。インド映画なんだから、インド人側がそういうメッセージを発信すればいいのに、インド映画でパキスタン人のそれを言わせるのは「そっちが折れないからいけないんだ」というメッセージのように思えてしまいますね。…というのは私の考えすぎでしょうか。
そう言えば『LION ライオン 25年目のただいま』もインドの迷子の話で、パキスタンとの関係にも触れていたはず。インドではよくある話なのでしょうか。
いくつか、日本の感覚では腑に落ちない点もありました。
普通、迷子を見つけたら警察に相談すると思いますし、その子がパキスタン人だとわかればパキスタン大使館にどうにかしてもらうと思います。そして、相談したのに取り合ってもらえないということは考えられないと思います。
この映画の中でもバジュランギは警察にもパキスタン大使館にも相談しているのですが取り合ってもらえません。取り合ってくれちゃうと作品が成立しないので、映画としては当然なのですが、あれはインドでも不自然な展開なのか、それともインドではよくあることなのか、そこが謎でした。
公式サイトは、こちら。
http://bajrangi.jp
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