2019年6月22日土曜日

『旅のおわり世界のはじまり』

★★★☆☆

何年か前にウズベキスタンに旅行に行ったので、映画の中でウズベキスタンがどのように描かれるのか興味があり、この作品が製作されると知ったときから観に行くつもりでした。

『日立 世界ふしぎ発見!』のような(そしておそらくもっと下世話な)海外バラエティ番組のレポーターと撮影クルーが、ウズベキスタンロケで様々な体験をする様子を描いており、一応ドラマとしてのストーリーはあるものの、起承転結がはっきりしないロードムービー的な作品でした。

私の興味の一つとしては、自分が行った場所がどのくらい登場するか?ですが、予想以上に少なかった印象です。
タシケントは、チョルスーバザールとナヴォイ劇場、ホテルウズベキスタンの外観などが、ドラマの舞台となっていました。

チョルスー・バザール
チョルスー・バザール

ナヴォイ劇場
ナヴォイ劇場

ホテルウズベキスタン
ホテルウズベキスタン

サマルカンドのメジャーだと思われる観光スポット(レギスタン広場など)はチラリと映っただけ。シヨブ・バザールは、前田敦子さん演じるレポーターが食料調達のため出かけるのですが、私が記憶している場所はほぼ映らず。

レギスタン広場
レギスタン広場

ショブ・バザール
ショブ・バザール

遊園地や湖や山は作中で割と時間をとっていましたが、いずれも私は訪れなかった場所ですし、おそらく観光するならもっと他に見どころ(ブハラやヒヴァなど)があると思います。
延々と広がる平原は、タシケント〜サマルカンド〜ブハラ間を鉄道で移動するときに見た車窓の風景の印象ととても近いと思いましたし、タシケント、サマルカンドで登場する何気ない街角も、具体的にどこなのかはわかりませんが雰囲気はウズベキスタンっぽいと感じられました。

ウズベキスタンのメジャーな観光スポットは、モスク、神学校、廟などで、いずれもイスラム教の宗教関連施設なのですが、そういった場所がドラマの舞台から外れているのは何か意味があるのか、単にメジャー過ぎて面白くないということなのか。

前田さん演じる葉子は、海外バラエティ番組のレポーターでありながら、撮影時以外は現地の人と積極的に関わろうとせず、結果的に疎外感や孤独感を感じてしまうキャラクターで、私から見ると、行動原理が読めないというか、やる気があるんだかないんだか、明るいんだか暗いんだかわかりにくいタイプ。ただ、前田敦子さんには合っているとは思いました。

メジャーな観光スポットがちょっとしか登場しない、主人公があまり楽しそうじゃないということで、この映画を観てウズベキスタンにぜひ行ってみたいと心を動かされる人がどのくらいいるのだろう?と思ってしまいました。
単純にウズベキスタンの観光地としての魅力を感じたいなら、それこそ『世界ふしぎ発見!』のような番組を見た方がいいと思います。もちろん、ストレートな観光PR映画を作りたかったわけではないのでしょうが、ウズベキスタンの大使館なども後援しているので、ちょっと予想外でした。

ちなみにこの作品、日本・ウズベキスタン・カタール合作ということなのですが、カタールはいったいなぜ製作に関わっているのか、まったくの謎。

公式サイトは、こちら。
https://tabisekamovie.com

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