2016年4月30日土曜日

『アイアムアヒーロー』

★★★☆☆

予告編を観てもそんなに興味が湧かなかったのですが、海外の映画祭での評価がとても高かったという話を聞いて、観てみることにしました。
原作漫画は、存在だけは知っていましたが読んだことはありません。

ひとことで言ってしまうと、阿鼻叫喚のゾンビ映画。その中で、普通の男が勇気を振り絞って(ちょっとだけ)活躍する成長物語や、極限状態にあっても身勝手な人間たちとかが描かれるストーリーなのですが、映像的にはほぼスプラッタシーンしか印象に残らないかも(^^;)。

しかも本作は、決着がついた感じの終わり方ではないので、ちょっとモヤモヤ感が残りました。そこを描きたいわけではないという意図はわかるのですが…。
原作の漫画もこの終わり方なのかな。それとも原作の前半部分だけを映画にして、続編の可能性あり?

大泉洋さんは、こういう役が本当によくはまりますね。

公式サイトは、こちら。
http://www.iamahero-movie.com

『レヴェナント 蘇えりし者』

★★★★☆☆

この作品は、主演のレオナルド・ディカプリオに興味があったわけではなく、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のイリャリトゥ監督作品であることが興味を持った一番の理由でした。
あとは、坂本龍一の音楽。ずいぶん前から映画館では予告編が流れていたのですが、"音楽"らしきものが予告編の中ではまったく流れず、ずっと気になっていました。

実際に見てみると『バードマン〜』の全カットがつながってワンカットになっているというようなトリッキーな映像でもなく、ただただワイルドで粗暴で怒りや恨みに満ちた復讐劇でした。
ストーリーは極めて単純なので、その中で観る側の緊張感を途切れさせないのは、監督の腕前だとは言えるかもしれません。

坂本龍一の音楽は、うーん、なんとも…。もともと監督から「"音楽"というよりは"音"なんだ」というリクエストがあり、メロディがない音作りをしたらしいですが、限りなくサウンド・エフェクトに近い感じ。それでも坂本龍一っぽいと言われればそんな気がしなくもないですが、坂本龍一に頼む必要があったのかなあとも思いました。
予告編には音楽が入っていないと思っていたのですが、"音"は入っていました。あれも坂本龍一が作曲した"音楽"だったのかな。

荒涼として人間を寄せつけない感じの大自然の映像はとてもよかったと思います。

作品の中で、ネイティブ・アメリカンと白人の関係も描かれているのですが、あらためて今のアメリカ人は単なる侵略者だということを思い出させてくれますね。これは、この作品の主題ではないんだろうけど。

公式サイトは、こちら。
http://www.foxmovies-jp.com/revenant/







2016年4月23日土曜日

『スポットライト 世紀のスクープ』

★★★★☆

アカデミー賞のニュースで取り上げられていたので、気になっていた作品。

ボストンの新聞記者たちが、カトリックの神父による子供たちへの性的虐待を記事にするまでの活動を描いています。

実話に基づいているからなのかわかりませんが、記者たちの感情面の描写はかなり抑えてあり、どんな取材をしてどこからどんな証言や証拠物件を入手したかを中心に淡々と描いているのが、私としては好印象。
もっと感情を描いた方が作品としては成立しやすい気がしますが、情熱や正義感を内に秘めて、やるべきことを積み上げていく方がプロのあるべき姿だと私は思っているので、本作ぐらいの感情表現の方がグッと来ます。

ただ、若干内容が難しく、理解しづらいことがありました。
一つは、カトリック教会の組織構造や一般人にとっての位置付けなどに馴染みがないこと。キリスト教圏の人であれば当たり前にわかることを、作品内のセリフなどから一生懸命読み取る必要がありました。
また、取材対象となる登場人物も割と多く「この人誰だっけ?」ということが何度かありました。


公式サイトは、こちら。
http://spotlight-scoop.com





『リップヴァンウィンクルの花嫁』

★★★★☆

黒木華ファンなら観に行った方がいいと友人に勧められて、ファンというほどではないんじゃないかと自分では思うのですが、結局観に行きました。

実は、岩井俊二作品はこれまでちゃんと見たことがありませんでした。ストーリー展開にはっきりとした起承転結というか必然性がなくロードムービー的なところは、勝手に想像していたイメージとほぼ同じでしたが、意外と笑いの要素もあり、現実的で生々しい要素もあるんですね。もっとポエムみたいな作風かと思っていたもので。

黒木華さんはとてもよかったと思います。花があるヒロインという感じではなく、おとなしく、目立たず、友達も少なく、特別な才能もなく、主張もなく、どちらかというと惰性で生きている地味な女性が、とてもはまっていました(ほめています。念のため ^^;)。
ちょうど今テレビでやっているドラマ『重版出来!』では、やたらとポジティブで突っ走る役をちょっとコミカルに演じているので、より一層女優としての幅を感じます。

Coccoさんは、予想以上にいい演技だったと思います。割と精神的に不安定な人というイメージがあり、演じている役柄もそんなキャラクターなので、リアリティがあるとも言えますが、ちょっと痛々しいというか危ういというか、どうしてもネガティブな見方になってしまう気がしました。

綾野剛さん演じる安室は役柄が本当にあやしげ。結局最後まで敵なのか味方なのかよくわかりませんでした。そのよくわからない感じを演じていたんだと思います。

それにしても3時間は長い!インド映画でも日本で上映する場合はカットして3時間未満になっていることが多いのに。


公式サイトは、こちら。
http://rvw-bride.com







2016年4月16日土曜日

『ルーム』

★★★★☆

アカデミー賞にノミネートされた時にテレビでどんな作品が紹介されていて、興味を持ったので観に行きました。

予告編などから、生まれてから5歳になるまで狭い室内に監禁されていた男の子とその母親が脱出する話で、脱出した後も描かれるらしきことはわかっていました。
きっと、5歳になって初めてみる外の世界が驚きに満ちていて感動的、という展開になるんだろうと思っていたら、実際はちょっと違いました。

でも、この作品の描き方の方が正しいのだろうと思います。そしてたぶん、この作品が描きたかったのもそこなんだろうと思います。部屋を脱出した子供、母親、そして彼らを受け入れた家族、それぞれの苦悩と、最後に少しだけ光明が見えた感じで終わる演出がよかったと思います。全体としては重いけど。

ただ、タイミング的に女子中学生監禁事件の報道でメディアが賑わっていた直後なので、なんだかとても考えさせられる作品でした。

公式サイトは、こちら。
http://gaga.ne.jp/room/





2016年4月9日土曜日

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』

★★★☆☆

バットマンのダークナイトシリーズのちょっと重たいトーンはよかったし、スーパーマンの『マン・オブ・スティール』の格闘シーンも明らかに人間を超越した迫力があったので、その両方が出てくるこの作品には、実はかなり期待していました。

今回の作品は、たぶん『マン・オブ・スティール』の続きだと思います。なので、バットマン側のキャストはダークナイトシリーズとは異なり、ちょっと違和感がありました。

全体的にバットマン、スーパーマンの世界観を知らない観客にとっては説明が少ない作品で、私も特に詳しくはないので「この含みのある演出は一体なんなんだろう?」と思うところが多々ありました。かろうじて「ゴッサム・シティ」や「クリプトン星」はわかりましたが、この辺りの言葉が何の説明もなしに使われるので、予備知識がないと充分楽しめない作りになっていると思います。ワンダーウーマンとか突然出てくるので「あんた、誰?」みたいな気分でした。

あとは、バットマンとスーパーマンが戦った理由(あまり詳しく書くとネタバレになるので控えますが)も、いまいちわからなくて、私にとっては、結構モヤモヤが残るものでした。

格闘シーンの迫力は相変わらずでした。

公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/







『ちはやふる -上の句-』

★★★★☆

原作は、人気のある少女漫画だということをなんとなく知っている程度で、読んだことはありません。

思ったよりもよかったです。ひとことで言ってしまうと、競技かるたの世界を舞台にした高校生のスポ根モノ。
意外に迫力のある競技を見せつつ、汗と涙、友情と恋愛を織り交ぜ、ちょっとコミカルな要素も入れて、なんとも青春な感じです。

競技かるたの新鮮さ意外は王道中の王道なので何がよかったのか自分でもよくわかりませんが、王道をそのままひねることなく直球で描いているのが清々しいということかなあ。

広瀬すずさんは『海街diary』よりもはるかにポジティブで前のめりでガンガン突っ走る女の子の役ですが、とても自然な感じでよかったと思います。
ロングヘアだったのは原作のイメージに近づけるためだと思いますが、原作を知らない私は、やっぱりショートの方が似合う気がしました。

彼女は2016年に公開される『四月は君の嘘』にも学生バイオリニスト役で出演するのですが、これがロングヘアでポジティブな役なので、どんな風にキャラクターを演じ分けるのか気になります。

公式サイトは、こちら。
http://chihayafuru-movie.com

2016年4月2日土曜日

『僕だけがいない街』

★★★☆☆

原作マンガは読んでいませんが、TVアニメを観て結構面白かったので、実写映画を観てみました。

最初の方は、アニメ版と基本的に同じストーリーが展開していきますが、結末が違いました。こういう複数のメディアで展開する作品で結末を変えることがよくある気がしますが、やっぱりそうしないと集客力が落ちたりするものなのでしょうか。
映画版の結末だと『僕だけがいない街』というタイトルの意味合いが変わってきます。それに、なぜ主人公に"リバイバル"が可能だったか?という部分での説得力がなくなりますね。

この作品は、過去と現在の時間軸を何度か行ったり来たりしますが、アニメ版は過去の部分に相当時間を費やしますが、映画版は時間の関係もあるでしょうが、相対的に現在部分が長く感じました。小学生時代の主人公やその友達を演じた子役も頑張っていたし、もっと過去をクローズアップしてもよかったかも。藤原竜也くんと有村架純さんが脇役に感じるぐらいに。

藤原竜也くんと石田ゆり子さんの親子役は激しく違和感がありました。実年齢は10歳ぐらいの年齢差のようなので、さすがに無理がありますね。

現在の主な舞台が船橋ということで、一部実際に船橋でロケが行われているようです。何となく見たことがあるような風景もちらほら。


公式サイトは、こちら。
http://wwws.warnerbros.co.jp/bokumachi/







2016年3月30日水曜日

『アーロと少年』

★★★★☆

ネットで調べたところ、日本では吹き替え版しか上映されないとかで、不本意ながら吹き替え版を観てきました。

最近のPIXAR作品の中では、私はかなり好き。
ストーリーはいたってシンプルで、迷子になった臆病な子供が色々な人と出会い助けてもらいながらちょっと成長して家へ帰るというもの。このくらいシンプルな方がいいですね。その代わり、一つ一つのシーンにちょっとした面白さがあったり、絵としての美しさがあったりして、退屈することはありませんでした。

設定は、絶滅せずに高い知性を持った恐竜と、まだ言語も獲得していない人間というヒネリが入れてあるのですが、その必然性があるのかどうかはよくわかりませんでした。

映像的には、水や雲や草木の表現がとてもリアルで、実写なのかCGなのかわからないようなシーンもありました。そうなると逆に、キャラクターだけがマンガチックなのはいいんだろうか?と考えてしまいました。
『ジュラシック・パーク』など実写の恐竜モノでCGがリアルな恐竜を描き出しているとう実績があり、本作でも背景はリアルを追求しているのに、なぜキャラクターだけが…?もちろん本作のキャラクターをリアルに描いても魅力的ではないと思いますが、突然こんなことが気になってしまったのは、キャラクターが恐竜だったからだと思います。

不本意な吹き替え版でしたが、キャラクターの声は特に違和感なく、よかったと思います。最後の歌は、キロロが悪いとは言いませんが、英語版がどんな歌なのかわからないので、なんだかすっきりしない気分です。

同時上映の短編は、インド人の親子が登場し、ヒンドゥー教の習慣などが描かれているので、PIXAR作品としてはかなり異色な印象でした。監督の名前がインドっぽかったので、なんとなく納得。作品としてすごく面白かったかというと微妙ですが、PIXAR作品がこういう風に国際色豊かになっていくのも悪くないと思います。

公式サイトは、こちら。
http://www.disney.co.jp/movie/arlo.html



2016年3月26日土曜日

『エヴェレスト 神々の山嶺』

★★★☆☆

エヴェレストに初登頂したのは誰かという謎を追うようなくだりがありつつ、結局は山にとりつかれた男たちの無謀な挑戦の映画ですね。

そうなると、だいたい遭難という状況が出てきて、仲間を失った過去があって、生還できるのかどうなのかというスリルがあって…というのは山岳映画につきもので、まあこの作品もそんな感じです。

山の映像はとても美しかったと思います。

そしてカトマンズ。さすがに撮影場所がどこかはわかりませんでしたが、私が見てきたカトマンズの雰囲気そのまま。外国人観光客は大抵タメル地区に行くそうですが、その近辺らしき場所も映っていました。
私がネパールを旅行したときは、カトマンズの他にチトワン、ポカラを回りましたが、いずれもカトマンズより西のエリア。一方エヴェレストはカトマンズより東側なので、私はエヴェレストの姿は全く見ていません。映画の中では、当然山でのシーンも多いですし日本でのシーンもあるので、カトマンズのシーンは意外と少なかったです。

この作品を観たかった理由の一つは、自分が行ったネパールの雰囲気を味わうため。その目的は、多少果たせた気がします。

公式サイトは、こちら。
http://everest-movie.jp