2017年4月26日水曜日

『LION/ライオン ~25年目のただいま~』

★★★☆☆

『ムトゥ 踊るマハラジャ』でインド映画の衝撃を味わって以来、機会があればインド映画やインドがらみの映画を割とよく観てきたと思います。

予告編の段階で、インド人の少年が迷子になり、養子としてオーストラリアに引き取られて大人になり、Google Earthなどを使って自分の住んでいた場所を探し当てるというストーリーの骨格はわかっていました。

こういう場合、現在の時間軸で話が始まり、少しずつ過去のできごとが明らかになっていくような構成が多いのですが、予想に反して普通に過去から順に描かれていました。そして、迷子になってから養子として引き取られるまでのインドパートが意外と長い…。

日本だと、仮に迷子になっても、そのまま身元不明児になってしまう可能性はとても低いと思うのですが、インドだとリアリティがあることなのでしょうか。貧富の差が大きい国だとか多言語国家だとか、ああいうことが起こりやすい社会環境なのかもしれません。

本編を観る前は、Google Earthなどをどううまく使って場所を特定していくのか、ある種謎解きのように見せているのかと思いましたが、全く違いました。
どちらかというと、養父母の元で幸せに生活している主人公が、本当の家族に会いたいと思ってしまうことに苦悩し葛藤するという部分を大きく取り上げています。
たぶん、こういう描き方のおかげでアカデミー賞のノミネートを獲得できたのでしょうが、個人的にはもう少し謎解きの要素を楽しみたかったと思います。
と言っても、実話に基づいているのでどうしようもないでしょうが。

実話といえば、映画の最後に、主人公のモデルになった本人と育ての親が実の母親が出会う実際の映像が流れます。この映像にとても力がある気がして、この話はドラマ仕立ての作品よりもドキュメンタリーで観た方がよかったかもしれないと思いました。

主人公サルーを演じるのは『スラムドッグ$ミリオネア』で主役の少年を演じたデヴ・パテル。いやあ、大人になりましたねえ。
サルーの子供時代を演じたサニー・パワールの演技は素晴らしいと思いました。

映画のタイトルがなぜ"LION"なのかは、作中の最後に明かされます。


公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/lion/


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