2020年1月25日土曜日

『ラストレター』

★★★★☆

岩井俊二作品でちゃんと観たことがあるのは『リップヴァンウィンクルの花嫁』ぐらいで、それも映画館で1回しか観ていないのでかなり忘れている状態です。

この作品が二つの時間軸を扱っていることは何となく知っていました。最近、このようなテーマの作品の場合、主人公が時空を飛び越えちゃったり、蘇りや生まれ変わりや憑依など、SF的な要素が入っていることがよくあるのですが、この作品にはそういう要素はありません。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』は確かちょっと倒錯感のあるシーンとかがあったような気がするので(記憶が曖昧ですが)、それと比べると現実感があるというか日常から離れない感覚の作品でした。

登場人物は基本的にみな穏やかで誠実で落ち着きがあり、演技らしい演技というよりは普通の人の普通の振る舞いをドキュメンタリーで撮っているような雰囲気でした。

それでいて、優しさや悲しさやほんわかしたものはしっかり伝わってきて、こういう落ち着いた作品もいいものだなあと思いました。

福山雅治さんは、落ちぶれた小説家をよく演じていましたが、彼が演じる限りどこかカッコよさが漂ってしまう気がしました。
そういえば、福山さんと広瀬すずさんは是枝裕和作品の『三度目の殺人』で共演していますが、別の監督作品で再び共演するのはどういう感覚なのでしょうか。映画を観ているときはまったく気づかなかったのは、それぞれの役者さんが本作の登場人物になり切れているということなのでしょうか。

庵野秀明さんの出演もそうですが、鈴木慶一さんや小室等さんも出演されていて、不思議なキャスティングだと思いました。


公式サイトは、こちら。
https://last-letter-movie.jp

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