2013年7月16日火曜日

会社設立登記 その13 法人口座の開設

■とりあえず法人口座
会社設立登記のため、資本金を個人の銀行口座に振り込みました。私の場合、この個人口座は新規開設したもので個人的なお金が混ざる可能性はありませんから、この口座をそのまま会社の取引用に使えば、法人取引に関わるお金の出入りが厳密に管理できます。
それでも大して困らないのでしょうが、せっかく法人格を取ったのですから、銀行口座も法人名義の方が何かとカッコがつくというもの。そんな気楽なつもりで法人口座を作ることにしたのですが、これが本当に大変でした。

■どの銀行にするか
銀行といえば、大手の都市銀行や地方銀行や、その他色々ありますが、大した根拠もなく、何となく馴染みのある都市銀行を選択。残高確認や振り込みのやりやすさを考えると、家の近くに支店がある方がいいだろうと思いました(これも、今ではネットでできるので、実は重要ではないかもしれません)。
また、一番頻繁にやりとりする相手は、確実に毎年12回給与を振り込む自分自身である可能性が高いので、自分の個人口座がある銀行を選んだ方が振込手数料が節約できるかなあ、などと考え、銀行を決めました。

■法人口座を作るのは大変
法人名義口座が詐欺などの犯罪に悪用されるケースが増えているらしく、警察側から金融機関への指導などがあり、法人口座開設手続きが厳格化しているようです。
銀行としては、口座開設を申請してきた法人が適正な事業を行っているという実態を確認すべく、様々な書類を提出させたり、面談を行ったりしますが、そのディテールは各行によって異なっています。

■三井住友銀行の場合
私の場合、最初は三井住友銀行に口座を作ろうとしました。履歴事項全部証明書や印鑑証明書などを用意して銀行に行ったのですが、事前にネットなどで調べておかなかったので、銀行で初めて、会社設立6か月以内の場合、税務署への届出書類が必要なことを知りました。つまり、口座開設より先に税務署への届出が必要だったのですが、私はまだ税務署への届出を完了していませんでした。
あらためて税務署への届出書の控えを受け取ってから、そのコピーを準備して再度銀行へ。今度はすんなり受け取ってもらえました。

それから2週間ほどで口座開設の可否を電話連絡してもらうということになっていたのですが、2週間過ぎても連絡がもらえずこちらから問い合わせてみました。
すると、そこで初めて追加の書類提出を求められました。
彼らは、会社の住所と私個人の住所が同じであることが気になったようです(つまり、こういう会社は口座を悪用しそうだと…?!)。そこで、確かにこの住所で事業が行われているという証拠が欲しいということで、持ち家の場合は住宅登記簿(が、何で証拠になるのかなあ??)、借家の場合は会社名義で当該住所が書かれた公共料金の領収書などがないか?と言うのです。
うちは賃貸なので後者に当たるのですが、公共料金は全て個人名義なので銀行が要求するような書類はありません。

結局、三井住友銀行で法人名義口座を作ることはできませんでした。

■東京三菱UFJ銀行の場合
そこで今度は、東京三菱UFJ銀行で口座開設申請をしてみました。こちらは、税務署への届出書類などを必要としない代わりに、事業実態を示す書類として、パンフレットや見積書などを求めています(今回は事前にWebで予習しました)。
でも、こちらもすっかり疑心暗鬼になっていたので、三井住友のときに用意した書類も全て持参し、パンフレットはないのでその代わりにWebサイトのほぼすべてのページを印刷し、これまでの取引の時の請求書なども持っていきました。

結局、持っていった書類は全てコピーを取られました。さらに東京三菱UFJの場合は、簡単な面談がありました。履歴事項全部証明書に書かれた事業の目的についての確認、これまでに発生した取引について聞かれました。
そして申請書類をその場で記入して、とりあえず申請はできたのですが、結果はまた2週間後です。やはり追加で質問や書類提出を求める場合があるそうです。また法人名義の公共料金の領収書と言われたら困るので、追加提出するとしたらどんなものになるのか質問してみましたが「上司が判断することなので」とかわされてしまいました。

きっかり2週間後、銀行から電話がかかってきて、口座開設OKとなりました。あの2週間という時間は、本当は口座開設可否の検討にかかる時間なのではなく、犯罪防止のためにわざと2週間待たせているのかもしれませんね。犯罪目的ですぐに口座が必要になった場合、2週間待つ必要があると言われれば諦めるかもしれませんから。
ともかく、次の日再び銀行に出向いて口座開設手続きを行い、ようやく法人名義の口座が作れました。


■ネットバンキング
会社の経理上、法人口座のお金の出入りを把握することは必須です。それが、自宅にいながら簡単に行えるネットバンキングは、私のような社員一人の会社にとっては極めてありがたいサービスです。
ところが、多くの銀行では個人向けのネットバンキングサービスは無料なのに、法人向けの場合は有料です。これは社員一人の会社にとっては嬉しくありません。余計なコストはかけたくないので、ネットバンキングは断念することにしました。
結局、こんなに苦労して作った法人名義口座の価値は、世間に対する信頼感のみで、企業を運営するうえで便利なわけでも具体的な利があるわけでもないようです。


■それにしても
法人名義口座開設がこんなに厳しくなったのは、犯罪などへの悪用を防ぐためということですが、このやり方って最適な方法なんでしょうか??というのは、犯罪発生の舞台となっているのは法人口座でも、その根源は悪意を持った法人がいるということですよね。だとしたら、法人登記の時点で厳しくする方が根本的な対策のような気が。
いや、私個人としては登記手続きが大変になるのも困るのですが、例えば法人名義で公共料金を支払うことが必要なのであれば、それを登記の必須条件にしてしまうとか、もう少し全体の辻褄が合うような方法がありそうなものですが。

おかしいと思うのは、要求される書類が、適正な法人なら必ず提出可能なものではないこと。例えば決算時の税務署への申告が適正な法人の唯一の証しとなるのであれば、決算を迎えるまでは全ての新規法人は法人名義の口座は作れないというルールにすればいいのに。その方がずっと納得できるなあ。

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