★★★★☆
1989年ごろにMacintoshを知り、1990年には自分でSE/30を購入、以来ずっとApple製品を使い続けている私にとって、Steve Jobsは特別な存在です。
私がMacを使い始めたころはJobsはAppleにはいませんでしたが、Macを作った人物として折りにふれJobsの名前は登場しましたし、こちらも関心を持ってその人物像や生い立ちを知ろうとしました。
JobsがAppleに復帰してからは、Appleの新製品情報と共に、Jobsの基調講演はほとんど全部チェックし、iPod、iPhone、iPadを購入してきたので、AppleとJobsの奇跡の復活劇を完全にリアルタイムで、自分の体験としてつぶさに見てきた感覚です。
そんな私がこの作品を観た時、通常の映画のように単なるドラマとして評価することができません。
Jobsという人を知るため映像資料を見ているような気分で、既に自分が知っていることと比べて差異はないか?新たな情報はないか?という見方をしてしまうのです。その結果、この作品はかなりよくできているように感じました。まず、キャストの見た目が本人によく似ています。そして、様々なエピソードも私が知っている知識と近いものでした。ということは逆に、私が知らなかったエピソードもそれなりに信憑性があるのではないかと思えてきます。
このように感じられたことが、星4つの根拠です。
ちなみに、WozniakがMacintosh開発チームに参加していたことは私は知りませんでした。あれは事実なんでしょうかね??
2時間ちょっとという時間では、Jobsの人生の全てを表現することはできません。当然一部分にフォーカスを当てることになるのですが、どこが採り上げられるのかが私にとっての大きな興味の一つでした。予告編では初代iMacのスケッチやiPod発表のシーンもあったので、Apple復帰後も描かれるのかと思っていましたが、基本的には復帰したところで物語は終わりでした。まあApple復帰後の活躍はみなさんご存知でしょう?というスタンスなのでしょう。
おそらく、比重としてはApple IとIIの開発部分が一番詳細に描かれていたのではないでしょうか。Lisaプロジェクトが描かれていたのはちょっと意外。Macintosh開発もそれなりにしっかり描かれていますが、流れとしてはもうAppleを去るところに向かっている感じでした。
大学以前は割愛、Wozniakとの出会いも割愛、インド放浪はちょっとだけ、Apple IIのころのMicrosoftとの関係も割愛、XEROX PARC訪問は残念ながら割愛されていました。娘Lisaのエピソードが入っているのは、ドラマ向きだからでしょうね。Appleを去った後のNeXTがほんの少し、PIXARについては皆無でした。
さて、AppleやAppleの製品に詳しくない人がこの映画を観て楽しいのか…。正直、よくわかりません。Apple I & IIが当時として画期的であったことを、iPhoneが当たり前の現代人にが理解するには、コンピューターの歴史を相当勉強する必要があります。予備知識のない人がすぐに分かるのは、Jobsが誰に嫌われ、誰を嫌ったかということぐらいですが、それだけでドラマとして楽しめるかどうか…。
公式サイトは、こちら。
http://jobs.gaga.ne.jp
2013年11月4日月曜日
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