最近になって、特にきっかけがあったわけでもないのですが、一気に最後まで読み進めることができました。
私が初めてMacintoshを使ったのは、おそらく1989年、大学3年の授業でExcelを使った時だと思います。機種はSEかな。その後、1990年の終わりに自分でSE/30を購入しました。
このころの私のスタンスは、みんながMacはいいというからきっといいんだろうなあ、という程度で、その裏側にどんな物語があったのかまったく知りませんでした。JobsはもうAppleを追い出されたあとだったので、詳しい人から"かつてAppleにいてMacを作った人物"として色々と話しを聞かされました。でも、プログラマーでもエンジニアでもないけどカリスマでプレゼンがすごくてといった断片的な説明では、なかなかその人物像も偉業もイメージできませんでした。
それでもMac関連の雑誌や書籍、その他Jobsにまつわる情報に少しずつ触れ、大学のある研究室にはApple IIが置いてあるという環境で、いつしか、Appleの草創期から会社を追われるぐらいまでのJobsについてはそれなりに詳しくなっていきました。このころのエピソードについては、本書で再確認でき、さらに詳細な情報を知ることができました
Apple設立以前のJobsについては、本書で初めて知ったことが多数ありました。インドを放浪していたことは本を読む前から知っていたのですが、それ以外のエピソードも含めて相当アブナイ若者だったんですね。ぜったい友達にはなれなそう(^^;)。
AppleがNeXTを買収するというニュースはネットで見てビックリしたことをはっきり覚えています。JobsのApple復帰以降は、新製品も発表と同時にチェックしていましたし、Jobsの基調講演はほぼ全てネットの動画で視聴(日本での基調講演は2回、直接観に行きました)しました。そもそもIT系のサイトには常にAppleの情報が溢れており、いつも気にして読んでいたので、本当にリアルタイムでフォローしてきたつもりです。ただ、その時時のJabsにまつわる裏話はあまりネットには登場しないので、本書を読んで初めて知ったことが多々ありました。
よく、Appleを追われる前のJobsは本当にワガママでハチャメチャだったのに対して、Apple復帰後のJobsはより現実的に判断をするようになったと言われていたと思うのですが、本書を見る限り、Apple復帰後も相当メチャクチャですね(^^;)。絶対一緒に仕事したくない…。また、初期のMacintosh開発メンバー、アンディ・ハーツフェルドやビル・アトキンソンなどとずっと親交が続いていたのは意外でした。Jobsの後継者ティム・クックは、てっきりNeXT時代からの腹心なのかと思っていたら、Apple復帰後にリクルートした人物だったのですね。これも意外。
事実は小説より奇なりといいますが、よくまあこれだけ波瀾万丈でハチャメチャでドラマティックな人生があるものだと思います。先日公開された映画もよかったけど、NHK大河ドラマぐらいのボリュームで見てみたいかも。一人の人間の生きざまとしては、56年の生涯は短いけど、これだけ濃密な人生を送ったのであれば充分かもしれないと思います。ただ、Appleファンとしては、彼が作り出す製品をもう見られないのはつくづく残念です。
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