2013年12月23日月曜日

『キャプテン・フィリップス』

★★★★☆

アフリカのソマリア沖で海賊に襲われたアメリカの貨物船の、実話を元にした作品。

ほぼ最初から最後まで緊張が緩むことがなく、この手の映画としては素晴らしいと思います。たまたま『アルゴ』とか『ゼロ・グラビティ』とか、割と近いジャンルの最上級の作品の印象が残っているので、差をつけるために星4つにしましたが…。

危機を扱った映画では、まず危機を"作り出す"必要があるわけですが、そこが安直なもの(例えば、明らかに主人公の行動が軽率とか)がよく見受けられます。
でもこの作品では、武器を携帯しない民間の海運業者として、海賊対策は怠りなく、自分たちとしてやれる準備は全てやっており、それでも海賊の襲撃を防げなかったところに、リアルな恐ろしさを感じます。

また、実際海賊に襲われた後も、登場人物がスーパーマン的な大活躍で敵を倒すわけではありません。できることは特別なことではないし、失敗もしますが、冷静に、粘り強く、助かる道を探ります。
この、普通の人は普通の人のレベルを超えないで目一杯頑張っている姿が、共感と感動につながっていると思います。

トム・ハンクスの演技は素晴らしいです。普通のレベルを超えない頑張り、普通のレベルを超えないカッコよさが見事。救出された後の、一気に力が抜けてしまう演技は、ちょっとオーバーな気もしますが「よく頑張ったね」と讃えたくなりました。

ソマリア人の海賊の描き方については、どのくらいリアリティがあるか、若干疑っています。若干アメリカ人の思い込みが入っているような気がしなくもないです。
映画としても、彼らが海賊行為を行うに至った背景とか、海賊組織の内情とかを描くのであればもっとキッチリ描けばいいし、そこは全く描かずにワケの分からない悪者として描くならそれでもいいと思うのですが、どっちつかずな気がしました。

結局最後は、アメリカ海軍が登場します。こういう状況での海軍の頼もしいことと言ったらありません。ONE PIECE好きには申し訳ないけど、やっぱり海賊より海軍でしょ、と思ってしまいました。

公式サイトは、こちら。
http://www.captainphillips.jp

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