★★★★☆
周防監督らしい、色々なところに少し緩さを感じつつ、ホンワカできる映画でした。
やっぱりこの作品は、主演の上白石萌音さんの魅力と、京都の花街の風習がかいま見える面白さに尽きるかなあ。
上白石さんは、ちょっと垢抜けてない雰囲気があって、ベビーフェイスなんだか老け顔なんだかよくわからない風貌で、でもなんだか愛嬌があって、不思議な存在感です。雰囲気に合った役で朝の連続テレビ小説とかに出たら、一気に国民的女優になりそう。
タイミング的に、『アナと雪の女王』にあやかったわけではないと思いますが、なぜかミュージカル仕立てのこの作品。上白石さんの歌声は、他のどの役者さんよりよかったと思います。力強く声が出ているし素直でまっすぐ歌っていて好感が持てます。フレーズの最後はビブラートがかかるかかからないか微妙な感じ。たぶん今後トレーニングを積めばもっと色々なボーカルテクニックが使えるようになるのでしょうが、なんだかこの人にはノンビブラートでいって欲しい気がしました。
作品の中には、舞妓や芸姑の風習や着物の着付け、正座の仕方などが登場して興味深いですが、私が一番気になったのは、髪を結い上げるシーン。ああいう職人の作業を見るのは大好きです。最初から最後まで見ていたいくらいです。
この作品が海外の映画祭で上映されたのはテレビで見て知っています。作中、舞妓や芸姑の踊りから連続的にミュージカルシーンにつながっているところが結構ありました。いかにも日本舞踊的な動きから徐々に腰を振ったりターンしたりといういかにも西洋的なダンスに変わっていくのですが、ああいうのを外国人が見たとき、本来の舞妓や芸姑の踊りと演出としてのダンスの境界線を正しく認識できるのでしょうかね。
京都観光に来た外国人が「『舞妓はレディ』のようなダンスショーは見せてくれないのか」などと言い出しそうでちょっと心配(^^;)。
公式サイトは、こちら。
http://www.maiko-lady.jp
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