2012年3月3日土曜日

『TIME/タイム』

★★★★☆

この作品は、かなり前から映画館で予告編が流れていて、そのときから観ようと決めていました。

遺伝子操作によって、25歳で成長(=老化)が止まるようになった人類。その代わり、それ以降生き続けるためには、お金を手に入れるのと同じように、時間(=余命)を手に入れなければならない。時間は通貨と全く同じように流通し、モノを買うときは時間を支払い、仕事をすると時間が手に入り、時間を貸し借りしたり盗んだりできる社会。

この設定だけで観たくなったのですが、やはりこの設定こそが(だけが?)、面白い映画でした。
この映画のストーリーを、「時間が通貨」から「お金が通貨」に戻して考えると、金持ちと貧乏人の格差社会で、一部の人間に富が集中する状況に不満を覚えた貧乏人が、金持ちに反旗を翻すというお話となり、何だかとってもベタな内容となります。

たぶんこの作品で面白かったのは、時間をお金のようにやり取りをする社会の姿をディテールまで描き込んでいるからだと思います。バスの乗り方、給料の支払い、銀行や質屋、時間の貸し借り、ギャンブル、窃盗などなど。

で、この作品はこの世界観にオーソドックスなストーリーを乗せたという印象なのですが、何かもうひとひねりがありそうな気がします。
例えば、ある人の所有する全ての時間を奪うことは即ち命を奪うことなので、窃盗罪=殺人罪という新たな状況が生まれるはずで、ここにフォーカスを当てるとか。突然変異で50歳まで成長する個体が生まれたらどうなるか?とか。25歳未満のふりをすることが盗難防止になるとか…。
こんなふうに考えていくと、実はこの作品は、1つのエピソードで完結してしまう映画作品より、TVシリーズなどで複数のエピソードを描いた方が面白かったのかもしれません。たぶんあの終わり方だと、続編はなさそうだからなあ。



1 件のコメント:

  1. こんにちは。
    TIMEみたんですか?
    私も見に行きたいって思ってて…。

    絶対面白いと思ったんですけど

    自分でもうすこしストーリーを広げて考えるとよりおもしろいんですね?


    参考になりました。
    ありがとう。

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