★★★☆☆
決してつまらなかったわけではないのですが、ピクサー作品としては、ちょっと地味目かもしれません。
人間の感情を、ヨロコビ、カナシミ、ビビリ、ムカムカ、イカリの5つのキャラクターに振り分けているのですが、ムカムカとイカリあたりは、違いがわかりにくいです。
それ以外に、長期記憶とか潜在意識とか人間の心理の仕組みが色々と出てくるのですが、それらがストーリーとどう結びついているのか、単に雰囲気を出すためだけに専門用語を使ったのか、理性と感性とどっちで受け止めればいいのか迷う感じがありました。
また、ストーリー展開の中で、ヨロコビが嘆いたりカナシミが喜んだりするので、けっこうややこしい印象でした。
結局は主人公であるヨロコビとカナシミがお互いに理解を深めていくストーリーのようですが、最初のうちは感情の5つのキャラクターとその感情の持ち主であるライリーと、誰が主人公なのかなかなかわかりませんでした。ビジュアル的にも、どのキャラクターも割と地味な気がしました。
頭の中で5つの感情に事件が起こる=感情がうまく機能しないということは、ライリーにとっては引きこもり寸前のような危険な心理状態になることを意味するので、見方を変えるととてもシリアスで、誰が見ても単純に楽しい作品というよりは、少し社会的な色合いも感じてしまいました。
原題は『Inside Out』だそうです。タイトルのほか、日本語吹き替え版の場合はこどもの嫌いな食べ物がブロッコリーからピーマンに変更されているそうですが、私が観たのは字幕版だったのでブロッコリーのままでした。
映画の初めにピート・ドクター監督のコメントとドリカムの歌が流れる映像があったのですが、日本向けのコメントだったのでしょう、わざわざ邦題の『インサイド・ヘッド』と言っていました。
パソコンのソフトに各国語版があるように映像コンテンツにもローカライズ版があってもいいのかもしれませんが、個人的にはそこまでしてくれなくてもいいかな、という感じ。
ちなみに、『脳内ポイズンベリー』とは、頭の中の感情をキャラクター化するという着想は同じですが、作品全体としては全くの別物ですね。
公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/head.html
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