2019年8月3日土曜日

『天気の子』

★★★☆☆

映像表現としては期待どおり非常に美しいと思いました。

あとは、設定とか登場人物の性格とかストーリー展開とかが、自分にはどうもピンと来ませんでした。

例えば、異常気象で雨が降り続く東京という設定もなんだか唐突で、どこかの段階で状況が変わるのかと思っていたら特にそういうこともなく、それが予想外といえば予想外でしたが、映画を見終わってもモヤモヤが残りスッキリ晴れない感じでした。

主人公は、どちらかというと気が弱そうな16歳の男の子で、キャラクターデザイン的にも穏やかで大人しそうなイメージに造形されていると思います。でもその行動を見ると、何の根拠もなく周りの人間を味方と敵に分けて、味方でなければあとは全部敵と言わんばかりにひたすら抵抗し反発して逃げ回ります。非常に短絡的、衝動的で感情の起伏が激しく変化します。それが若さと言えば若さなのかもしれませんが、おっさんとしては何をそんなにつんのめっているのかと思ってしまいました。
まあ『未来少年コナン』とかと似たようなものかもしれませんが、舞台がリアルに描かれた新宿の街だけに、その無謀な行動が単なる犯罪的行為にしか見えませんし、彼がそこまでする理由がわかりません。
登場人物に感情移入できないまでも、行動原理として納得できないと、その作品を見てよかったとはなかなか思えません。

主人公とヒロインの声優さんはオーディションで選ばれた方のようですが、とてもよかったと思います。
最近の大作アニメ映画は、有名な俳優さんばかりを起用する傾向がありますが、なぜかこの作品は野沢雅子さんをはじめとする有名な声優さんがちょっとだけ登場しています。個人的には、いいことだと思います。


公式サイトは、こちら。
https://tenkinoko.com

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