2011年11月12日土曜日

『マネーボール』

★★★☆☆

 最初から最後まで入り込んで見られたし、役者の芝居も素晴らしかったので、星4つでもいいかもしれませんが、いくつか気になる点があったので星3つにしてみました。

 私は、既存の常識にとらわれず新しい考え方を導入して成功していく、イノベーション的なストーリーには感動しやすい傾向があります。
 でもこの作品では、その新しい考え方についての説明がかなり端折られていて、球団のGM(ジェネラル・マネージャー)がその考え方を導入することを決めてからの、周りとの確執を中心に描いています。
 私にとっては、もう少しその理屈を教えてもらわないと共感しづらいと思いました。

 この作品の主役は、もちろんブラッド・ピット演じるGMのビリーで、彼が球団改革を推進した当事者なのですが、実際に新しい考え方「マネーボール理論」に基づいた分析を行っていたのはピーターという人物です。
 もしこの人を主役としてストーリーを構成していたらだいぶ違うイメージの作品になっていたと思います。私としては、その方が好みの作品になったような気がします。

 実在の人物の、現在進行中の取り組みが映画化されるというと、facebookについて描いた「ソーシャル・ネットワーク」があります。映画の最後に、その人物の現在の状況を字幕やナレーションで説明するという処理方法も共通。でも、こういうタイミングで映画化するのが本当にいいことなのか疑問を感じます。数年後に映画を見たら、もしかしたら全然見当違いの話になってしまうかもしれないのに…。

 まあともかく、よくまとまったいい作品だと思います。

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