2012年10月29日月曜日

『アルゴ』

★★★★★

1979年、イランに取り残されたアメリカの外交官6名を、映画のロケハンのふりをして国外に脱出させるという、実際にあったCIAの救出作戦を元にしたストーリー。

上映時間135分のうち、そうですねえ…110分ぐらいは観ているこっちも緊張しっぱなしという感じで、ギリギリの救出作戦を一緒に体験したような気分でした。
実際の出来事を分解していくと、映画のロケハンのふりというのが奇想天外ですが、あとは想像を越えたようなことはほとんどないのですが、その状況の中では、これ以上ないくらいの緊張感を体験できました。

ベン・アフレックはCIAの救出作戦の専門家役ですが、とにかく無表情で笑いません。派手なアクションも何もないのですが、とんでもなく危険な任務を淡々と進めていく姿が、「ヒーロー」というのとは違うのかもしれませんが、男の強さのようなものを感じさせます。

子供のころ、ニュースで「パーレビ国王」だの「ホメイニ師」だの、よく耳にしましたが、自分とは関係のない遠い国のできごとだと思っていた中で実はこういうことが起こっていたということを知って驚きました。そして、アメリカと中東のイザコザが最近に始まったことではないということも、あらためて思い出すことができました。

映画作品としては非常に面白い本作ですが、一つだけ心が痛むのは、アメリカの外交官たちを見つけ出そうとするイランの革命防衛軍が登場人物たちを恐怖に落とし入れる悪役として描かれていること。
アメリカ国民の中東に対する敵対心をあおるプロパガンダとして、意図的にこの時期にこういう映画を作ったのではないかと勘ぐりたくなります。

http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/

0 件のコメント:

コメントを投稿