2015年4月14日火曜日

『ソロモンの偽証 後篇・裁判』

★★★★☆

前篇も含めて、全体としてなかなか面白かったと思います。

中学生が自らの手で学校内裁判を行うというアイデアがこの作品の面白さだと思いますが、謎解き重視で描くか、中学生たちの成長の物語にするかで、大きく印象が異なると思います。
この作品は、両方を狙っているのでしょうが、結果的には両方ともちょっと物足りなさを感じました。

謎解きという意味では、予想を超えたものではなかったかなあ。
明らかに裁判の趣旨と違う方向に話がブレるのは、中学生の成長物語として彼らの本音を吐き出させる必要があるのでしょうが論理ゲームとしてはちょっと余計なノイズにも思えます。
裁判に積極的に関わった中学生のうち、藤野さんや神原くん以外は、その過程で何を思いやり終えてどう感じたのか全く描かれていないので、それもちょっと残念。

全体としては、前篇、後篇の2部構成でとても丁寧に描いているのに物足りないということは、テレビドラマとかでもっと時間をかけた方がいいのかもしれません。
そう考えると、大人になった主人公が教師として母校に赴任してきて中学生だった頃を回想するというくだりは削ってもいいような気がしました。

主人公藤野涼子役の藤野涼子さんは、やっぱりとてもよかったと思います。

公式サイトは、こちら。
http://solomon-movie.jp

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